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がき さんの投稿された作品が13件見つかりました。

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  • おかめだ、おかめだ?

     それから彼女の部屋まで向かう途中、私は全く落ち着かず、彼女の話も上の空で、嬉しいのは嬉しいのですが、何というか、色々な行程を一足飛びに飛び越えて、いきなり部屋にお邪魔するという非常事態にめまいすら覚えていました。 そんな私の気も知らず、彼女は淡々と今宵の酒と肴をコンビニに寄って買い揃え、仮にも男のはしくれである私よりも、数段男前にどっしりと構えていました。 ひょっとしたら私に襲われるかもしれな
    がき さん作 [166]
  • おかめだ、おかめだ?

     久しぶりの彼女の声に私は舞い上がってしまって、その時は何を話したのかよく覚えていませんでしたが、とにかく、どうやら彼女の方も、日々の生活の中で私のことを思い出す頻度が増えていたようなのです。私は思わず歓喜の声を張り上げてしまって、彼女は電話越しにたいそう驚いていたようでした。 それから私達はしばしば連絡を取り合うようになり、中学の頃の不仲がまるで嘘のように親しくなっていきました。もっとも、それ
    がき さん作 [146]
  • おかめだ、おかめだ

     彼女と、私と、差しでお酒を酌み交わすのが、私のかねてからの夢でした。 彼女と出会ったのは中学生の頃、私が部活動の練習で校庭を走らされている時でした。必死に走っている私を指さして、「おかめだ、おかめだ」と、くすくす笑う人影があるのです。失礼な奴だと睨みつけた相手が、彼女でした。 元来私は色白で、そのくせ眉が濃く、一重瞼で、さらにその時は運動によって頬が紅潮していたので、彼女はそれをからかって「お
    がき さん作 [160]
  • 狐の面?

     ようやく落ち着きを取り戻した時には、私は会場の外にいた。若者の騒がしい声や終盤を迎えた花火の音が小さく耳に入ってきたが、私にはもはや関係のない事であった。 近くにあった自動販売機で缶コーヒーを買って、酔いを覚ますように一気に飲み干した。乱暴に空き缶を捨てて、彼女のことは諦めて帰ろうと歩を進めたその時である。 前方の暗闇に、まるでろうそくの炎のようにゆらゆらと頼りなく浮かび上がる怪しげな人影を見
    がき さん作 [346]
  • 狐の面?

     屋台の兄ちゃんからお情けでもらった2匹の金魚をぶら下げて、私達は歩き回った。常に彼女が私の2、3歩先を歩いた。私は後ろから彼女を見ていた。そしてお互いにそれがしっくりきていた。ただ、彼女が浴衣の帯にぶら下げている狐の面が歩く度に上下に揺れる様が、まるで私をからかって楽しんでいるように見えて少し気分が悪かった。 不意に彼女が振り返り、私の背後の空を指差した。振り向くと紺色の空に一粒の光が尾を引い
    がき さん作 [233]
  • 狐の面

     大きな運動場を会場にして今年の祭りは開催された。陸上で言うところのトラックに当たる部分の外側に沿うようにして屋台が立ち並び、その中心には矢倉が建てられて、後に行われる盆踊りの準備やその他の雑務に追われて若者がせわしなく立ち働いている。トラック上では老若男女がひっきりなしに往来し、私はただ前に進むのにも大いに苦労した。 そんな中、人ごみをまるで魔法のようにするすると通り抜けて来る人影がある。遠く
    がき さん作 [282]
  • 狐の面?

     ようやく落ち着きを取り戻した時には、私は祭り会場の外にいた。若者の騒がしい声や終盤を迎えた花火の音が耳に入ってきたが、私にはもはやどうでもいい事であった。 近くにあった自動販売機で缶コーヒーを買って、酔いを覚ますように一気に飲み干した。乱暴に空き缶を捨てて、彼女のことは諦めて帰ろうと歩を進めたその時である。 前方の暗闇に、まるでろうそくの炎のようにゆらゆらと頼りなく浮かび上がる怪しげな人影を見
    がき さん作 [199]
  • 狐の面?

     屋台の兄ちゃんからお情けでもらった2匹の金魚をぶら下げて、私達は歩き回った。常に彼女が私の2、3歩先を歩いた。私は後ろから彼女を見ていた。そしてお互いにそれがしっくりきていた。ただ、彼女が腰にぶら下げている狐の面が歩く度に上下に揺れる様が、まるで私をからかって楽しんでいるように見えて少し気分が悪かった。 不意に彼女が振り返り、私の背後の空を指差した。振り向くと紺色の空に一粒の光が尾を引いて、天
    がき さん作 [189]
  • 狐の面

     大きな運動場を会場にして今年の祭りは開催された。陸上で言うところのトラックに当たる部分の外側に沿うようにして屋台が立ち並び、その中心には矢倉が建てられて、後の盆踊りの準備やその他の雑務に追われて若者がせわしなく立ち働いている。トラック上では老若男女がひっきりなしに往来し、私はただ前に進むのにも大いに苦労した。 そんな中、人ごみをまるで魔法のようにするすると通り抜けて来る人影がある。遠くからでも
    がき さん作 [242]
  • 彼女を待っている?

    やっとの思いで「私」を宥めすかし、私は無事に電車を降りることが出来た。朝っぱらから人ごみの中をひょこひょこと歩いて駅中の不審さをほしいままにするのは流石の私も気が引ける。私と彼女は人波に流されるようにして改札を抜け、並んで歩き出した。私は切り出した。「タケシくんとはどうなったの?」彼女は怪訝そうに答える。「誰よ、タケシくんて」タケシくんとは、私が空想する架空の男の名前であり、彼は忌々しくも彼女と
    がき さん作 [269]
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