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チャーリー さんの投稿された作品が186件見つかりました。

 
  • ヤス#124

    ヤス#124ヤスはポケットからアイノツブテを取り出した。心なしか大きくなったような気がする。小さなツブテはヤスの掌で輝いていた。「やっちゃん…これ…やっちゃんからいただいたアイノツブテ…ネックレスにして身につけているわ」「そうか…その手があったか…それならなくしたりしないね」「うん。これをつけているとね…やっちゃんに守られている気がするの」「今日のヤツは、恐らく小物だと思う。きっと、もっと凄い魔
    チャーリー さん作 [333]
  • ヤス#123

    ヤス#123「あの馬鹿は組の者か?」「はい。あいつは下っ端の二郎です」「事務所に連れて行け」泰子はヤスに手を引かれながらも、その精悍な横顔をじっと見ていた。確かに、ヤスは肝がすわっていたと思う。泰子は恐怖におののきながらも、ヤスの動きを見ていたのだ。喧嘩した事など無い筈だが、明らかに喧嘩慣れしていた。財布をわざと落としたのがそれだろう。言葉使いも違っていた。泰子は、ヤクザが財布を拾おうとした瞬間
    チャーリー さん作 [308]
  • ヤス#122

    ヤス#122「ちょっと、事務所まで来いや」不味い。事務所などあるかどうかは分からないが、路地裏に連れて行かれたらどうなるか分からない。一人ならどうにでもなるが、泰子がいる。泰子は恐怖で震えていた。「おう!来いや」「………………」「どうした。びびっとんのか!」「ほら、金ならくれてやるよ」ヤスは財布を放り投げた。辺りに人だかりが出来始めている。「このガキ。ふざけるなよ!」男は威嚇しながらも、財布を取
    チャーリー さん作 [287]
  • ヤス#121

    ヤス#121遠方に市内の陸地がうっすらと見える。空は晴れ渡り、初秋の風が心地よい。「空が綺麗ね」「うん。崎戸島と同じ色だね」「このまま、平和が続けば良いのに…」遥かかなた。水平線の上に雨雲が湧き立っていた。西に傾き出した太陽があたりをあかね色に染め始めている。ヤスは不吉な予兆を感じた。「何だか、雲行きが怪しくなってきたな…帰ろうか」「はい。やっちゃん」九州随一の繁華街、中洲。夜の中洲は酔っ払いや
    チャーリー さん作 [321]
  • ヤス#120

    ヤス#120二人は列車に乗り込むと西に向かった。まだ陽は高いところにある。小一時間程で加布里という田舎町で降りた。ヤスも初めて来る町だ。駅から十分程歩くと漁師町に出た。波戸場には多くの漁船が停泊していて、さながら故郷の崎戸島のようだった。二人は海岸に下りると、手を繋ぎ、波打ち際を歩いていった。「崎戸島みたいなところね」「そうだね。こんなところがあるなんて思わなかったよ」「きゃ!カニがいる」「この
    チャーリー さん作 [286]
  • ヤス#119

    ヤス#119ヤスが泰子の手を握ってきた。泰子は年甲斐も無く赤面していた。美術館を出ると、ケヤキの散歩道が続いている。通称「ケヤキ通り」。東西に一キロ程走っている。ブティックとカフェが並ぶ。若者達が集う通りだ。二人は店を覗きながらぶらぶらと東に向かって歩いた。ヤスがアクセサリー屋を覗いている。ほとんどが手作りの様だ。高価では無いが素朴な味を醸し出している作品がならんでいた。ヤスが龍の形をしたブロー
    チャーリー さん作 [286]
  • ヤス#117

    ヤス#117ヤスが起きたのは翌朝、十時前だった。ホテルの朝食は既に終わっている。二人は身支度をすると繁華街で軽い食事をして美術館に向かった。美術館では丁度、企画展が開催されていて、印象派の一大展覧会が開催されていた。二人は、時間をかけて名画を鑑賞して回った。「お母さん、退屈じゃないかい?」「ううん。ちっとも退屈じゃないわよ。楽しいわ。それに、いずれ、こうやってやっちゃんの個展を見る時が来ると思う
    チャーリー さん作 [289]
  • ヤス#116

    ヤス#116「お友達よ」「それだけ?」「クスッ…他に何の関係があると思うの?」「うん…いや…いい」「変なやっちゃん」ヤスは考えるのが馬鹿らしくなった。二十分程でグランドホテルに着いた。チェックインを済ませると、部屋のキーを貰い、エレベーターに乗り込む。十階下りて、1012号室に入った。ツインの部屋からは、博多の夜景が見える。「へぇ!綺麗だな」「ふふっ。やっちゃんは半年も経つのに、博多の夜景が珍し
    チャーリー さん作 [349]
  • ヤス#115

    ヤス#115それは、いつも絶賛の電話だったのだ。泰子は成長したヤスに会いたくて、我慢できずにやって来たのだった。大将は忙しい。挨拶と丁重なお礼を述べると奥へ消えていった。「お母さん。感謝しているよ」「やっちゃんにそう言ってもらうと嬉しいわ」「じゃあ、着替えをとって来るね」「うん。待っているわ」寮に行く途中、女将さんに会った。「女将さん。泰子おばさんと出かけますね。明日には帰りますから」「そうしな
    チャーリー さん作 [263]
  • ヤス#114

    ヤス#114「何か…準備とか…しなくても良いの?」「何を?」「うん…戦う準備とか…無いの?」「何が起きるか…何がやって来るのかもわからないんだ…でも、その時が来ればわかるさ」「意外と呑気なのね」「そう見える?」「うん」「覚悟は出来てる」「覚悟?」「うん…命を懸けて戦う覚悟さ」「私もよ…あの日…やっちゃんに全てを預けたわ。私も覚悟は出来ています」泰子は背筋を伸ばしてヤスを見上げた。「やっちゃん。今
    チャーリー さん作 [273]
 
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