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アルパカ さんの投稿された作品が7件見つかりました。
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「summer time」 No.7
夕暮れの海。防波堤に立ち、持っていた鞄から今日のコンペで使う予定だった資料を取り出す洋人。何枚にも束ねてあった白紙の用紙をつかみ、目の前の海に向かってばらまいた。一瞬にして満ち引きを繰り返す波に飲まれようとした時。後からやってきた陽介が防波堤から海に飛び込んだ。突然のことに驚き呆然と眺める洋人をよそに散らばった用紙を集める陽介。「あの…。」防波堤によじ登ってきた陽介に声をかけようとした時。「あん
アルパカ さん作 [176] -
「summer time」 No.6
会社を後にしたその足でフラフラと電車に乗り、窓から見える景色をただ眺める洋人。どこを目指すわけでもなく電車が向かう先に体をまかせた。とある小さな駅で降りる洋人。ジリジリと照らしてくる太陽がまぶしく、立っているだけで汗がにじんでくる。上着を脱ぎ、駅の改札を抜けたあたりで携帯の着信が鳴る。あゆみからの着信だった。何度もあゆみからの着信があった。一度も出ることのなかった電話にようやく通話ボタンを押す。
アルパカ さん作 [183] -
「summer time」 No.5
うねりのある海の上、左右に船が傾く。無線で健二に問いかける陽介。「やっぱ、うねりありますね。潮の速さはどんなもんですか?」「んーダメだな。これだと網が流されちまう。今日は引き上げだな。」「はい。了解です。」他の漁船も判断を同じく港に引き返すことにした。港に着く頃、係留する桟橋に彩の姿が見えた。手を振っている姿が遠くからでもよく分かる。彩は陽介と小さい頃からこの町で育った幼なじみである。小さなバ
アルパカ さん作 [171] -
「summer time」 No.4
会議室の中、準備をしている洋人に近づく向井。「お前にだけは負けんから。」顔を上げ、向井に視線を向けたタイミングでコンペの審査を行う上司達がぞろぞろと会議室に入ってきた。「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」デスクで仕事をしながら時計を眺めるあゆみ。「そろそろかぁ。頑張れ…」コンペが終わり会議室を出て行く上司達。「松山は残れ。」険しい顔で田原が呼び止める。「どうゆうことだ?俺に恥をか
アルパカ さん作 [188] -
「summer time」 No.3
自宅から見える海を眺めながら軽トラックを走らせる陽介。ラジオの天気予報を聞きながらいつもの港へと向かう。陽介は一年前に亡くなった父の後を継ぎ漁師をしている。小さい頃から海のそばで育った陽介は海にたずさわる仕事がしたくてダイビングを始めた。日本各地の海を転々とするうちに地元から離れてしまったのが4年前。去年、父を病気で亡くしてから母がいる地元に戻り父の残した船に乗ることにした。船が係留してある港に
アルパカ さん作 [204] -
「summer time」 No.2
バスに揺られながら、今日のコンペで使う資料をボーっと眺める洋人。会社そばの停留所でバスを降りた所で後ろから声が聞こえた。「洋人ー!」振り返ると、こっちに向かい走ってくるあゆみの姿が見えた。あゆみは洋人の同僚であり、付き合ってから3年になる彼女だ。「おはよ!」洋人に追いついたあゆみはいつもの笑顔で肩を叩く。「おはよ。」「ちゃんと寝れた?上手くできそう?」「んーまぁ…。」浮かない顔の洋人を見てあゆみ
アルパカ さん作 [203] -
「summer time」 No.1
夜明け前のうっすら明るい空と、潮の香りを運ぶ心地よい風。港町にそびえる一軒の家。二階の窓から海を眺める陽介。「今日もいい天気になりそうやなー。」背伸びをして窓を閉める。「陽介ー。ご飯できてるよー!」「おー。」母の呼びかけに返事をし、階段を降りる。木村陽介、25歳。一年前に父を亡くしてから母と二人暮らし。「おはよ。もう時間でしょ?早くご飯食べて準備しなさいよー。」椅子に座り味噌汁をすする。「あー、
アルパカ さん作 [242]
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