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水無月密さんの投稿された作品が35件見つかりました。
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流狼−時の彷徨い人−No.66
再放出をおえたノアのオーヴは、再び金色に輝き始めていた。 それを目にした段蔵が、戦慄の笑みをうかべる。「…知りたくば、力付くで聞き出してみたらどうだ」「是非もなしっ!」 段蔵へ歩み寄るノア。 そのノアを、半次郎が制止する。「この場は私に譲ってください。 この人とは剣を交えなければならない理由が、私にはあるのです」 訝しげに半次郎を見る段蔵。「妙な事をいう。 お前に恨みをかう覚えはないぞ、俺は」
水無月密 さん作 [505] -
ベースボール・ラプソディ No.47
魂を吹き込まれた白球が光の矢と化し、大気を切り裂きながらばく進を始める。 それがど真ん中に構えたミットへ迷わず直進してくると、哲哉は顔色を変えた。 制球難を考慮したことが、裏目にでてしまったのである。 心胆を寒からしめる哲哉。 だが、それも杞憂に終わる。 石塚ほどの打者がこの球を、バットを振ることすらできずに見逃してしまったのである。 まさかのど真ん中に虚をつかれた石塚だったが、それ以上に八雲
水無月密 さん作 [708] -
流狼−時の彷徨い人−No.65
しかし、皇帝の眼も万能ではなかった。 この能力は思考で認識して判断するため、反射的な判断が要求される格闘や剣術などには不向きであった。 伝達速度の問題さえ解決できるのであれば、全てにおいて主導権をにぎれる常勝の能力となるだけに、反射的な速さをそなえたものを水晶眼とよび、皇帝の眼とは区別して位置付けされていた。 だがノアの知る限り、水晶眼を実現させた者は誰ひとりとしていない。 それ故に水晶眼は幻
水無月密 さん作 [530] -
ベースボール・ラプソディ No.46
主審のコールで試合が再開されると、フィールドは一気に緊迫した空気で満たされた。 短いサインのやり取りを終え、無造作に振りかぶって投球動作を始める八雲。 これを目にした二塁走者の長谷川は、驚きつつもすかさず三塁をめざす。 だが八雲は、全く意に介することなく投球動作を続けていく。 受ける哲哉もこれを無視し、三塁に送球する素振りすらみせなかった。 それが、哲哉のたてた戦術の一つだったからだ。 二死で
水無月密 さん作 [733] -
流狼−時の彷徨い人−No.64
『全てブロッケン…… この男、オーヴで闘い慣れしている』 背後からの殺気に振り返り、身構えるノア。 今の攻撃で大量のオーヴを消耗したノアに、死闘をささえるだけのオーヴを再放出する、時間的余裕はなかった。 僅かなオーヴで段蔵の猛攻を防げるのか、彼女の心に一抹の不安がよぎる。 だが、段蔵の攻撃がノアに仕掛けられることはなかった。 彼女の視線の先、双刀の刃は半次郎の剣によって阻まれていたのだ。 火花を
水無月密 さん作 [550]