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詩月 さんの投稿された作品が3件見つかりました。
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妖怪の街3
私はいつからあの奇妙な夢を見るようになったんだろう。あの日だ。一ヶ月前タクと最後の電話をした日からだ。彼はその時、すでに私としゃべる事すらおっくうそうだった。私は泣きながら笑っていた。「なんであんたの方が被害者ぶった感じなの」「はいはい、もういいって」唇が震える。言葉が出ない。口の中が苦くなる。瞬きすらできない。闇が広がる。モワモワ…モワモワ…「クククク……エミちゃん、怒ってるの〜?泣いてるの〜
詩月 さん作 [112] -
妖怪の街2
バイト先に着いた時には10分も過ぎていた。「今日はお客さん少なかったからいいけど、気をつけてよ、ほんと」「すいません」お客さんが少なかったからって、いつも少ねぇじゃねえか。私はいつものようにバイトに入る。何も変わらない日々。別に何も変わらない。婚約がなくなったって何も変わらない。私は私なんだから。またいい男見つければいいんだから。それだけのこと。私は平気だ。平気だ。平気か?ほんとに平気なのか?「
詩月 さん作 [154] -
妖怪の街
起きたら妖怪の街にいた。茶色い妖怪が笑ってる。やたら笑ってる。何がそんなにおかしいのか。私はなんでここにいるのか。私は確か…思い出せない。「ほんとおもしろいよね〜愉快だよね〜ねぇエミちゃん」茶色い妖怪が話しかけてくる。やっぱり笑ってる。何言ってんだ、こいつ。しかも私はエミちゃんじゃない。私は…誰?わからない。妖怪は去っていく。フラフラして去っていく。真っ黒な世界。闇に消えていく妖怪。笑ってる。ム
詩月 さん作 [143]
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