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カイ さんの投稿された作品が5件見つかりました。
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ミチとアコ 5
亜子の家の近くまで来ると、悟は立ち止まった。“なに?”目で問いかける亜子を引き寄せ、優しく抱き締める。悟は亜子が愛しくてしかたがなかった。亜子は硬直して、棒立ちになっていた。「こわい?」悟が尋ねると、亜子は慌てて首を振った。「俺のこと、好き?」悟の低い声が、体中に響く。亜子は頷いた。「好きじゃなきゃ、付き合わないよな」悟は独り言のように言って、腕を解いた。「じゃあな」「え?」「また明日」手で“し
カイ さん作 [122] -
ミチとアコ 4
しんとした中に、二人の足音だけが響く。亜子は手を握られたまま、下からそっと悟の顔色を伺った。「今日、何かちがうね」「そう?」悟は言ったきり、また黙ってしまった。最近悟は、二人きりの時、あまり喋らない。それが亜子はとても落ち着かないのだった。「星、きれいだね」亜子が言うと、悟は空を見上げた。「北斗七星だろ」「何それ」「ほら、ひしゃく型の」悟は繋いでない方の手で、星たちをなぞった。「ひしゃくって何?
カイ さん作 [112] -
ミチとアコ 3
悟と亜子は、暗がりの中を手を繋いで歩いていた。この辺りは街灯がないため、日が沈むと真っ暗になる。二人の家は離れているのだが、そうでなくても、亜子は一人で夜道を歩けなかった。だから悟は、毎日こうして家まで送り届けている。並んで歩くのは、付き合う前からの習慣なので、亜子はすっかりリラックスしていた。今日学校であったことや、昨日観たテレビのことを楽しそうに話している。悟は相槌を打っていたが、実際はあま
カイ さん作 [89] -
ミチとアコ 2
悟と亜子は、付き合って三ヶ月になる。以前から仲が良く、一緒に帰宅していたことがきっかけだ。中学生活最後の夏が終わり、部活を引退した二人は、互いの家で受験勉強をするようになった。ほとんどが悟の家だったが、それは、その方が悟が落ち着くからだった。亜子に至っては、どちらの家だろうと関係ない。基本的にどこにいてもくつろげる彼女は、さっきから新しいゲームに没頭していた。「それ、持って帰れば」いつまで経って
カイ さん作 [169] -
ミチとアコ
カイと言います。前回一つ話を書いていましたが、内容がこのサイトに相応しくないと判断し、やめさせていただきました。今回もどこまで書けるか分かりませんが、気軽に読んでいただければ幸いです。できれば感想下さい(笑)美智と亜子は、正反対の女の子だった。美智は本を読むのが好きな、大人しい女の子で、亜子はじっとしていることが苦手な、元気な女の子だった。二人は家が近所でクラスが同じ。姉妹みたいに仲が良かった。
カイ さん作 [127]
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