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星 さんの投稿された作品が37件見つかりました。
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紅いアクマと私16
次の日−−−「おはよー」ジュリアの友人、優美(ユミ)が声をかけてきた。しかし、ジュリアは上の空でユミの声は耳に入っていないようだった。昼食時−−−ユミとジュリアは二人で昼食を食べていた。「じゅりさぁ・・・」「何??」ユミがジュリアの瞳をしっかり見る。「あんた、恋、してるでしょ」沈黙。沈黙のあと、ジュリアの顔は真っ赤になった。「ほーらやっぱりねー!で、誰なのかな?」「ちがうってば!」「何が違うのよ
星 さん作 [182] -
紅いアクマと私15
紅い天使はさっき出てったばっかり。今はいない。帰ってこないかも。これをもうちょっと丁寧にしたのを彼に伝えた・・・はず。私の頭はそれどころじゃない。頭が痺れているようだ。アルがいないことを知ると彼は小さく笑って・・・・笑って・・・気付いたら彼の顔が目の前、唇にやわらかいもの。「それじゃあ、失礼するよ」そう言って窓から出て行った。キスされた。胸がどきどきして顔が熱くなってくる。小さく笑った彼の顔が脳
星 さん作 [221] -
紅いアクマと私14
一人ぼっちの私。開けっ放しの窓から入る風が私の涙を乾かしていく。心に穴が空いたみたいだった。知り合ってからほんのちょっとしか経ってないのに、いつのまにかアルがいる光景に慣れていた自分がいる。普通有り得ないけど、アル自体が有り得ない存在だからそういうものなのかもしれない。「こんばんは、お嬢さん」突然かけられた声。「だれっ!?」そこにいたのは 金髪碧眼の天使。やばい かっこよすぎ。アルもかっこいいけ
星 さん作 [166] -
紅いアクマと私13
ジュリアの目から雫が零れる。この俺を 哀れんでいるのか?だとしたら俺はなんて滑稽な生き物なんだろう 随分時間が経った。静かな室内に響くのは、小さな啜り泣きのみ。「俺はシャーナが好きだった」突如、沈黙を破る声。ジュリアはハッとしたように俯いていた顔を上げた。「俺は子供だった。だから、助けられなかった」空間に投げる言葉。「悪魔の領域に入らなきゃよかったんだ」紡がれる言葉。「あいつらを殺ったってどうに
星 さん作 [140] -
紅いアクマと私12
いきなりアルが起きて、なんともいえない声をあげてしまった。アルは自分の手をぼんやり見ている。綺麗な手だと思った。すらりと細くて長い。私の学校の奴らに見せてやりたいわ・・・私の手への熱い視線に気付いたのか、アルが顔をあげる。「俺の手に何か?」「綺麗」・・・・妙な答え方をしてしまった。慌てて付け加える。「細くて綺麗だなーって思っただけよ。別にそれだけであって特に深い意味なんかないのよ?ただ口をついて
星 さん作 [200] -
紅いアクマと私11
歪む景色。思いだしたくもない記憶。羽はむしられ魔力は貧られ 体中傷だらけでぼろきれのようになってしまった彼女。目の前が真っ赤になった。彼女に触れた悪魔達は全員、葬った。すごい怪我をしたけど、心のほうが痛かった。心が痛むわけないのにシャーナ。もしかして俺は君に恋をしてたのかもしれないね。今でもくだらないって思うよ。人間達を見てるとさ。本当にくだらないって思う。そんなくだらないモノになった俺は、もっ
星 さん作 [188] -
紅いアクマと私10
懐かしい夢を見た。幼い頃の夢だった。「シャーナ!!」紅い髪の少年が自分の紅い翼をはためかせ、目の前の巨木へと飛ぶ。「アルー!こっちだよー!!」その木の上から手を振る少女。少女の髪は銀。雪のように眩しい。羽は黒。深い闇の色。最も崇高な黒と最も卑しい銀の二つを持っていた。「やあっシャーナ!」アルが木に降り立ち、シャーナの隣に座る。「ねえシャーナ」「何??」「ここはさ、悪魔の領域だけど大丈夫なの??」
星 さん作 [445] -
紅いアクマと私08
アルは暇をもてあましていた。ジュリアが夕食を食べに部屋を出てから30分。アルは部屋を物色することしかしていない。人間というものは興味深い。初めて訪れた場所なのに、アルはこれでもか、とくつろいでいた。ここは落ち着く。そう思ってアルはベットに潜り込んだ。それから30分後。「アルー?いるー?」ジュリアがもどってきた。湯上りらしく、まだ頬は赤い。返事は、ない。「・・・帰ったか・・・」それもそうよね、と呟
星 さん作 [372] -
紅いアクマと私07
とんとん 突然、私の部屋のドアがノックされた。お母さん、帰ってきたっちゃ!!!「じゅりー?いるのー?」いるけど、部屋にとんでもないのがいるから無理!だなんて言えない。無情にもドアが開かれ・・・「じゅり・・・!!」お母さん、びっくりしてる。そりゃこんな紅い奴がいたらね。普通驚くよね。「髪・・・どうしたの?」へ?「黒に戻したの?」ん?それはそうだけど。もっと驚くものがあるでしょう?「普通は見えないん
星 さん作 [204] -
紅いアクマと私06
俺達は情報交換をし、俺は多くのことを学んだ。まず、こいつは人間の女で女子高生という仕事をしているらしい。そして、女子高生というものは、スカートを短くするために金具を使い、奮闘するらしい。あほらしい。また、こいつには将来伴侶となる可能性の高い彼氏という恋人はいないとのこと。だからどうした。正直、どうでもよかったが、こいつの表情の変化には心惹かれるものがあり、退屈はしなかった。奴の顔をじっと見ている
星 さん作 [192]