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矢口 沙緒さんの投稿された作品が226件見つかりました。

 
  • 欲望という名のゲーム?125

    「あの鎧の中に?」「そうよ。あの鎧は一度分解されたのを全員が見てるから、二度と探す事はないと思ったの。それに鹿島さんを手伝って鎧を組み立てたから、構造も分かってたし、あの時は一時しのぎに隠すには絶好と思ったんだけど…でもそのあと取り出すチャンスがなかったのよね。結局、鎧の中に入れっぱなしで、ここを離れる事になっちゃって。それを今、取りに戻ったのよ、ここに」「あの雅則様の笑顔の作り物を、いったいど
    矢口 沙緒 さん作 [575]
  • 欲望という名のゲーム?124

    「結局その本の存在に気づいたのは、孝子様お一人のようでしたね」「あの様子だと、そうみたいね。あら、少し話が脱線しちゃったみたい。さっきの続きに戻しましょうね。私はプロブレムを解いて、権利書の大体の場所は分かった。でも、喜久雄兄さん達の見張りが続いている限り、何も出来ない。そんな時、深雪姉さんが鎧の分解を始めた。そしてまた、残りの全員が見学してくれた。鹿島さんも含めてね。もちろん鎧はホールにあるか
    矢口 沙緒 さん作 [541]
  • 欲望という名のゲーム?123

    「書き留める必要がないもの。あのレモンパイが出てくる前に、私はコルクに書かれているヒントを見ているのよ。つまり、あの時点でクイーンの位置は知っていたの。あのレモンパイの通りに頭の中で駒を並べる。そして、コルクで知ったクイーンの位置にクイーンを配置する。そのプロブレムを解けばいいんでしょ。チェス盤なんかいらないわ。その場で解けちゃったもの。その答を覚えておけばいいだけ」「なるほど、チェス盤を使わな
    矢口 沙緒 さん作 [603]
  • 欲望という名のゲーム?122

    「私はまだこの封筒の中を見てないけど、でも賭けてもいいわ。この中にある権利書の有効期限は、少なくともあと一ヶ月はあるはずよ。そうでしょ」「な、何を馬鹿なことを!」そう言った鹿島の顔色が変わった。「それが貴方の切り札。そして私の切り札でもあるのよ」「いったい、何を根拠に言っているんだ!」「私はまだカードを全部は開かないわよ。カードを全部開いて手の内を見せる時は、ゲームの終わる時よ。それまでは、お互
    矢口 沙緒 さん作 [573]
  • 欲望という名のゲーム?121

    「そして私達は宝探しをするけど見付からない。当然よね。貴方が持っているんですから。貴方はその間に私達を観察して、その中の適当な人物に、それを売り付けるのよ。十億や二十億位要求しても、きっと相手は応じるでしょうね。誰が適任かな?明彦兄さんか深雪姉さんというところかしら?もっとも、こんなことを私が改めて言うこともないでしょ。貴方は全て承知のはずだから…」「なるほど、それはうまい手だ。ちっとも気がつき
    矢口 沙緒 さん作 [551]
  • 欲望という名のゲーム?120

    「そして三日目にチャンスは来たわ。明彦兄さんが庭の木の根元を掘り出した時よ。貴方も含めて全員が木の所に集合していた。私は地下に降りて、ピカソのラベルのシャトー・ムートンを自分の部屋まで運んだの。そして、白のクイーンを手に入れたのよ」「三日目にして、すでに白のクイーンを…なんと、素早い」鹿島はそう言って再び目を細め、孝子に一歩近付いた。「先手必勝って言うでしょ」孝子が一歩後ろに下がる。「その夜の食
    矢口 沙緒 さん作 [530]
  • 欲望という名のゲーム?119

    「私が最初にそれを見付けて、そして遺産を一人で相続したら、それをみんなが知ったら…私は無事に済むかしら?みんなの前で私が遺産を相続してしまったら、もう雅則兄さんのゲームは意味がなくなるのよ。今度意味を持つのは、私の命。駅のホームで電車を待っている時に、後ろから押されるかもしれない。一人で夜道を歩いていたら、不審な車に轢き殺されてしまうかもしれない。とにかく私が死ねば、私の相続した遺産を、今度は残
    矢口 沙緒 さん作 [568]
  • 欲望という名のゲーム?118

    「この宝探しはね、簡単な謎掛けの連続なのよ。いくつかの重要なポイントにさえ気が付けば、あとはどうって事ないの。ひとつはあのスマイル君、そしてもうひとつは、最初のテープで雅則兄さんがパブロを抱いて示した時、その手にワインの満たされたワイングラスがあった事。このふたつのものが、地下のワイン貯蔵庫を暗示しているという事に気付けば、次にどうしたらいいかが分かってくるわ。私は図書室でワインの本を調べたの。
    矢口 沙緒 さん作 [560]
  • 欲望という名のゲーム?117

         2「た、孝子様!どうして…?」鹿島は立ち上がった。「鹿島さんに見せたい物があるのよ。貴方がこの屋敷を解体する前に、どうしても見てもらいたい物があるの。それでわざわざ戻って来たのよ。あの道をずっと歩いて」そう言って、彼女は後ろ手にドアを閉めた。「屋敷を解体?いったい何の話です?」孝子がいたずらっぽい目をした。「とぼけてもいいわよ。だって鹿島さんは、お芝居がお上手ですものね。でもね、もうこ
    矢口 沙緒 さん作 [572]
  • 欲望という名のゲーム?116

    最終章勝利者という名の賢者     1夕闇がすぐそこまで迫ってきていた。夜の闇に呑まれかかった屋敷に、一台の黒い乗用車が近づいてきた。花畑を横切る車寄せの道の小砂利を踏み締め、それはゆっくりと屋敷の前まで来る。薄暗がりの中で、車のライトに照らし出された屋敷が、まるでブロードウェイの劇場のように美しく浮かび上がった。そう、彼にとってこの屋敷は、劇場だったのかもしれない。そこで演じられたお芝居の最も
    矢口 沙緒 さん作 [577]
 
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