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チャーリー さんの投稿された作品が186件見つかりました。
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ヤス#93
ヤス#93「泰治は知っているの?」「ううん。あの子には何も話していないわ…でも、その時が来れば泰治もやっちゃんの力になってくれると思うの。ああ見えても度胸は据わっている子よ」「うん…それは分かるよ。でも…」「でも…?でも…何?」「命を落とすかもしれないよ。そんな目にはあわせたく無い」「言ったでしょう?純子さんから全てを聞いた時…思ったの。定めなんだって…私と泰治の定め」ヤスの鼻先に甘く熱い吐息が
チャーリー さん作 [312] -
ヤス#92
ヤス#92泰子がヤスを覗き込んだ。ヤスは目を閉じて何やら口ずさんでいた。「やっちゃん…それ、何の歌?」「知りません。母が良く口ずさんでいたから覚えちゃって」「…ねえ…やっちゃん。純子さんの代わりになれないかしら?」「ありがとう。おばさん、少し考えさせて下さい」「ええ。そうしてね」泰子はヤスの顔を見下ろした。ヤスが両手を上げて泰子の髪に触れると泰子の顔が降りてきた。「ねぇ…やっちゃん」「何?泰子お
チャーリー さん作 [331] -
ヤス#91
ヤス#91「ちょ、ちょっと待ってね。タ、タバコを吸っても良いかしら…」「うん…どうぞ。良ければ、これを」ヤスはポケットからセブンスターとライターを取り出して泰子に渡した。「やっちゃん。タバコを吸うの?」「うん…普通に吸うよ。ハハ、母さんも吸っていたし」「知らなかったわ…そうね、もう大人だものね。ねぇ…やっちゃん。ちょっとお散歩しない?色々と聞きたいことも有るし」「うん。いいよ。でも、泰治はどうし
チャーリー さん作 [305] -
ヤス#90
ヤス#90「ハハハ。一人で暮らすとこれくらい覚えますよ」「やっちゃん…」純子はヤスの肩を抱いた。いや、正確に言えば、泰子が寄りかかったという感じだ。ヤスの方が遥かに背が高い。十八歳のヤスは一八十センチを超える。「おばさん。やさしいしてくれて、ありがとう…でも、包丁を握っているから危ないよ…」「あ…ごめんなさい…やっちゃん。良く頑張ってきたわね。純子さんも、きっと喜んでいるわよ。頑張って画家を目指
チャーリー さん作 [285] -
ヤス#89
ヤス#89「これっ!泰治。もうっ!やっちゃんも真面目に考えてね」「はい…おばさん」バスで三十分行ったところに高峰という町がある。バス停から十分ほど歩くと川村家についた。夕食時にはまだ時間があった。「私は夕食の準備をするわね」「あ、おばさん。俺、手伝うよ」「ふふっ。ありがとう。でも、良いのよ。泰治とゴロゴロしていなさい」「いいから。手伝わせてよ」「そう?じゃあ、ジャガイモの皮を剥いてもらおうかしら
チャーリー さん作 [390] -
ヤス#88
ヤス#88「やっちゃん。ウチの養子になる気はないかしら…」ヤスは驚いた。養子になるという事は、平井の姓を捨てるという事である。そして、泰治と兄弟になるという事だ。今更なのだが、ヤスの名前を筆者は書き忘れていた。申し訳ない。本名、平井康生。平凡な名前である。今は亡き祖父の森一が命名した。「母さん。俺、そんな話聞いていないよ」「うん…泰治には後で話すつもりだったの。ゴメンね。でも、泰治は反対しないで
チャーリー さん作 [300] -
ヤス#87
ヤス#87「突然も何も、ヤスの家には電話がないから連絡の取りようがないんだよ」「あ、そうだね…ゴメン」「やっちゃん。今日来たのはね…やっちゃんの事なの」ヤスは泰子の艶やかな口元を眺めていた。泰治の家には、何度か泊まりに行った事がある。泰子は風呂上がりに必ずネグリジェを着ていた。透けて見える泰子の体は刺激的なものだった。だが、母にはかなわないと思っていた。「聞いてる?やっちゃん」「あ、はい。聞いて
チャーリー さん作 [281] -
ヤス#86
ヤス#86【旅立ち】春が来た。ヤスは島を出る準備を始めた。だが、行く当てなど無いのだ。サトリから聞いた輪廻転生の話…母が生まれ変わって、どこかで生きている。会いたい!…それだけがヤスの生きるエネルギーとなっていた。ふと、玄関に人の気配を感じた。「ヤス!いるか?」親友の川村が入って来た。ヤスの数少ない友人だ。母親の泰子と一緒だった。「あ、泰子おばさん。お久しぶりです」「久しぶりね。やっちゃん、元気
チャーリー さん作 [291] -
ヤス#85
ヤス#85「うむ…母様が輪廻したのも、母様がお前に会いたいと強く思う心から起きた必然じゃ。互いが求めるのなら必ず逢えるであろう」「本当か!」「わしが嘘を言った事があるか?」「そうだな…サトリは嘘を言わない。サトリの言う事は真実…ありがとう!サトリ…生きる希望が持てたようだ」「探しに出るか?」「うん!だが…どう探せば…」「どこでも良い。ヤスの心の趣くまま行けば良いさ。言ったであろう。互いが求めあえ
チャーリー さん作 [328] -
ヤス#84
ヤス#84「…母が死んだ」「うむ…」「島に留まるか…出るか…悩んでいる」「ヤスよ…良い話を教えよう」「何だ?」「ヤスは輪廻転生を知っておるか?」「生まれ変わり…か?」「まあ、そういう事じゃ」「それが、どうかしたのか?」「母様は…生まれ変わって生きておる」「ほ、本当か!どこだ!どこにいる!」「ふおっ、ふおっ…相変わらずせっかちだのぉ」「うっ!…そう言わずに、知っているのなら教えてくれ!」「うむ…」
チャーリー さん作 [285]