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いっと さんの投稿された作品が316件見つかりました。
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ソードメーカー18―?
カイストランドの王城、ダークパレスの一室。そこではエリウスとマギウスが酒を酌み交わしながら、今後の事について話し合っていた。「さてさてエリウスよ…あの連中を捨てた後はどうする積もりじゃな?」「まずは彼等の反応を見る事ですね。光のソードメーカーが砦を潰しに来たと分かれば、例え女王が止めたとしても、光側に攻撃を加えざるをえないでしょうから」「そうじゃのぉ」エリウスは愉快そうに笑いながら、ワインを飲み
いっと さん作 [428] -
ソードメーカー17―?
その時、ロイがロザラムの前にゆっくりと進み出た。「ロイ君…?」ロザラムは驚いて、目を大きく見開いた。ロイはユミナの目の前で、自分の首筋に剣を当て、挑むような表情で彼女を見た。「一つ…聞いておきます。ユミナ…姉さん」「…何よ?」ユミナはロイを睨みつけて、剣を揺らした。「僕がここで死ねば、ここにいる全員に危害を加えませんか?」「何言ってるの!?ロイ!!」ミリスはその言葉を聞いて、慌ててロイの元へ駆け
いっと さん作 [408] -
ソードメーカー17―?
「…それが、彼を殺そうとしている理由か?」ロザラムは厳しい表情で、ユミナに尋ねた。「ええ。…けれど、それだけでは無いわね。ロイの持つ能力を知った事も大きかったわ」「ベイスを攻撃した時の事か?」「そうよ。あの事があって以来、ロイと全く会っていなかったのだけれど、ベイスに行った時に久しぶりに彼を見たわ。その時に、グラムも感じていたけれど、彼に特異な能力がある事が分かったのよ」「…私もそれは感じていた
いっと さん作 [401] -
ソードメーカー17―?
「どういう事だ?」「だって、遊んでいる最中に起こった事故だったからね。驚いたし、それなりにロイに対してやるせない感情にはなったけど、怒りの領域にまではならなかったわ」ユミナは一つ小さく息を吐いて、肩に担いだ剣をユラユラと揺らした。「だが…君がロイ君を恨んでいる事は確かなのだろう?」「そうよ。…事件の詳細を父から聞いた後、もう一度ロイの家に行ったわ。彼を問い詰める気なんて無かった。ただ、彼の口から
いっと さん作 [446] -
ソードメーカー17―?
「三日くらい経ってもまだ広場に来てくれなかったから、何かあったのかと思って彼女の家まで行ってみたの。そしたら中からロイの母親が応対に出て、悲しそうな顔で『リアは…死んでしまったの…。ごめんなさい…』って言ったわ」ユミナは小さく息を吐いて、顔を伏せた。「私は『どうして?』という疑問の言葉を口から出そうと思ったけど、できなかった。その母親がとても悲しそうに、そして、本当にすまなそうな目で私を見ていた
いっと さん作 [397] -
ソードメーカー17―?
「リアちゃんはとてもいい子だったわ。笑顔がとても可愛くて、素直で、明るかった」ユミナは遠くを見るような目で、小さくため息をついた。「私は彼女と一緒にいてとても楽しかった。年は離れていたけれど、そんな事は関係無かった」「…」ロイはユミナの言葉を聞いて、ぎゅっと唇を噛んだ。「一緒に遊ぶようになって、ある日彼女が一人の男の子を連れて来たの。それがロイだった。…私を見た瞬間の彼の表情が忘れられないわ」「
いっと さん作 [470] -
ソードメーカー17―?
「君が後継者になれない属性だったから?」「そうよ」ラトの質問に、ユミナは厳しい表情で頷いた。「産まれた時は『光とか闇とか関係ない。この子は俺の宝物だ』とか言っていたくせに、何年か経ってみたら自分のストレスの捌け口にしていた…。最低な父親だったわ」「…『だった』?君の両親は今どうしてるんだ?」「死んだわ」ユミナはそう言って邪悪な笑みを浮かべながら、剣を地面に叩きつけた。「母は暴行で受けた傷が元で病
いっと さん作 [480] -
ソードメーカー17―?
「なるほどな。だからあの時再登録を申し出たのか…」ロザラムは首を横に振ってぽりぽりと頭を掻いた。「ではもう一つの質問だ。君はロイ君と知り合いのようだが、彼と過去に何があったのかね?」「…」ユミナはその質問を聞いて顔を歪めると、唇をぎゅっと噛んだ。「話せない事かね?」「…いえ、そんな事は無いわ」彼女はそう言って一つ大きく息を吐くと、ちらりとロイの方を見た。「っ!」ロイは一瞬息を止めて、顔をこわばら
いっと さん作 [416] -
ソードメーカー17―?
「教えてあげましょうか?」ユミナはにやりと笑って、ルイスの方を向いた。「光の属性を持つソードメーカーと闇の属性を持つソードメーカーの間から生まれた子供は、必ずどちらかの属性になるのよ。闇のソードメーカーの国で闇属性になった場合はいいわ。でも、逆にそこで光の属性になってしまうと…」「…あ…」ルイスははっとしたような表情で、目を大きく見開いた。「気付いたかしら?必然的にのけ者扱いされてしまうのよね。
いっと さん作 [438] -
ソードメーカー17―?
「カイストランドは密かに各国のソードメーカーの家をチェックしていたのよ。それで、ハーフの子供がいる家庭を見つけては、金を用意して自分の国に来ないかと誘っていたのよ」「ちょっと待て。という事は、お前は確か二年前からここで騎士として働いていたが、もうその時からそのような二つの力を持つようになっていたのか?」ロザラムは怪訝そうな表情で、首を傾げた。「いいえ、違うわ。実はそのスカウト活動は思ったような成
いっと さん作 [428]