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チャーリー さんの投稿された作品が186件見つかりました。

 
  • ヤス#15

    ヤス#15そうする事でメガネが曇らないのだ。海水で濯ぐとメガネをかけた。磯カギを持って、ゆっくりと海中に潜った。海中は一切の音が消え、シンシンという音だけが響いた。早速、サザエを見つけた。一旦、水面から顔を出し、大きく息をすると水しぶきを上げて潜った。一個、二個三個…あるわ、あるわ、一潜りで五個のサザエが採れた。今度は岩棚の裏側を覗いた。平べったい石のような物が貼りついている。アワビだ。しかも、
    チャーリー さん作 [401]
  • ヤス#14

    ヤス#14ヤスは半分ヤケクソのように石を拾っては投げた。その度、当たったか!と思うのだが、サトリは悠然として、赤い口で笑うだけだった。ヤスは次第に馬鹿らしくなった確かに、バケモノはこの世の物では無い形相をしている。かつて見たことの無い生き物を見て、最初は怖かった。怖くて失禁すらした。だが、襲って来る訳でもなさそうだ。サトリは目の前に座って、岩場を這い回るフナ虫を、じっと見ている。ヤスは気を取り直
    チャーリー さん作 [363]
  • ヤス#13

    ヤス#13だが、再び岩を叩いただけだった。「ハナタレ。ワシを殺す気か?」ヤスは必死だった。バケモノの言うのは当たっている。確かに、このバケモノは何もしていない。だが、驚いたヤスは失禁した。それに腹を立てていたのである。男たるもの、怖くて失禁するなど、あってはならない事だった。ヤスには殺意が溢れていた。何度打っただろうか。竿らはささくれ立ち、原形を留めていない。ヤスは肩で息をしている。汗が吹き出し
    チャーリー さん作 [361]
  • ヤス#12

    ヤス#12開いた口が異様に大きく、そして、血のように赤い。ヤスは全身が粟立ち、恐怖を覚えた。「じゃあ、何者だ!脅かしやがって」「だから、驚いたかと聞いておる」「ああ、驚いたよ。釣りの邪魔だから消えてくれ。ヤスは恐る恐るそのバケモノに背を向け、竿を持った。だが、気になって仕様だない。まだ、あの岩の上に佇んでいるのだろうか…早く消えて欲しい。はいているサルマタの股間に黄色い染みが出来ていた。ヤスはそ
    チャーリー さん作 [354]
  • ヤス#11

    ヤス#11「おい!子ども!」「ひっ!」ヤスは肝が縮む思いだった。恐る恐る振り向いた。だが、誰も居ない。(気のせいかな…気味悪いな)ヤスは再び糸を垂れた。「おい!そこの子ども」「ぎゃ!」振り向いた時、尻餅をついた。しかも藤壺の上に…。「ぎゃああ!」「ふおっ、ふおっ。やい!ハナタレ!驚いたか」ヤスはハナタレと言われて、その声のする方をキッと見据えた。そして、ギョッとした。声が出ない。背筋が凍りつき、
    チャーリー さん作 [481]
  • ヤス#10

    ヤス#10島の北側に潮目がある。そこは潮流がぶつかり合う場所で、どんな凪の時でも波が立っている。西から来た流れと、東から来た流れが島の北側でぶつかり、早い潮流となって北に走っていく。そこは島の漁師も近づかない場所なのだ。恐らく、その海底に龍が潜んでいるのだと思う。ヤスはそう思っていた。そして、ヤスが今、目指しているのはまさしく、その龍が棲む場所だった。大潮の時、その場所は海底が現れる。その辺りは
    チャーリー さん作 [433]
  • ヤス#10

    ヤス#10島の北側に潮目がある。そこは潮流がぶつかり合う場所で、どんな凪の時でも波が立っている。西から来た流れと、東から来た流れが島の北側でぶつかり、早い潮流となって北に走っていく。そこは島の漁師も近づかない場所なのだ。恐らく、その海底に龍が潜んでいるのだと思う。ヤスはそう思っていた。そして、ヤスが今、目指しているのはまさしく、その龍が棲む場所だった。大潮の時、その場所は海底が現れる。その辺りは
    チャーリー さん作 [505]
  • ヤス#9

    ヤス#9崎戸島と御床島は、小潮の時は離れ離れになっているのだが、大潮の時は歩いて渡れるようになるのだ。「きれいに引いているなぁ!」ヤスはその景観に見入ってしまった。ここまではなかなか来ないし、大潮と重ならないと拝めない風景だ。島へ渡る。この時最も注意すべき事がある。それは帰る時間だ。まだ潮は引き続けているから、あと四時間は海が割れている。それを過ぎれば潮が満ちて帰れなくなるのだ。一気に潮が流れ込
    チャーリー さん作 [499]
  • ヤス#8

    ヤス#8ヤスは六歳である。どう見ても無茶をしていると思わざるを得ない。大人だったら、危険だからと、止めるだろう。もし、大人になったヤスがいたらどうだろうか…。やはり止めると思う。止めて欲しい。昼飯は食ってきた。気力は十分ある。四時間は潜れる自信があった。干潮まで余り時間が無い。ヤスは急いだ。急ぎ過ぎて、砂利に躓いて転んだ。膝を擦りむいて血が出た。「くそっ!なんでこんなところに石があるんだ!」膝小
    チャーリー さん作 [504]
  • ヤス#7

    ヤス#7陸路だ。民家が並ぶ漁港付近は小魚しか釣れない。しかも、島のハナタレ達[ヤスも大人から見れば立派なハナタレなのだが…]が釣りをしているから、一緒に釣る気がしなかった。島の裏側に通じる農道がある。もちろん舗装などされていない。リヤカー一台がどうにか通れるくらいの獣道のような農道だ。それが島の反対側まで一本だけ通っている。夏は南竹や雑木が生い茂り、リヤカーすら通れなくなる。ヤスはその中にいた。
    チャーリー さん作 [529]
 
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