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春歌 さんの投稿された作品が35件見つかりました。

 
  • 呼び人 20

    (くそ…っ)以前、相当今よりも素行が悪かった時の話。伊織の逆鱗に触れた冬夜はその時初めて姉の腕力が凄まじいことを知った。蘇る痛みに元患部が心なしか悲鳴を上げる。冬夜にとって思い出したくない記憶ベストスリーにランクインである。それを知り、隣で鼻歌なぞ歌っている友人をただきつく睨み付けた。逆らえないのは伊織だけではない。厄介な男、中村心。「ん?何か俺のこと言った?悪口っぽい…」何故わかる、友人よ。「
    春歌 さん作 [336]
  • 呼び人 19

    理解室へと足を運ぶ途中、冬夜は心にグチグチと文句を言われ続けた。「そんなに喧嘩したいならしてもいいけど、俺の前ではしないでって言ってるでしょーが」「あっちが先にいちゃもんつけてきたんだろーが」「無視しなよあんなの。まったく、巻き込まれるのだけはごめんだからね!」「はいはいすみませんでしたー」「…いおりんに言い付けてやる」「はいすみませんでしたいやホント、マジで」「嘘と書いてマジと読む」「読まねー
    春歌 さん作 [303]
  • 呼び人 18

    「誰が何に気をつけんだよ?」「あぁ゛?てめーに決まって…」相手の目つきが、冬夜の顔を凝視し一瞬呆けたものに変わった。その一瞬に冬夜は気付き眉を寄せる。心は極小さな変化には気付いていない様だった。言いかけた彼は口を閉じて僅かばかり沈黙した後、すぐに再び苛つきを含む声音で文句を吐き捨てる。「てめぇ後輩だろ。随分態度でけーじゃねーか?」「あんた先輩だろ?ぶつかっただけの後輩に、随分おとなげないんじゃね
    春歌 さん作 [296]
  • 呼び人 17

    「あーマジで…めんど」「ほらほら、行くよ。早くしないと先行くからね」「うっせーな…」と言いつつも起き上がり机をあさって授業の用意を引っ張り出すあたり、何と言うか、可愛い。男相手に可愛いという表現もおかしい気がするが、心の冬夜を見つめる目は親にも近いものがあった。廊下に出て歩きながら冬夜はぶんぶん肩を回す。「あー肩凝った!」「あのねぇ…どんだけ寝てたの」「一時間目から」「…ずっと?」「ずっと」彼の
    春歌 さん作 [293]
  • 呼び人 16

    男前の不機嫌は、凡人の不機嫌より勝るものがある。目つきが悪いのだ。顔が整っているせいか、無駄に迫力がある。普段の冬夜はどちらかといえば笑わないことの方が多いため、さして珍しいことではないのだが…その中でも怒りというよりは疲労が浮かぶ時、彼はたまに歳相応でない「その」顔をする。前をじっと見つめ、何処ともわからない現実をただ静かに眺めているのだ。そんな彼を見ると心は落ち着かなくなった。自分が子供に戻
    春歌 さん作 [279]
  • 呼び人 15

    何だろう、この雰囲気は。じっと興味深げに見ていると、机に突っ伏した彼の頭が僅かに持ち上がり、苛々マックスの暗い瞳で睨んできた。ので素早く目を逸らす。友人の身に纏うどす黒い不機嫌な空気に中村心は先程から様子見を決め込んでいた。が、いい加減周りの女子が「きゃあ落ち込んでるー!憂いがあるのもまたカッコイーイー!」等とふざけたことを言っているのを聞くのも嫌になってきたので、とばっちりを食う覚悟で再び伏せ
    春歌 さん作 [324]
  • 呼び人 14

    「結局、朝ご飯はどうするんだ?」廊下を歩いて遠ざかった彼の背中に言葉を投げかけると、「いらねぇ!」とだけ返ってきた。まったく…。伊織は息を吐き出し、襖を閉めると今まで彼のいた布団の上にゴロンと仰向けに寝転がった。「今日も騒がしいことだな」部屋の静けさは、再び戻ってきた。黒髪が白いシーツに無造作に広がる様は艶めかしさすらある。伊織は自分の外見など興味はない故、オシャレはあまりしなかったが、シンプル
    春歌 さん作 [354]
  • 呼び人 13

    『ねぇ遊んで遊んで遊んであーそーんーでー』「ああもうわかったようっせえな!また隠れんぼでいいか!?」『やったー!!かっくれーんぼーっ』冬夜に断るという選択肢などない。耳元で何度も高い声を張り上げられて気分は最悪だった。勿論これまで断ったことなど何度もある。しかしその結果待っていたのは幼子特有の「駄々っ子してしてリピート攻撃」であった。命名、冬夜より。「ったく朝から…っ…おい、伊織の足を踏むなって
    春歌 さん作 [265]
  • 呼び人 12

    「じゃあ尚更早くご飯の仕度を…………おい、来たぞ」「あ?」「だから、来た。耳を済ましてみろ」パジャマから制服に着替えていた冬夜は、突然そう言われてボタンをかける手の動きを止めると、言われた通り耳を済ませてみた。しかし何も聞こえない。自分と伊織しかいない空間で、他に音を発する存在のない家は静まり返り物音一つしてはいなかった。「気のせいだろ?」「何、お前こんな騒がしい音すら聞こえんのか」どこが騒がし
    春歌 さん作 [259]
  • 呼び人 11

    「…あー、腹減ったー。伊織、なんか作れよ」「お前の母さんが作ってくれているだろう。早く食べに行け」「今日はお母サマは部屋に引きこもりデーなんですー。締め切り明日なんだと」「そうなのか?なら朝ご飯は?」「いっつもこーいう日は作らない。テキトーに作るか残りもの探るか食わないかのどれかだな」「……母さんは、冷たいのか?」柔らかかった雰囲気が固いものに変わったのに気付き、冬夜は違う違うと手を振る。「いや
    春歌 さん作 [272]
 
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