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矢口 沙緒さんの投稿された作品が226件見つかりました。

 
  • 欲望という名のゲーム?47

    「なぜですか?」「兄さんがとてもいい人で、それにすごく楽しかったから、大事な事に気付かなかったのよ。なぜ突然兄さんが私に会いに来たのかを、深く考えなかったの。あの時もう兄さんは、自分の命が長くない事を知っていたのね。でも、結果的に財産を独り占めしたような形になっているから、明彦兄さん達には会いずらかったのよね。でも私だけは、まだ養ってもらってる身でしょ。だから私に会いに来たのよね。…私がもう少し
    矢口 沙緒 さん作 [381]
  • 欲望という名のゲーム?46

    「それでね、『おっ、なかなかいい部屋じゃないか』とか言って、入って来ちゃうし。私、人を呼ぼうかと思ったりして。…でもね、話しているうちに、本当の雅則兄さんだって事が分かって。それでね、『突然どうしたんですか?』って聞いたらね、『一緒にチェスをしようかと思ってね』だって。呆れたわよ、私。雅則兄さんが変人だとは聞いてたけど、まさかこれ程とは思わなかった。兄さんはニコニコしちゃって、『どうだ、やらない
    矢口 沙緒 さん作 [382]
  • 欲望という名のゲーム?45

        4コンコン、と孝子の部屋をノックする音がした。すでに夜も十時を回っている。「どうぞ」彼女が応えると、鹿島が入ってきた。「夜分遅くに失礼します」「大丈夫よ。まだ寝るには早いから」ソファーに座り、テーブルの上のチェス盤とにらめっこをしていた孝子は、鹿島のほうを振り向いて答えた。「今夜お見せしたテープの、ダビングテープをお持ちしました。それと、一言お礼が言いたくて…」「お礼?」「はい、食堂での
    矢口 沙緒 さん作 [378]
  • 欲望という名のゲーム?44

    「そうなのか、鹿島?」「私はあの猫の名前の由来は、知らないのです。ですが、今の孝子様のお話を聞いていて、十分に考えられる可能性だと思います」「ねぇ、孝子さん。この食堂にピカソの絵はあるの?」友子が食堂に掛けられた絵を見回しながら聞く。「そうねぇ、ここにはないわね」「よし、ホールに行く。孝子、お前も一緒に来てくれ」そう言い残して、明彦が食堂を出た。「僕達も行ったほうがよさそうだ。鹿島さん、あなたに
    矢口 沙緒 さん作 [375]
  • 欲望という名のゲーム?43

    「お断りいたします。テープは毎晩一本づつ順序通りにお見せせよと、雅則様から指示をいただいています。それを無視するわけにはまいりません」「ケチなこと言ってないで見せろ!」明彦が立ち上がって叫んだ。それに続いて、深雪と友子も騒ぎ出す。しかし、鹿島は頑として断り続ける。やがて、見せろ、見せないの押し問答になってしまった。どちらも後には引かず、だんだんと声を荒立てる。牧野夫妻までが、何事かと出て来た。あ
    矢口 沙緒 さん作 [384]
  • 欲望という名のゲーム?42

    パッとテーブルの上のテレビが明るくなり、昨夜と同じように雅則がテーブルについた。「やぁ諸君。今夜も食後の挨拶に来たよ」テレビの中の雅則が、軽い感じで話しだす。「どうかね。今日一日で、何か手掛かりを掴んだ者はいるかな?それともまだ、暗中模索の段階かな?それでは暗中模索の方々へ、本日のヒントを出そう。三階の六号室。そう、あのチェスの駒が置いてある部屋だよ。あそこには行ってみたかね?あの部屋には、私の
    矢口 沙緒 さん作 [404]
  • 欲望という名のゲーム?41

        3食堂のテーブルに五人が揃ったのは、ちょうど六時だった。牧野の料理が次々に運ばれてくる。その料理を食べながら、明彦、喜久雄、深雪の三人は、お互いをチラチラと見ていた。まだ誰も宝探しに成功した者はいないようだ。しかし手掛かりを掴んだ者はいるかもしれない。いったいこいつら、どこで何を調べてるんだ。そんな考えが三人の頭にはあるのだろう。食事が終わって、孝子にだけデザートが付いた。牧野がアイスク
    矢口 沙緒 さん作 [385]
  • 欲望という名のゲーム?40

    三階四号室の明彦は憤慨していた。そして、自分の兄を呪う言葉を、さんざん喚き散らした。ここにあるゲームの数は、いったい何なんだ!いくらマニアだからって、収集するにもほどがある。正常な人間のする事じゃない!そんな事を言いながら、それでも『猫』あるいは『パブロ』に関係するゲームがないか、部屋中にあるコンピューターゲームを見て回った。この男もまた、二百八十億に取り憑かれていた。結局三号室と四号室の全ての
    矢口 沙緒 さん作 [384]
  • 欲望という名のゲーム?39

        2誰かが鹿島の部屋をノックする。「どうぞ」鹿島の声と同時にドアが開いて、孝子が顔を出した。「あの…ビデオテープを取りにきたんですけど…」鹿島はちょっと驚いた顔をしたが、すぐにテープを手渡した。「私がどうかしたのかしら?」孝子は鹿島の表情が気になって聞いた。「いえ、確か孝子様は宝探しには興味がないと、そう伺っていたものですから、ちょっと驚きまして…」「今も興味はないわよ。宝探しより面白い本
    矢口 沙緒 さん作 [376]
  • 欲望という名のゲーム?38

    「白い毛と、黒い毛と、茶色い毛が混ざった猫の事よ」「じゃあれか?よくその辺を歩いてる、柄がごちゃごちゃした猫か?」「そう、そのごちゃごちゃよ」喜久雄は少し考える。「昨日のビデオだけどな。お前はあのヒントの所で、どう思った?」「別に、どうとも…」「僕は兄貴が三つの事を強調したように思えた。まず『猫』、これが一つ。そしてそれが『三毛』である事。最後に名前が『パブロ』だという事。この三つだ。『パブロ』
    矢口 沙緒 さん作 [380]
 
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