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月白 凪砂 さんの投稿された作品が4件見つかりました。
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空ノ箱庭
望んだのは空で手に入れたのは海の色鮮やかに続く空の碧は遠く遠く遠く掌に掬い上げて硝子の瓶に閉じ込めた世界は静かに波打ちながら光すら残しはしないままに割れて消えてしまった淡い桃色の貝殻を拾い小さな小瓶に手紙と共に一つだけ詰め込む波飛沫を立てて波打ち際に落とした瓶は満ち干に合わせて何度も戻りながら遠くへ掠われていくだけ何度閉じ込めても手に入りはしないのは分かっていた事なのだと小さな溜め息で淡く儚い光
月白 凪砂 さん作 [178] -
白黒迷宮 (モノクロラビリンス)
鮮やかな黒なんて矛盾した色が存在しない様に鮮やかな白も存在はしない有彩色は黒でなく白でなく存在する色である事にさえ気付きはしないままに極彩色の影だけを追い求める変わりはしない迷宮の様な二つの色は交わり逢う事すらも許されない対象で正反対な関係は一番近くに在りながらまるで硝子の壁が在る様にそうして無彩色を手に入れる事は出来ないのだ五線譜はモノクロで描かれる始まりは白で終わりは黒で濃い白と淡い黒がない
月白 凪砂 さん作 [199] -
虚月の灯 追憶の星空 ? 前編
空色ファンタジア信じていたと言えば君は笑ってくれたでしょうか。最期の声を覚えてくれていたでしょうか。忘れて、しまったのですね。私と貴方のたった一つの約束を。指と指を繋ぎ、誓った言霊を。『そこを出てはいけない』と。約束、したでしょう――? ? 風の回廊冷やかな風が僕の頬を撫でた。涙雨が空を舞う。今なら飛べそうだと、背の翼を広げる。「…リエル。空が泣いていますね。多分…『トリ』が逃げたのでしょう」僕
風海 月華 さん作 [199] -
虚月の灯 追憶の星空
空色ファンタジア何も見えない。何も聞こえない。こんなにも、空に近い場所にいるのに。見上げた空は美しかった。近くに行きたいと想った。触れたいと想った。触れた空は冷たかった。どれだけ近付いて触れても、遠かった。そして、空は、汚れていた。地から見れば、美しく見えた。けれど、汚れていた。こんなにも、こんなにも美しいのに。嗚呼、来てしまったのだ。脚を踏み入れては行けない場所に。人が知ってはいけない場所に。
風海 月華 さん作 [294]
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