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チャーリー さんの投稿された作品が186件見つかりました。

 
  • ヤス#33

    ヤス#33ハヤト尻尾を振りながらついて行く。納屋に入ると麦わらが敷きつめてある。ヤスの特等席だ。ヤスはそこへ大の字になって寝転んだ。麦わらを一本、口にくわえて噛んでいる。ハヤトが足元で丸くなって首をもたげていた。遅れて、アイが入って来た。「アイ。どういう事だ」「さあ…」「さあ…じゃないだろう。お母さんには、お前が見えなかったみたいじゃないか」「その様ですね。私にも分からないのです。どうして、ご主
    チャーリー さん作 [513]
  • ヤス#32

    ヤス#32家に連れて帰るのは問題ないと思っていたが、島の人間の目が煩そうに思ったのだ。ひょっとしてアイが消えたかと思い、振り返った。だが、相変わらずハヤトと一緒について来ていた。ヤスと目が合うと、優しく微笑んだ。ヤスの頬が赤く染まる。家に着いた。勝手口から土間に入ると、母の純子が夕食の準備をしていた。「お母さん。お客さんだよ」振り向いた純子が怪訝そうに見ている。「お客さんって…どこ?」「うん。船
    チャーリー さん作 [358]
  • ヤス#31

    ヤス#31「ほほっ、そうですか。良かった。嬉しいです」ヤスはアイの姿を見つめた。この姿なら…連れて帰る事にした。「アイ」「はい、何でしょうか?」「俺の家に来るか?飯を炊いてくれるよう、母に頼んでやる」「お優しいお言葉…ありがとうございます。でも、ご迷惑では?」「俺を信じないのか?」アイが掌を口に当て、クスクスと微笑みながら立ち上がった。死体に思えた時は、自分とそれ程変わらないと思っていたか、アイ
    チャーリー さん作 [318]
  • ヤス#30

    ヤス#30「はい、私はテンという国からの旅人でございます。嵐に遭い、ここまで流されて来たのです」「聞いた事の無い国だな。中国か?…で、そのテンという国にはどうやって帰るのだ?」「…もう、帰る術がございません」「そうか…船が無いんだな…どうする?」「さあ…どう致しましょうか…」ヤスは困り果てた。放っては置けない。だが、こんなバケモノをどう扱えば良いのか、ヤスの小さな脳みそでは、限界があった。「アイ
    チャーリー さん作 [294]
  • ヤス#29

    ヤス#29肌の色は殆ど真っ黒で、口が耳まで裂け、高い鼻は折れ曲がっている。額に長い髪が張り付いていた。「ば、バケモノか!」「う…ううっ…うう」悲しそうな声を出している。怪我でもして弱っているのだろう。ヤスは少しだけ勇気が出た。「どうした!怪我でもしたのか」「ううっ…うう…水」「水?…水が欲しいのか?」バケモノはゆっくり、首を縦に振った。どうしようかと思う。このバケモノに水をやっても良いものだろう
    チャーリー さん作 [300]
  • ヤス#28

    ヤス#28人だ!人が死んでいる。背中を向け、折れるようにして横たわっていた。小さい。ヤスと同じくらいだから子どもだろう。ヤスは怖くなった。怖くなって、その場から逃げ去りたかった。だが、人が死んでいるのだ。確かめて、島の大人達に知らせなくてはならない。辺りを見回したら身の丈ほどの細い流木があった。ヤスは、その流木を手に取ると、横たわる体をつついてみた。弾力がある。ヤスは首をかしげた。そして、今度は
    チャーリー さん作 [368]
  • ヤス#27

    ヤス#27ヤスは、その白波を見ながら、魚が餌をついばむ感触を小さな指先で感じ取っていた。「コツッ、コツ…コツッまだ早い。小さなベラあたりが餌をついばんでいるだけだろう。すると、指先に手応えがあった。「来た!」ヤスは糸を切られないように、慎重に引き上げていった。大きめのアラカブが釣れた。二時間程で五匹のアラカブと三匹のクサビが釣れた。一日の漁としては十分な量だ。必要以上は獲らない。祖父で師匠でもあ
    チャーリー さん作 [340]
  • ヤス#26

    ヤス#26あれから、何度か御床島に出かけたが、サトリすら出て来なかった。夢を見ていたのかもしれないと思うようになっていた。ヤスは御床島での出来事を親に話したが信じてもらえなかった。友人に至っては、馬鹿呼ばわりされる始末だった。それから、ヤスはその事には触れないようにした。話しを戻す。快晴であった。気温はグングン上昇しているが、この時季の海の水はまだ冷たい。ヤスは海岸沿いの岩場を北の方向に歩いてい
    チャーリー さん作 [336]
  • ヤス#25

    ヤス#25【アイ】「ハヤト、行くぞ!」竹竿を担いで、颯爽と歩ヤスの後を、一匹の犬が尻尾を振りながらついて行く。ヤスは珍しく半ズボンをはいていた。だが、半ズボンより大きいサイズの猿股が、裾からはみ出している。肩から水筒を下げていた。犬の名はハヤトと言う。雑種だ。半年前に、父が友人から譲り受けて来た。ハヤトの世話はヤスが買って出ている。最近はどこへ行くにもハヤトと一緒だった。一人っ子のヤスにとって、
    チャーリー さん作 [350]
  • ヤス#24

    ヤス#24「ヤ…ヤスと呼ばれている」「ヤス…か」「どうした!喰らわんのか!」「喰らわれたいのか?」「い、いや…喰われなくない!」「ふむ…良い顔をしておる…喰らうには勿体無いようだ」そう言って龍神が笑った。その笑い声に、ヤスは耳を押さえた。なんと言う大きな声だ。鼓膜が破れんばかりの大音響に、ヤスは気を失ってしまった。ヤスの足首を水が洗っている。蟹が足を這い、フナ虫が胸をくすぐった。「うっ…むむむ…
    チャーリー さん作 [321]
 
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