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チャーリー さんの投稿された作品が186件見つかりました。
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ヤス#53
ヤス#53「うっ…」「フオッ、フオッ、フオッ」相変わらず変な笑い方をする。だが、ヤスはサトリに親近感を持っていた。「昨日はありがとう!危ないところだった。助けてくれてありがとう!」「ああ、ほんのお礼さ。生き返らせてもらったからな」「サトリはあのバケモノを知っているのか?」「ああ、知っているとも」「なぜ、あのバケモノは俺を襲ったのだ?助けてやった俺を…なぜ襲った?」「シットじゃよ」「なんだ?そのシ
チャーリー さん作 [352] -
ヤス#52
ヤス#52だが、言われたからといって大人しくしているヤスではない。学校が引けると、その足で御床島に向かった。ハヤトは連れて行かない。ハヤトは大事なこぶんだ。危険な目に合わせたくなかった。今は小潮だ。大きい干満の差は生じないが、上手くいけば御床島に渡れるかもしれないと思ったのだ。ヤスは島の裏に続く農道を急いだ。南竹を掻き分けて獣道を下りて行った。海岸に出た。膝まで浸かれば渡れそうだ。ヤスは御床島に
チャーリー さん作 [325] -
ヤス#51
ヤス#51「何を言うの、ヤス。私が命に替えても守ってやるわ…ヤス、おいで」ヤスは、母に抱きしめられた。母の乳房が気持ちいい。ヤスは意外にも落ち着いている。初めてでは無いのだ。去年の夏にサトリと会っている。その経験がヤスを強くしていた。それに、どうやらサトリは味方のようだ。あの、一見、不気味な爺さんが心強く感じた。ヤスは純子の乳房で息ができなかった。「お母さん…オッパイが苦しい」「あ、ゴメン…ヤス
チャーリー さん作 [328] -
ヤス#50
ヤス#50「ダメよ、危険過ぎるわ…お父さんに相談しましょう」「信じると思う?」「あ…はあーっ…そうね…」その夜、ヤスは、久しぶりに母に抱かれて眠った。【シット】「ぅぁはっはっ…純子もヤスも馬鹿は…おっと…ヤス。馬鹿はヤスみヤスみ言うもんだ。どうだ、上手いダジャレだろう?ぅぁはっはっ」「お父さん!信じてくれないの?」「純子まで言うか!いい加減にしないと許さんぞ!」純子とヤスは黙り込んでしまった。祖
チャーリー さん作 [316] -
ヤス#49
ヤス#49「ヤスよ!もう大丈夫だ。だが油断はするなよ!」サトリはそう言うと、龍に飛び乗り、激しい水しぶきを上げて海に飛び込んで行った。親子は布団の上で抱き合ったまま震えていた。ヤスの唇には飛んできた草が張り付いていた。「ひっ、ひっ…ヤス…ヤス…大丈夫?」「うん…ハァ、ハァ…助かったみたいだね」純子はヤスの横で力なく座り込んでいた。自分達に降りかかった超常現象を理解するのに苦しんでいるようだった。
チャーリー さん作 [332] -
ヤス#48
ヤス#48アイの言葉に一瞬、愕然となったがヤスは母の言葉を信じた。アイは魔物だ。魔物の言葉を信じる訳にはいかない。だが、心の奥に、アイの言葉が抜けないクサビのように突き刺さった。ヤスが顔を横に向けると、アイの足が見えた。その足を辿って見上げ、目を見開いた。ヤスの顎がガクガクと震える。目の前に立っているアイは、その美しかった顔の半分が崩れ、赤い口を開いていた。長い黒髪は束になって乱れ、蛇のように蠢
チャーリー さん作 [339] -
ヤス#47
ヤス#47「ヤスは渡しません!アイ、いるのなら此処から消えなさい!…ヤス!しっかり掴まっているのよ!」「うん!お母さん!」ヤスは純子の乳房に顔を埋めたまま、手を回して細い背中にしっかりと掴まった。アイが部屋の隅から湧き上がるように現れた。一糸纏わぬその姿は、女の純子から見ても恐ろしいまでに妖艶であった。長い黒髪がサラサラと揺れている。真っ赤な唇が動いた。「母親。ヤスから離れなさい。ヤスはこの私が
チャーリー さん作 [351] -
ヤス#46
ヤス#46ヤスが、本当は実の子ではなく、伝馬船に乗せられて、御床島の沖合で漂っていた事を…。勿論、実の子として育ててきた。純子はヤスを心の底から愛している。だが、何時かは真実を話さなくてはならないと思っていた。今がその時だろうか…。純子はヤスを慈愛の眼差しで見つめた。目の前のヤスは未だ幼い。ヤスが真実を知った時、どれほどの傷を心に与えるのかが怖い。未だ伝える時ではないと、純子は口を噤んだ。「あ…
チャーリー さん作 [341] -
ヤス#45
ヤス#45言いつけを破り、行ってはならない場所で漁をした事。サトリを殺してしまい、ナムアミダブツを唱えた事で、サトリが生き返った事。そして、龍神との出会いをつぶさに話した。話し終わったところで、喉が渇き、唇を舐めた。「ヤス、お茶を持ってきてあげるわね。喉が渇いたでしょう?」「うん。お母さん、ありがとう」純子は急須と湯のみ茶碗を二つ、盆に載せて戻ってきた。ふすまを閉めて、ろうそくを新しいものと取り
チャーリー さん作 [334] -
ヤス#44
ヤス#44その時、ふすまの向こうで声がした。途端に、アイが消えた。「ヤス、もう寝たの?」「い、いや…起きているけど…はぁ、はぁ、はぁ…」「ちょっと、いいかな?」母の純子がふすまを開けて入ってきた。「あっ、うんっ。何?お母さん…」ヤスが肩で息をしている。純子は膝を折るとヤスの肩を掴んだ。「ヤス!どうしたの?具合でも悪いの?」「あ、ああ…いや…何でもない」何でも無くはないでしょう?…ヤス、話して。何
チャーリー さん作 [339]