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春歌 さんの投稿された作品が35件見つかりました。

 
  • 最後の願いを…

    公園のベンチには、腰の曲がったおじいさんが地面を歩く鳩たちを穏やかな顔で見つめている。「こんにちは」「はいこんにちは。お嬢さんも遊びに来たのかい?僕はさっちゃんと待ち合わせでね…でもちっとも来ないんだ。忘れてしまったんだろうか?」そう言ったおじいさんの顔は酷く悲しそうだった。真矢は寂しさを押し殺して微笑む。「きっと来ますよ。大丈夫」「本当かい?どうしてあんたにそれがわかる?」「大丈夫、わかるんで
    春歌 さん作 [333]
  • 最後の願いを…

    「行かなきゃ…」躊躇いがない?…そういえば、嘘。だけど、行かなきゃ。やらなきゃ。優しくしてくれたあの人の唯一の私へのお願いだから。今から向かう場所を頭に思い浮かべ、大きく静かに深呼吸をして、足を早めた。もはや私のこともあなたの家族のことも、そして自分さえも忘れてしまったあなたの、最初で最後の願いを叶えましょう。あなたは私にとって太陽だった。その笑顔、優しさ、温かい言葉たち。だから。たとえ牢屋に入
    春歌 さん作 [337]
  • 最後の願いを…

    「それで、死神になるってわけ?」「うん、なるよ」「…………」真っすぐな目をした少女、真矢の目の前にいる友人は長いストレートな茶髪を指に巻き付け、ふぅっと深い溜息をつく。「あ、そう…真矢がいいなら、あたしは何も言わないけど…」「じゃあ黙って見ててね?」「警察が来ても知らん顔しておけばいいのかしらあたし」「そうそう」「……ねぇ、やっぱり考え直さない?だって、人殺しだよ?本当の死神なら捕まらないけど、
    春歌 さん作 [365]
  • さあ一緒に

    悲しいぶんだけあなたと分かち合いたいね楽しいぶんだけあなたと笑い合いたいね大切にしてねこの思い一つ一つを目には見えないけどそれらはときに重たかったり 苦しかったりもするけどきらきら輝いてるの眩しいくらいに。だから捨てようとしないで。隠そうとしないで。持ってるのが嫌なら、あたしが半分持ってあげるから。言葉にしない代わりに一緒に歌おう 下手でも上手でも。誰かが聞いてくれてるわかならず誰かに響いてるわ
    春歌 さん作 [319]
  • ある冬、雪の降る日に

    胸にひっかかることがある。一瞬だけ、本当に一瞬だけ、お母さんはドアを閉める直前にあたしを見た。そして泣きそうな顔でそのまま強く顔を背けてーー。お母さん、何がそんなに悲しかったの?あたしを捨てること…?それならどうして…。結局、答えはない。寒い。みわちゃん、ごめんね。お母さん、ごめんね。二人ともにあたしは嫌な思いをさせてしまった。お母さんがあたしを捨てたのにはわけがあるに決まってる。あたしに原因が
    春歌 さん作 [380]
  • ある冬、雪の降る日に2

    昔から怖かった。気付かないふりをしてきたけど、お母さん…。やっぱり、あたしは捨てられた…。隣の家のはなこが笑っている。昨日、今日の晩御飯ははなこの大好物だって嬉しそうに話してた。寒い。昨日の雨よりも今日の風の方が何倍も寒い。手足の感覚がなくなってきた。公園のベンチの下にうずくまる。寒さは全く変わらない。ただ、休みたかった。遠くでどこかの家の中から子供の泣き声が聞こえてくる。あたしは、お母さんの娘
    春歌 さん作 [278]
  • ある冬、雪の降る日に

    あたしは、泣きすがる。今に、過去に、未来に。生きたい。生きたい、生きたい。どうして死ななきゃいけないの?昨日はちゃんと餌もくれた。頭は撫でてくれなかったけど、叩かないでいてくれた。毛布はいつもみたいにやっぱり平ぺったくて固いけど、あたしはそれが好きなんだ。だから文句だってつけてないし、大事に使ってきた。なのに、毛布が捨てられた。あたしは悲しくて、寂しくて、吠えた。毛布が捨てられたからだけじゃない
    春歌 さん作 [304]
  • 保健室と、優しい痛み7

    それから三ヶ月、先生だけを考えて生きた。次の三ヶ月は、愚かにも先生を忘れようとした。また次の三ヶ月、何もすることをやめて何も考えなくなった。すると次の三ヶ月で、一人の優しい誰かに会った。信じられないけど、信じたくないけど、あたしは、その人に…。恋を、してしまった。あたしは自分を憎んで、罵って、大嫌いになった。あんなに先生を好きだったのに。先生はこんなあたしに精一杯答えをくれたのに…。恋愛感情では
    春歌 さん作 [586]
  • 保健室と、優しい痛み6

    みんなが驚きざわつく中、あたしは目の前が真っ白になった。感じる前に心が麻痺して、周りの音が、景色が遠ざかる。何?今、校長先生は何て言ってた?よく聞こえなかった…。ーーーいや、違う。聞こうとしなかった。すると、思考能力が停止したあたしの頭にふっと自分が言った言葉が蘇る。『人間なんていつ死ぬかわからない』。それを思い出した途端、涙が溢れた。そう、あれはあたしが言った言葉じゃないか…。その時になってあ
    春歌 さん作 [445]
  • 保健室と、優しい痛み5

    先生は、確かにあたしに応えてはくれなかった。でもたった一言。『…人間は進化する生き物だから、今は無理でもこの先俺の気持ちが変わるかもしれないのを待ってくれるなら』千分の一でも。一万分の一でも。それでもいいのか?…はい。たとえ、一兆分の一の確率でも。先生は、やっぱり最後まで優しかった。あたしは、久しぶりに保健室を出て授業に参加した。それから、三ヶ月。あたしはずっと待った。三ヶ月ごときで先生の気持ち
    春歌 さん作 [500]
 
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