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未熟 さんの投稿された作品が23件見つかりました。
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頭脳と頭脳(11)
携帯から発せられる覆面の声。それをながしたまま歩く。ムービーをとっていてよかった。たとえ、変声機で声を変えていても、話し方などでわかるかもしれない。少女が覆面のことをどのくらい知っているかは知らんが、追っているぐらいだ。俺たちよりは知っているだろう。一通り歩いたが、話しかけてくるやつはいない。反応で判断しようにも、大抵のやつが怪訝そうな目で見てくる。まあ、爆破の被害者たちの前で、変声機を使ってい
未熟 さん作 [524] -
頭脳と頭脳(10)
プラザ万葉付近にようやく着いた。哲史は、妹から電話があり、話をすましてから後を追ってくると言っていた。あいつは若干シスコンだし、たまにしか妹と話せない。だから、どんな些細なことでも、妹を優先する。当然、俺のことよりも。みんなはバカにするかもしれないが、事情が事情だし、俺はいいと思っている。だから、行き先だけ告げてわかれた。時計の針は、三時半をさしている。急がないと。しかし、プラザ万葉の付近は、事
未熟 さん作 [559] -
頭脳と頭脳(9)
また、それぞれの区に住宅がある。中央区、北区、東区、西区、南区の順に住宅が多く、家賃が高い。ちなみにここは南区で、墓地があるせいか、最も家賃が安い。地図を見ると、爆破されたプラザ万葉は中央区の真ん中にあった。そして、俺が知ってるプラザ万葉の情報を思い出す。たしか、万葉市最大のビルだった。屋上から見える風景は、万葉市を一望できるとか。昔は、それが売りでたくさんの人がプラザ万葉に行ったらしい。そんな
未熟 さん作 [546] -
頭脳と頭脳(8)
「まあ事件がわかっても意味ないっすよ。それよりも、『空の上の星』と『少女』について考えないと。」たしかにそうだ。そうなんだが、なぜ覆面は爆破事件の犯人のようにふるまったのか?みえか?いや違う。それならあんなことを言って、見破らせたりはしないだろう。なにか意味があるはずなんだ。だが、やはりそれはわからない。なら、哲史の言うとおり、こっちを先に解くべきか。こっちにはタイムリミットがあるのだから。「空
未熟 さん作 [651] -
頭脳と頭脳(7)
「そうだ。あいつは爆破事件なんて一言も言ってない。」哲史の顔が悔しそうに歪む。「だまさせられてた。」「ああ。ある場所で大々的な事件がおこり、その場所で事件をおこしたといえば・・・・・・」「その事件をしたとしか思わない。はったりや、虚勢をするうえでの典型ですね。」そう、思考を固定する。詐欺などの基本。「しかし、花火をたくさんの人に見てもらったって言ってましたよ。」そこか。それはさっきのニュースが証
未熟 さん作 [598] -
頭脳と頭脳(6)
「なにかの事件?プラザ万葉爆破事件をおこしたんじゃないんすか?」想定してない言葉だったようだ。「それはまだわからん。」「どうしてそんな考えに?」哲史は全然分からないみたいだな。俺は、テレビをまだ臨時ニュースを報道している局にかえた。「今日はプラザ万葉に芸能人の・・・・・・」ちょうど知りたい情報だ。綺麗なニュースキャスターが事件について話す。「・・・・・・が来ておりまして、同ビルの地下でイベントを
未熟 さん作 [635] -
頭脳と頭脳(5)
「どれだ?」哲史のほうを見た。「これっす。たこあし回線の内部っす。典型的な仕掛けかたっすね。」哲史の言うとおり。電気の供給が絶え間なくおこなわれるため、仕掛けられる場所としてはメジャー。さすがに心得てる。しかし、いつ仕掛けた?鍵は常にかけている。ピッキング?いやそれはありえない。なにせ・・・・・・「他にはないですね。」部屋の全ての場所を見てくれたようだ。長く考えすぎだな。「ありがとう。助かったよ
未熟 さん作 [626] -
頭脳と頭脳(4)
「大丈夫だ。ありがとう。」血の気がひいてゆく。まともに頭もまわりそうだ。「よかった。」心底安心したようだ。俺のほうこそ、お前がいてくれてよかったよ。まあ、そんなことは思っても言わないが。ハズいし。さて、本題に戻るか。「とりあえず、やつの手掛りを探る。」「さっきのテレビのやつっすか?俺も協力しやす。」哲史は俺と一緒に色々なことをした。頭はキレるほうだ。協力してもらって損はないだろう。哲史にも見せる
未熟 さん作 [662] -
頭脳と頭脳(3)
「私はあなたとのゲームを楽しみたい。」ゲームだと。完全になめてやがる。しかし、俺がこいつのゲームにのるとかぎらないのに。「だから、こんな序盤でつまずくなんてことはないように。あなたには、たくさんの敗北をジックリとあじあわせてから、あたしが殺すんですから。」また一人称を変えてきたか。「では、あなたを殺せる日を待っています。」話は終りか。えられた情報はたいして多くない。警察にビデオを渡して、このこと
未熟 さん作 [641] -
ネイム(2)
「貴様、複数のネイムを!」「そんなに驚くことじゃないだろう。複数のネイムを使えるネイザーなんてごまんといる。」今度は男が笑う番だ。たしかに複数のネイムを使えるネイザーはいる。多数の因子をもっていればいいのだから。しかし、鉄多は自分が一つしかネイムをもっていなかったため、また複数のネイムをもつネイザーを見たことがなかったために、失念していた。「あ、あ、あ〜!」「命は一人一つだ。だからこそ尊い。お前
未熟 さん作 [532]