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チャーリー さんの投稿された作品が186件見つかりました。
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ヤス#83
ヤス#83第二章【兆し】ヤスは墓の前で佇んでいた。線香の青い煙が細い筋となって昇っていく。去年の冬、最愛の母がこの世を去った。そして、愛犬のハヤトも母を追うように死んだ。ヤスは純子が死んだ時、どうこくした。御床島に行き、サトリの名を呼んだがサトリは姿を現わさなかった。ヤスは天涯孤独の身になった。ヤスはこの春、高校を卒業する。島に留まるか、島を出るか…墓前で純子の魂に問いかけていた。ヤスはサトリの
チャーリー さん作 [302] -
ヤス#82
ヤス#82ハヤトが早く家に帰ろうと飛び回っている。二人は服を着ると、御床島を後にした。純子はしっかりとした足取りで大地を踏んでいる。真上に昇った満月が一行の足下を照らしている。大音響が響いた。「ヤス…あ、あれは…」「ハハハ…龍神様だよ」第一章…完第二章に続く…。
チャーリー さん作 [308] -
ヤス#81
ヤス#81ハヤトの頭から小さな光の玉が浮かび上がっていった。玉は大きくなり、ユウキの枝の上で姿を変えた。サトリだった。「ヤスよ、やったのぉ。見事じゃった。ふおっ、ふおっ、ふおっ」「サトリのおかげです。ありがとうございました」ヤスは深々と頭を下げた。「サトリ様。何とお礼を申し上げたら良いのやら…」「母様よ…良い息子を授かったものじゃ。大事にしてもらうんだよ。それにしても、艶やかしい姿じゃった。美し
チャーリー さん作 [281] -
ヤス#80
ヤス#80シットは赤い口を最大に開くと、二人を喰おうと迫ってきた。「ぐぅあーーーっ!お、おのれーっ!」今だ!ヤスは振り向くと、手のひらに握り締めていたアイノツブテをシットの顔めがけて投げつけた。二つのツブテはシットの両目をえぐった。えぐられた目が炎で包まれた。「ぐぅあー!焼ける!目が焼けるーっ!」突然、ハヤトが跳んだ。ハヤトは凄まじい跳躍力で飛び上がるとシットの喉元に食らいつき、喉を食い破った。
チャーリー さん作 [295] -
ヤス#79
ヤス#79生まれて間もなく、小船に乗せられた。見送る人々の顔は霧がかかって良く見えない。木箱の蓋がされ、船が流されていくのを感じた。どこを流れたのか…船が小さく揺れ、蓋が開いた。赤い龍。生臭い息を吐きながら木箱の中をじっと覗きこんでいた。蓋が閉じた。そして、再び蓋が開いた時、老人が覗きこんだ。ヤスは、はっきりと自分が見えた気がした。魔界がこの世を席巻しようとしている。自分は龍神に選ばれたのだ。全
チャーリー さん作 [290] -
ヤス#78
ヤス#78純子は見えなくなった目を見開き、ヤスの背中を抱きしめた。悲しみと歓喜。涙が筋となって目尻から零れていく。涙は敷き詰められた南竹の葉を黄金色に染め始めた。その輝きは小さな波紋となって外へと広がっていく。純子は残された力を振り絞り、ヤスを深く迎えた。時折、ヤスの動きに合わせ、体が宙に浮く。「母さん、どうだ!気をやれそうか!」「ううっ…ああ…ヤス…私は…いつでも」「くそっ!まだ続けるかぁ!ヤ
チャーリー さん作 [287] -
ヤス#77
ヤス#77飛び散った血が、シットの血を浴びて枯れた草を赤く染めると、黒く枯れていた草が青く蘇える。それを見たシットが一瞬たじろいだ。「な…なんと…流石に神に選ばれた子…何があっても我が世界へお前を連れて行くぞ。この世を再び我々の物にする為…お前は邪魔なのだ。覚悟せいっ!」シットが再びヤスを攻めたてる。ヤスの背中は血で真っ赤になっていた。振り下ろされる鞭。飛び散る血しぶき。こぼれ落ちる血の涙。枯れ
チャーリー さん作 [302] -
ヤス#76
ヤス#76眼は海底の海老の様に赤く光っている。その眼の奥には嫉妬の炎がメラメラと燃え上がっていた。ヤスと純子の動きが海原の波のようにゆっくりとうねりはじめている。純子はあえぎ、細い足をヤスの逞しい太股に絡めている。ヤスの一物が純子の中にゆっくりと打ちこまれる度に純子は顎を上げ、喜悦の吐息を零していた。何者も寄せつけない愛の行為をシットは見せつけられた。シットの情念は極限に達している。眼の赤みは更
チャーリー さん作 [266] -
ヤス#75
ヤス#75ユウキの上に小さな光る玉が浮いた。その玉がゆっくりと降りてハヤトの体の中に消えていった。ハヤトは微動だにせず、ヤスと純子の行為を見つめている。「母さん…どうだい?…つらくはないかい?」「ああ…そんなことは無いわ…ヤスを求めるのは、とても気持ちの良いものよ」「もっと、求めてもいいかい?」「ヤス…求めて…母さんを求めて!」「母さん…母さん。愛しているよ!」ヤスが純子を強く抱きしめると、純子
チャーリー さん作 [269] -
ヤス#74
ヤス#74「分かっているよ。もう、すぐそこまでシットが来ているみたいだ…急がないと…」「ヤス…母さんを抱きしめて」ヤスはやつれ果てた純子の体に負担をかけないように重なっていった。唇を重ねると、純子はヤスを迎える体勢をとった。ヤスは右手にアイノツブテをしっかりと握り締めている。握り締めた手が汗でシットリと濡れているのがわかった。左手で己の一物を握ると母の愛の入口にあてがった。「母さん…いいかい」「
チャーリー さん作 [281]