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k-j さんの投稿された作品が21件見つかりました。

 
  • 君に捧ぐ 〜21〜

     僕は万札を手に取った。「こんなもの…」「返して!」 君は必死に取り返そうとした。「うるせぇ! こんな汚れたものなんか…」 人生で初めてお金を破った。 しかし気分は全く晴れない。「なんてことすんの!」 君のその態度にまた苛立った僕は、君に細切れの札を投げつけた。「そんなに大事なら返してやるよ」 君は怯え、そして悲しそうだった。「……ったの」 君は下を向いたまま呟いた。「ああ? 聞こえねぇよ」「全
    k-j さん作 [286]
  • 君に捧ぐ 〜20〜

    「昨日援交してきた」君はそう言って僕に万札を見せた。 僕はその当時、女性経験も浅く女の人について何も知らなかった。 女の人にとって援交というのは身近なことなのか。 どれくらいの人がやっているのか。 想像するしかなかった。 僕の中では、援交などというものは女の子のほんの一握りしかやっていないと思っていた。 しかし、同時にその一握りの女の子の中には、本当に信じられないが、小学生までもいるということを
    k-j さん作 [317]
  • 君に捧ぐ 〜19〜

     あの夜どんな会話があったか詳しく覚えていない。 覚えているのは、話を聞いているときに、君がそっと僕の手を握ってきたこと。 それはとても静かな動きだったのに、怒っているように荒々しく、またすがりつくように力強かった。 君を見た。 怒ったようにうつむいていた。 僕は迷ったが、強く握り返した。 君の目から涙が流れた。 僕の手がさっきよりも強く握られた。 気が付くと僕も泣いていた。 君の手はとても暖か
    k-j さん作 [358]
  • 君に捧ぐ 〜18〜

     とりあえずテーブルの近くに座った。 僕は君を見た。 君はうつむいていた。 正直うつむきたかったのは僕だった。 僕は君に振られたと思っていた。というか現に振られていた。 そして君に酷いことをしたと思っていた。 そして今は君の知り合いの家。 当然知り合いの人は君に味方するだろうし、知り合いじゃなくても事情を聞けば君につくだろう。 そして知り合いというのは大人達で、しかも僕の知らない世界の人達だった
    k-j さん作 [421]
  • 君に捧ぐ 〜17〜

    あのときは何が原因で喧嘩になったのだろうか。 最寄りのJRの駅の近く。 雨が降っていた。 君はやはり泣いていた。 僕はやはり怒鳴っていた。 君はしゃがみこみその場から動かなくなった。 僕は君を立たせようとしたが、君は抵抗した。 別れてくれと君は言っていた。 そのうち人が集まってきた。 警官も来た。 僕は事情を説明した。「事情は分かった。あとは私に任せて君は帰りなさい。君がそば
    k-j さん作 [384]
  • 君に捧ぐ 〜16〜

    君と別れてから1年が過ぎた。 早いもんだ。僕はなんにも変わってない。変われていない。 大学に入ったかと思ったらもう2年生になる。もう20才になる。 君と出逢ったときは17だった。君はまだ15才だったね。 君はもうすぐ17になるんだ。信じられないよ。変わったろうか。いい人と出逢えたろうか。 君と一緒にいた頃から1年が過ぎたなんて感じられない。 今でも1人でいると、ふと君が現れるんじ
    k-j さん作 [402]
  • 君に捧ぐ 〜15〜

    君はナイトをとても可愛がった。まるで本当の息子のように。 僕はそんな君を見るのが大好きだった。 じゃれ合い、撫で、エサをやり、一緒に寝る。 叱るときはしっかり叱る。 きっと君はいいお母さんになる。 それなのに僕は……。 君が小さい頃に母親から虐待されていたことは、付き合い始めの頃に聞いた。 僕はそれまで側にそういう人はいなかったので、どう反応すればいいか戸惑った。 君はあの頃
    k-j さん作 [376]
  • 君に捧ぐ 〜14〜

    「……なんで電話出てくれなかったの…!? 離れたくないよ……それに今別れられたら逃げにしか感じられない……」 君は泣きながらそう言った。君の声を聞いていたら僕も自然と泣いていた。 僕は想いを君に伝えた。別れたくない。君がいいならずっと一緒にいたい。傷付けてしまったことを謝りたい。でも……。「でも、別れなきゃいけないんだ…。俺は君を傷付けちまう……。俺がいない方が幸せだよ…」「やっぱりそうや
    k-j さん作 [396]
  • 君に捧ぐ 〜13〜

    その後。僕は拾ったタクシーに君を乗せ、少し離れた大きな病院に向かった。 病院に着き、君は診察室の中に入った。僕はその間に君のお父さんに連絡をした。 お父さんが来た。僕はすべてを話した。 妊娠したかもしれないこと。そのことで喧嘩し、別れ話になったこと。その後で君が…。 僕は殴られると思っていた。いや、殴られるよりもっとすごいことになると覚悟していた。当然のことだ。 しかしお父さんは僕
    k-j さん作 [402]
  • 君に捧ぐ 〜12〜

    「今ふわふわしてるの…来て?」 君から電話が来たのは僕が立ち去ってから少したってからだった。 僕らは地元の神社で喧嘩をした。僕はどうすればいいかわからず、しばらく近くをうろちょろしていた。 僕はなんのことかよくわからなかったけど、君と仲直りできるかもしれない。そんなことを考えながら神社に戻った。 君は社の階段に座っていた。僕は黙ったまま君のとなりに座った。「……ふわふわしてる」 君は僕
    k-j さん作 [470]
 
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