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カルロス伊藤 さんの投稿された作品が46件見つかりました。
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来世で逢いましょう 第十話2
「ネオ、正気なのか!次回は東京に行くって!」「ええ、そういう条件よ」「どうかしてるよ!ひょっとしたら奴らの罠かもしれないんだぜ。行ったら最後、そのまま身柄拘束なんて事も有り得るだろう!」「それは無いわ。そんな卑怯な事をする人間には見えなかった、あの権藤っていう男」「たかだか一回会っただけで何が分かる。しかも次回の会談場所がカラオケ店ってどういう事だよ。とことんフザケた野郎だ!」「私も一瞬メールを
カルロス伊藤 さん作 [313] -
来世で逢いましょう 第十話1
荻窪のラーメン屋「どうだったよ、権ちゃん、えらいべっぴんさんだっただろ。ズズッ」「あぁ、まさかあんな綺麗な人だとは思わなかったよ。まさにアジアン・ビューティーって感じだったな。ズズーッ」「それで?話の方はどうだったのよ」「あぁ、さっきの閣議でも報告したけど、向こう側は折れる雰囲気は全く無しだな。こちらの見解も説明してしつこく説得したけど平行線だったよ。ただな…彼女がやろうとしてる事、俺個人的には
カルロス伊藤 さん作 [328] -
来世で逢いましょう 第九話3
「フーッ、いくら話しても進展は無いようだな」「そうみたいね」「分かりました、今日の所はこれで帰る事にします。もう一度話し合う機会を設けましょう。今日の話を持ち帰って報告し、我々の中で再度議論します。何らかの譲歩案が出せるのであれば次にお会いする機会にそれを提示したいと思いますが如何でしょう」「いいわ、そうしましょう」「つきましては、次回はあなたを東京にお招きしたいと思っているのですが、差し支えな
カルロス伊藤 さん作 [301] -
来世で逢いましょう 第九話2
NEOは髪が背中くらいまで有り、切れ長の細い目をした東洋人女性特有の端正な顔立ちをしていた。権藤は何故こんな美しい女性が、よりによってクーデターなどという大それた事を起こそうとしてるのか考えていた。話を切り出したのはNEOの方だった。「総理は自衛隊出身だそうですね」「あぁ、そうだ」「では、二・二六事件や五・一五事件などはよくご存知ですね」「あぁ、それなりには知っているつもりだ」「いつの時代もどこ
カルロス伊藤 さん作 [293] -
来世で逢いましょう 第九話1
「ようこそいらっしゃいませ、権藤総理。お会いできて光栄です。私はこの組織のリーダー、ネオと申します」「あ…あぁ、初めまして、内閣総理大臣の権藤です」「どうぞこちらへ」二人はテーブルを挟み皮のソファーに腰を下ろした。権藤は話を切り出すタイミングを忘れ、暫し目の前のネオの美しさに見とれていた。「どうかしました?」「あ、いや、革命組織のリーダーなんで軍服でも着てるのかなと思ってたもんで…」「ええ、軍服
カルロス伊藤 さん作 [259] -
来世で逢いましょう 第八話2
権藤は16年ぶりに生まれ故郷の福岡、現在の多福に降り立った。彼は福岡博多で生まれ育ち、18の時に航空自衛隊に入隊し神奈川の厚木へ赴いた。「うーん、やっぱり東京とは違う暑さだな。懐かしい匂いだ」「総理、お車の方へ」「うん」権藤を乗せた車は、市街地の外れにある雑居ビルが立ち並ぶ地域へと向かった。その一角の古びた建物の地下に革命のアジトは有った。「お待ちしてました、権藤総理」ビルの入口で出迎えたのはサ
カルロス伊藤 さん作 [329] -
来世で逢いましょう 第八話1
「総理、革命のリーダーとの会談ですが、交渉が成立したようです。始めは頑なに拒んでいましたが、中国政府には内密で行うという絶対条件で漸く了承したようです」「そうか、いつだ」「明後日午後8時です。我々が用意した場所を提示しましたが、どうしても先方のアジトでなければ了承出来ないという事で、総理には三人のSPを連れて多福に飛んでもらいます。今回の交渉は国防軍の牛島総帥がかなり根回ししてくれた模様です」「
カルロス伊藤 さん作 [287] -
来世で逢いましょう 第七話2
「何が気に入らないんだ権(ゴン)ちゃん…まぁ、大方の予想はつくけどな」「九宝で密かにクーデターを企てている組織があるという話は、さっきの会談で報告がある前から薄々知っていた。政府としては断じてそれを阻止する方針だ」「あぁ、軍も大方そういう意見が大多数だ」「それがなんだい?私個人としては容認する余地も捨て切れていない、って…一体どういう事だよ」「権ちゃん…俺達は中国と戦争を戦った。そして郷土の一部
カルロス伊藤 さん作 [267] -
来世で逢いましょう 第七話1
東京 赤坂の料亭「牛ちゃん、どういう事だよ!」「どういう事って?あ〜、仕事の後のビールは旨え!…あぁ、さっきの会談の話の事か」「あぁ、九宝でクーデターを起こそうとしている連中の話だ」九宝…中国との戦争に敗れた事で、九州は中国の植民地支配下に置かれ九宝(ジウバオ)省と名前を変えた。植民地と言っても、第二次大戦後、香港がイギリスの統治下であった様な状態で、『中国における自由主義』を謳い、言語も自由、
カルロス伊藤 さん作 [272] -
来世で逢いましょう 第六話
「未来光!!」九宝省、多福(ドゥオフー)区のとある雑居ビルの地下室に集結した秘密結社『革命(ゴーミン)』の合言葉が響き渡った。「同士諸君!我々が兼ねてから目的としていた革命の日がいよいよ迫ってきた!これから数日間の諸君らの行動は極めて隠密に、そして神経質にならなければいけない。けして中国政府及び日本政府に我々の動きが悟られないよう、充分な注意を換気する!」集団の眼前で力強く声を上げているのは、秘
カルロス伊藤 さん作 [283]