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さんの投稿された作品が5件見つかりました。

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  • ひとりぐらし×2の3(3)

     まったく、油断していたとしか言いようがない。灯の淹れたコーヒーを「何気なく」口にしてしまうとは。「…」 何かイタズラを仕掛けられていて然るべきなのだから。 そのコーヒーは、僕を驚かせたと言う一点に於いて、正にその役目を全うした。 なにしろ彼は、僕が絶句するほどに、「うま…」 かったのだから。「あれ、大丈夫?何でそんな変な顔すんのさー」「おかしい。コーヒーがおいしいんだけど」「あたりまえじゃん」
    さん作 [324]
  • ひとりぐらし×2の3(2)

     ぴょろろ、と気の抜ける音がして、薬缶が蒸気を吐くまでにはたっぷり10分はかかっただろうか。コタツから這い出た灯はマグカップにコーヒーをつくっていく。 僕はその背中をぼーっとながめていた。 細い背中だ、それに思っていたより背も低いかも。肩くらいでシャギーの入った髪は、うっすらと栗色がかって、しなやかに左右にゆれる。 そう云えば、この自分の部屋で灯の顔を見るコトは何度もあった。何かにつけて上がり込
    さん作 [220]
  • ひとりぐらし×2の3(1)

    「さむ」 冷たい目で見られた。 窓の外は雪が、叩きつけるように降っていた。 残念なことに、ファンヒーターの灯油が切れていて、たかだか六畳の僕の部屋をあたためる術はない。「コタツはあるだろうが」 声が憮然となる。 あまり片づいているとはいえない部屋だが、この突然の吹雪から逃げたい一心だろう、制止を弾き飛ばして、灯は勝手に僕の部屋に上がり込んでいた。「さむ。もぐりこんでいい?」 いうが早いか灯は首だ
    さん作 [543]
  • ひとりぐらし×2の2

     白磁の皿と格闘する。奴らはめくらましの術を使って、淡々とその牙を剥きだすタイミングを伺っているのだ。「あいてっ」 僕は一人、洗い場にいた。あまり流行っていないレストランだが、たまに近くで催事などあったときなど、異様な客入りを見る。 油モノの汚れはあっというまにシンクに張った湯を濁らせてしまい、皿が割れても判らないのだ。「あーっ!ちょっとアツ、いったい何枚皿割る気よ」「僕の心配もしろよー…」「そ
    さん作 [509]
  • ひとりぐらし×2

     この白い雪は殺意をもっている。殺意を以て今この僕に、正にたたきつけられている。 そう信じるに足る現実を認識した時には、僕の意識はまぶたの裏を彩る火花とともに、根こそぎ刈り取られていた。 その雪玉には、間違いなく「石」が込められていた。「マジでトロすぎんじゃね?アンタさー。正面から投げてやったのに、顔面には食らわないっしょフツー」 人にケガさせておいて、全く悪びれることもなく、むしろ鼻で笑うくら
    さん作 [345]
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