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あさがおさんの投稿された作品が17件見つかりました。
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ボブじいさんの店〈ミカエルとルシファ編〉?
ボブじいさんはゆっくりと話しだした。「創世記を知っているか?」「さあ あんまり知らないなあ」「この世の中の万物は全て神によって創られたという話しだ。勿論人間もな。」じいさんはちょっと間をおいて葉巻を消してシーバスをグラスに注いだ。気が利くなあ。久々にシーバス飲みたかったんだよって言おうとしたら ちゃっかり自分で飲みやがった。「それで?」「しかし 創世記では神の怒りに触れ、一度滅ぼされている。一
あさがお さん作 [518] -
音楽のある風景
〈ハートにひびが入る程 素敵な海を探す物語〉これは こんなに綺麗で心暖まる詩を歌っているバンドに出会った時の物語です。思い起こせばもう十何年前、その頃の僕はバリバリのパンクバンドをやってました。それはもうシドヴィシャスを気取って腕を切り刻んで血を流しながらギター弾いてました。基本的にはカバーばっかり演っていたのですが、ある時から魅力的なバンドがいなくなり、うなだれてました。どうしたものかとメンバ
あさがお さん作 [630] -
猫のバラクーダ?
一瞬戸惑ったが、別に取って食われる訳でもあるまいしと思い、あわよくばライター借りれるかもという期待に心が踊った。このベンチからだと砂場を突き抜けて行くのが一番だがバラクーダが何やら虫でも捕まえようと座った状態で上半身だけを起こして両手をバタバタさせていて、何やら忙しそうだったので砂場を迂回して老婆の座るベンチまでたどり着いた。軽く頭を下げたらニコニコと笑ってくれた。老婆の座っているベンチの横の物
あさがお さん作 [533] -
ボブじいさんの店〈ミカエルとルシファ編〉?
ギィー・・・(相変わらずくそ重い扉だぜ。今時こんな分厚い扉を開けて入って来る客なんているのかよ) 「何だ、お前か。寒いから早く閉めてくれ」 「何だはねーだろう、ボブじいさん。ただ一人の常連に対してさ」暗がりの店内の5、6人も座れば狭いくらいのカウンターに座る。客は俺一人で まあいつもの事だ。ボブじいさんは無言でロックグラスに無造作に氷をつっこんでアーリータイムスを注いでいる。俺はポケットからクシ
あさがお さん作 [570] -
猫のバラクーダ?
バラクーダは舞台の主人公のくせに全くやる気がなく前足をピンと延ばし天を仰ぐ様にあくびをしてる始末だ。まあこいつにもやるせない事とか上下関係とか失恋とか不景気だとか家族の事とかいろいろあるのかもしれないなあ。何故だか自分に当てはめて考えてしまう。もし言葉が話せれば「そんな事ねーよ。一緒にしないでくれ!てかお前ががんばれよ」って猫に励まされそうで恐い。 あらかた嫌いな物以外は食べ終わり煙草でも吸お
あさがお さん作 [563] -
猫のバラクーダ?
中央にある砂場を挟んで反対側のベンチには浮浪者らしき老婆が何が入ってるのか分からないけどパンパンになってる乳母車らしき物を横に置いて座っている。時折近くにくる鳩に何か分からない物体をまいている。 弁当を食べようと蓋を外して箸を割ってご飯を口にしていたら、少し離れたブランコの影から一匹の真っ白な猫がのそのそと現れた。周りを警戒してるのか、誰か探してるのか首をゆっくりと左右に振りながら中央の砂場を
あさがお さん作 [601] -
猫のバラクーダ?
秋も深まるある晴れた午後、都心からは少し離れた街を放浪していた。昭和の匂いが残る乾物屋とパン屋を足した様な店の木造サッシュをガラガラと横に引いて、いつ作ったのか聞くのが怖い様な弁当を買った。 どこで食べようかとウロウロしてたら築30年以上は経ってるだろう団地に囲まれた小さな公園を見つけた。そこは紅葉とは呼べないただの枯れ葉が敷き詰められていて噴水も何年も使われてない様で水の代わりにやはり枯れ葉で
あさがお さん作 [518]
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