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神魂 さんの投稿された作品が7件見つかりました。
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バレット・シャーマン 2-1
俺が病室のベッドで正気に戻ったのはあれから八日後のことだった。救護された時の俺は一時ひどく錯乱していたらしく、それこそ『病気除隊』できそうなほどだったらしい。外傷の方は、軽傷とはいかなかったが、コヴァルスキー伍長が俺の機体を誤射して大破させてくれたお陰で、腕に後遺症が遺った程度でおさまっている。俺以外は全員『奴』に殺られた。1分もかからなかったと思う。真っ先に殺られたのが隊の前方にいたヘアウッド
神魂 さん作 [368] -
バレット・シャーマン 2-0
【第四十二条】安全保障理事会は、第四十一条に定める措置では不充分であろうと予測されるときには、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍、又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他行動を含むことができる。〔旧規定〕安全保障理事会は、第四十一条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平
神魂 さん作 [369] -
バレット・シャーマン 1-4
紅い棺桶人形は地面を舐めるように滑空し俺達に迫ってくる。相対距離は残り1500。攻撃命令を待たずしてヘアウッド機からAAM(対空ミサイル)が放たれた。音速を超えて突撃するAAM、しかしボギーはバレルロールでこれを難無く回避し、そして何事もなかったかのように増速。残り1200。「速いッ!」「無闇に撃つなッ!引き付けて狙え!」中尉の叱責がとんでいる間にも、糞ったれボギーとの距離はみるみる縮まっていく
神魂 さん作 [388] -
バレット・シャーマン 1-3
意識が昇天する。世界が自転することをやめ、重力の感覚がなくなり、魂が徐々に拡散していく。いま、目で見ることはできない膨大ななにか──『光』のようなものが、俺を飲み込んだ。『光』は俺という存在を溶かして行く。俺はその『光』に意識を食われながらも、無意識に『そいつ』を、眺め、味わい、耳を傾け、その『匂い』に酔った。優美で甘露、身を焦がすような嬌声と芳香、文句のつけようがない。『そいつ』を抱き寄せよう
神魂 さん作 [361] -
バレット・シャーマン 1−2
「1機?妙だな。SIFに応答は?」「ありません」「全機停車して周囲を警戒。ヘアウッド、不明機(ボギー)をカメラで捕捉して画像を全機に送れ。急げよ」「諒解」隊長の舌打ちがヘッドホンごしに聞こえる。「ったく、こっちは仕事帰りだってのに…、…?准尉、残弾は?」「20mmAPが160発、ATM(対戦車ミサイル)は1発、後はカラですよ。…モニターしていないんですか?」隊長機には小隊機の機体状況や乗員のコン
神魂 さん作 [400] -
バレット・シャーマン 1-1
「ソーマ准尉、ファロという神様を知っているか?」11月となり雨期に入ったサバンナは、今日も迫撃砲さながらの容赦ない轟雷と豪雨によって水浸しになっていた。恵みの雨、と呼ぶには荒々しいことこの上ない。そんな糞ったれなまでに暴力的な水滴を受けながら、俺達、PIG大西洋方面軍第2歩兵師団2131機械化歩兵小隊はねぐらであるプレトリア駐屯地に向けて愛馬、いや、『愛豚』を走らせていた。十五式多脚戦闘兵車と名
神魂 さん作 [403] -
バレット・シャーマン 1-0
混元既凝 氣象未效無名無爲 誰知其形─『古事記』世界は言葉によって分断され、細分化されることによって初めて世界たり得ている。そして、分け隔てられたものの間には厳然たるヒエラルキーが存在しており、我々自身も常にその作りあげられた枠の中に押し込められている。世界各国にみられる創世神話も、或いは20世紀に無数に誕生してはその度に消えていった国際関係モデルも、世界と言葉、延いては人間とのそうした関係を顕
神魂 さん作 [390]
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