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ロデオマン一号 さんの投稿された作品が11件見つかりました。

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  • 嗚呼哀れ我が心よ

    「僕は世間が憎いよ。まるで氷みたいに冷たい。僕はあの日のために惜しみない努力をしてきたんだ。血のにじむような努力だったよ。それなのに周りは僕を拒絶した。期待に胸ふくらませた僕を無視というかたちで打ちのめしたんだ。なんて罪深い行為かな。わかってるよ。裏切りに心引き裂かれた小羊は広い荒野で死ぬしかないんだ。まるでピエロだね。いいんだ友よ。慰めなんていらないよ。むしろ笑ってくれ。誰にも愛されることの
    ロデオマン一号 さん作 [309]
  • 肩甲骨と羽

    「ねーよくきくけどさ」「背中のケンコーコツは羽の名残ってはなし」「マジ、ファンタジーじゃね」「お前信じる?」「や、なんか今日ガッコで聞かれた」「でも羽あったらさー、便利だよな」「寝坊しても1限に間に合うかんね」「あー…」「きっと羽にピアスとかする奴とかいんだぜ、鎖みてーにでっかくてさ」「あとは染めたりしてさー」「服とかどーすんだろーな」「マジ、女はブラジャーつけっ時とか超ジャマん
    ロデオマン一号 さん作 [299]
  • 遠く遠く

    黄金色に輝く稲穂の海。赤く焼ける夕日の空。男は立っていた。ひそやかに夜が空の裾に忍び寄っている。男は家へと続く畑道を踏みしめた。緒の緩んだワラジは乾いた地面を滑るように土埃を舞上げた。腰に携えた刀を揺らし、男はこの歩き慣れた道の凹凸を愛おしむように味わった。生まれてこの方、この村から出たことのない男ではあったが、さぞやこれほどの景色はないだろうと思っていた。華やかな都の梅よりもこの素朴な村の桜
    バージニア さん作 [365]
  • 俺がその不思議な店に入ると、入り口で怪しげな女の人が座っていた。    「なあに坊や」      彼女はだるそうに首をもたげた。アイラインのキツイ目が前髪の隙間から覗く。左肩から右胸にかけて、黒い蛇のタトゥが巻き付き、こちらを睨んでいた。「何がお望み?」「…別に」「こんなとこ来ちゃダメよ」伏し目がちに彼女は煙草の白煙を吹いた。ピアスだらけの耳に目が釣られた。  「嫌なことは忘れられるって聞い
    バージニア さん作 [348]
  • 人が産んだモノ

    ある偉大な誰かは言った。「世界が人間を産んだのではなく、人間が世界を産んだのだ」と。                  たとえここで人類を滅ぼすような罪を犯しても、  絶望にうちひしがれてこの世の全てを呪っても、              世界は何を咎めることもなく、ただ群れた人ごみのように流れ続ける                  そうたとえ                         
    バージニア さん作 [338]
  • 「もしも」の対処法

    たとえばあなたは朝に「今日は人を殺すかもしれない」と感じたことはないだろうか?朝起きた時でもいいし、歯磨きしてる時でもかまわない。まったく感じたことがないという人は脳みそが腐りはじめている証拠だし、毎日感じている人はただの狂人だ。     しかし大事な点は、それは願望ではなく、何の根拠もない、しかしなぜか納得してしまうような前兆みたいなものだということだ。 そんな時はまず刑法をおさらいするといい
    バージニア さん作 [490]
  • ぬくもり

    僕はロボットを造った。  3年前に死んだ彼女に似せて造った。       髪型、目、声、しぐさ。 すべてそっくりに造った。不運な事故だった。   酒酔い運転のトラックが彼女の車を潰したからだ。   即死だった。それが幸か不幸かはわからない。         結婚間近にして、彼女は僕の前から消えてしまった。                        「翔」          けれど僕は彼女の
    バージニア さん作 [344]
  • 飛び続ける紙ヒコーキ

    今もきみの声を覚えてる。暑いあついあの夏の、ほんの少しの間。      ただじっと僕が折るヒコーキを見ていたきみ。名前も知らなければ、どこから越してきたのかも知らない。ただアスパラみたいに白くて、馬鹿みたいにまつ毛が長い、女の子みたいな奴だった。きみいつも公園の木陰で一人でつまらなそうにしていた。いつもなら遊びに誘っても無視するくせに、きみはなぜか俺が一人で紙ヒコーキを飛ばすときだけはとなりに
    バージニア さん作 [370]
  • 女神の声を聞く者

    「君はなんで飛ぶんだい?」翼を持たない男が言った。「じゃあ、あんたはなんで飛ばないんだ?」翼を持つ男は答えた。「僕には翼がはえてこなかったからさ」「だから飛ばない?」「ああ」翼を持たない男はかわりにドライバーを持っていた。薄汚れた整備服。彼は女神にかしずく存在だった。「あんたは怖いだけさ」翼を持つ男はヘルメットを持っていた。濃緑のフライトスーツ。彼は女神の声を聞く存在だった。「女神の声を聞き
    バージニア さん作 [375]
  • マイベストフレンド

    僕には大切な友達がいる。「なぁ和樹、今日は予備校ないんだろ?一緒に帰ろうぜ」彼とは保育園からの長い付き合いだ。「なぁ和樹、お前いつもオレンジレンジ聞いてるだろ?新しいアルバム貸してやるよ」彼は僕のことなら何でも知っている。「なぁ和樹、最近お前寝てないだろ?ちゃんと休めよな」でも今、僕は彼にある秘密を隠している。彼は絶対に知らないある秘密を。「なぁ和樹、お前新しい漫画買ったろ?あれ、貸してく
    バージニア さん作 [553]
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