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フェリス さんの投稿された作品が75件見つかりました。
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男のプライド 後編
三上は直球と変化球で松山と勝負した。そしてついにカウントはフルカウント。ツーストライク、スリーボウル。次の一球でおそらく決まるだろう。村上は最後の決め球をフォークで仕留めようとサインを出した。しかし、三上はストレートで決めたかった。彼は最後の一球を全力で投げ抜き勝負したかった。三上はいわゆる剛速球の投手として日本中に知られている。おそらく全力で投げれば150キロを越えるスピードが出る。三上はクビ
フェリス さん作 [537] -
男のプライド 前編
日本シリーズ最終戦、3勝3敗同士で並んだ東京ブラザースと福岡ドルフィンズ。そして9回もいよいよ裏へ。3対1でドルフィンズが2点リード。9回の裏、ツーアウト一塁、二塁で打席はブラザースの4番松山。マウンド上はドルフィンズエースの三上。三上は思った、まさかこういう展開で松山と対戦する事が巡ってくるなんて。思えば高3の夏の甲子園決勝戦、この大会では二人の大物球児の存在が騒がれていた。黎明学院のサウスポ
フェリス さん作 [585] -
ノスタルジア
東京へ上京して30年、私はすっかり関東人になってしまった。しかし、私の中には故郷の懐かしさが込み上げてくる。生まれてから高校を卒業するまで私は愛知県の田舎町で過ごした。私の故郷は海と山に囲まれ、自然に覆われていた。港から見える船の群れ、浜風にあおられながら空を飛び交うカモメたち、海をよく見ればボラの大群が水の中からジャンプをして跳ねている。そして、朝市での新鮮な魚の匂い、その匂いを嗅いで集まって
フェリス さん作 [507] -
恋の終わり、恋の始まり
浩二さんへあなたは私にとって、最愛の彼氏でした。あなたの優しさ、温もり、真面目さ、私は本当にあなたと出会えて今日まで付き合ってこれた事に感謝します。しかし、私はもっとユニークでワイルドで引っ張ってくれる男の人に魅了を感じていました。優しくて真面目で誠実な人間の人も素敵ですけど、私は危険の香りのする男の人に憧れるのでした。先日、仕事の同僚の子がコンパを開くと言われ私は彼氏がいるという事で何度も断
フェリス さん作 [614] -
まどろみの声
隆は晴れて高校へ入学した。彼の入学した星空高校は県内屈指の進学校である。彼はこの学校に入り、一流大学へ進学しようと勉強に励んでいた。しかし、彼はここの学校で不思議な体験をする。それは世界史の小早川先生の存在だ。彼が口を開くとクラスの40人の生徒の大半は深い眠りに包まれてしまう。その退屈な授業と彼の甘く優しいハスキーボイスは生徒をまどろみのせかいへ導くのだった。隆は何ともこの授業がふんわりとしてて
フェリス さん作 [480] -
退廃と教育
オスカーワイルドのドリアン・グレイの小説を読んでた時に気になる言葉があった。それは退廃は教育であるという言葉だ。退廃するという事は人生の底辺に存在する事を表す。分かりやすく言えば、アンダーグラウンドの人間は退廃してると言えよう。その人間の最も恥じたる生活でさえも一つの教育として考える事が僕には刺激的だった。特に芸術家を目指す者としては一度はそういうふしだらな世界に足を踏み入れてその事をネタに何か
フェリス さん作 [573] -
ストレンジ・ウィーク PART14
四人は居酒屋を出ると、ビジネスホテルへ向かった。明日の講演会の為、目黒区のホテルへ移動した。部屋割は正志とかぐや姫、海賊とウサギ男にわかれた。正志は503の部屋に入るとフゥっとため息をついた。まさか、あの謎の占い師の言ってたとおりにかぐや姫、海賊、ウサギ男に出会えるなんて。あの老人は、僕の望みを叶えると言った。もしかして本当に僕の人生が180度変わるかもしれない。「かぐや姫、あの海賊とウサギ男の
フェリス さん作 [452] -
旅立ち
私は、現在何処か遠い北国の町にあるビジネスホテルに身を寄せている。窓の外を見ると雪がチラチラと舞い降り、冬の荘厳な景色が綺麗だ。冬を見るのも今年で33回目だ。おそらく、今年の冬が私の人生の中で最後の冬となるだろう。私は。先程ホテルのルームサービスでデミグラスソースのかかったハンバーグとそれに添えられている野菜と温かいコーンスープとライスとグラス一杯の赤ワインを最後の晩餐として食べ終えた。そして、
フェリス さん作 [565] -
ホ・オポノポノ
俺は、幼い頃から両親に大切に育てられ今日、この日まで生きてきた。思えば、思春期の頃俺は大人と子供の間のティーンエイジャーと呼ばれるこの時期に大変迷惑を掛けてしまったものだ。心の何処かで満たされない欲求がつのり、俺は不良と呼ばれる集団の仲間いりをした。父さんと母さんは散々彼等とつるむのを止めるように俺を説得したが、俺はそれを振り切り非行を繰り返していった。万引き、バイク乗り回し、シンナーなどあの頃
フェリス さん作 [471] -
ストレンジ・ウィーク PART13
四人はウサギカフェを後にし、夜も近くなってきたので、最寄りの居酒屋へと向かった。「平八」と居酒屋の看板に大きく書かれている。正志は運転の為、烏龍茶を残りの三人はビールを頼んだ。「なんかこうして四人でいると、何か不思議な団体に見られるな。まともなのは俺一人か。」とつぶやく正志。「ねぇ、私たち四人の出会いって、偶然なんかじゃなく必然的なんだと思うの。これから、私たちの身にスゴイ事が起きるのかもしれな
フェリス さん作 [464]