携帯小説!(PC版)

トップページ >> 朝顔 さんの一覧

朝顔 さんの投稿された作品が42件見つかりました。

 
  • 罪はやがて闇となる?

    動揺したのは佳代だけではなかった。胡瓜を掴もうとしていた箸を落とした者もいた。コップに口をつけたまま振り向いた者もいた。絵美の背中合わせに座っていた男性達でさえ振り向いた。それだけ絵美の発言は周りを動揺させるものだったのだ。「本当?」疑っているわけではないが、あまりに突然な話しに絵美の隣に座っていた友人は瞬きをする事なく聞いた。「間違いないと思う」あやふやな表現なのは心のどこかでそんなはずはない
    朝顔 さん作 [544]
  • 罪はやがて闇となる?

    田舎町にある小さな飲み屋。味よりも値段に引かれて訪れる客が多いその店の宴会席には、かつて三年間同じ時間を過ごした級友が集っていた。仲の良いクラスだった。喧嘩はそれなりにあったけれど、すぐに打ち解け派閥を作らず、取り立てて問題もなく卒業した。就職した者もいれば進学した者もいた。卒業してから成人するまでは皆、自分の生活に慣れるまでお互いあまり連絡は取り合わなかったが、成人式に顔を合わせた途端昔を懐か
    朝顔 さん作 [539]
  • 夢負人??

    真佐美に何も言葉をかけてやれなかった事を深く後悔した裕斗。しかしそれ以上に怒りを感じていた。「どういうつもりですか?」「何が」裕斗の震える拳に気づいていても夢路は平然としている。「あれが妖夢の仕業じゃない?だったら何だって言うんですか!」「誰が妖夢のじゃないなんて言った」カチリと音を立て揺らめく火に煙草の先をつけた。吐かれた煙が宙をさまよっている。「彼女に妖夢がついてないのは本当だ」「だったら…
    朝顔 さん作 [403]
  • 夢負人??

    速度は同じのまま真佐美は続けた。「私……娘を本当に愛しているんです。娘の為なら辛い事も我慢できます。殺すなんて……手をあげた事もないのに……」冷静だった口調は徐々に震えだし、その不安は形になって現れた。透明な滴が頬を伝いズボンに零れ落ちた。「解っていますよ」夢路は夢の中には必ず妖夢が潜んでいると言っていた。けれどそれを知らない人間からしたら、心のどこかで娘を殺してしまいたいという願望があるのでは
    朝顔 さん作 [385]
  • 夢負人??

    小雨が降る日の午後。事務所で向かい合っていた真佐美と裕斗達。依頼の電話を受けた時からかなり深刻な状況なのは理解出来た。それというのも電話口の真佐美の声は暗く、微かに震えていたからだ。現に向かい合って座っている真佐美は俯いたまま、膝の上で組んでいる手は強く握りしめられている。タイミングを掴もうとしているのか、真佐美は何度か口を開こうとするがすぐ閉ざした。そんな重い沈黙の中呑気に欠伸をする夢路。自分
    朝顔 さん作 [433]
  • 夢負人??

    事の経緯を調べる為、夢路と悠斗は加川真佐美の自宅、犯行現場に来ていた。細かく捜さずとも場所はすぐに分かった。線路沿いの道から一本先にある道に警察はもちろん、報道陣や野次馬がごった返していた。「加川真佐美被告は普段どんな人物でしたか?」マイクを突きつけられた近所の奥さんは迷惑そうにカメラから顔を隠したが、その割には質問に軽快に答えている。「ここだけの話し、そのうち何かやるんじゃないかと思ってたのよ
    朝顔 さん作 [371]
  • 夢負人??

    種を一つ蒔いたとさ水を一粒あげたとさ芽が出て泣いた泣いた可愛い赤子次は赤い雫をあげよ腕をいっぱいに伸ばし棚の埃をはらった。宙に舞った灰色の汚れにむせた悠斗。恨めしげに夢路を見ると、普段は読まない新聞を広げている。「たまには手伝ってくださいよ」叩きを見ると既に真っ黒になっている。三日にいっぺんは事務所を訪れているのにすぐこれだ。「やーだよ」窓も閉め切ったまま煙草を吸うせいで白いもやが部屋中を漂って
    朝顔 さん作 [396]
  • ティシュと商人の街?

    この街の草花に老いはない。枯れも生え替わりもないのは、この街特有の気候に関係があった。その為途絶える事なく年中作物が採れ、パピの木も資産として登録されていても多くの学者や旅人によって蜜を採られていた。「私もこの街に何十年といるけど、木が病気になったなんて初めて聞いたわ」「病気?そんなに酷いのか?」「見れば解るわよ。葉は紅くなって、肝心の樹液もそこら辺の大差ないって話よ」「そんな……」店が出せない
    朝顔 さん作 [388]
  • 名もなき肖像画?

    彼女は言った。「忘れられない」と……彼女は泣いた。初恋の君を思い浮かべて僕はそれを、何も出来ずに見守るしかなかった。旧名家のお屋敷は、広さこそあれどどこか殺風景で、古びた木材が歩く度に軋んだ。幾度となく修復されてはいるが周りの材質と大差のないよう、限りなく黒に近い茶色に染められ昔の質素な感じを受け継いでいる。彼女はそれが好きだ。暇を持て余してはフロアから続く中央の階段の踊り場で、幼い日にならった
    朝顔 さん作 [291]
  • ティシュと商人の街?

    次の日、早速ティシュは役所に出向いた。人混みを避け白い壁を伝いながら受け付けを捜すと、化粧の濃いおばさんの所で足を止めた。防犯用の厚い硝子で出来た壁に手が入るぐらいの穴が空いており、その横に商人申請受付と書かれている。目の前に一つだけ置かれた椅子に座ると、おばさんは不快そうな顔をして書類を用意した。「これに記入して」迷惑そうに穴から書類とペンを差し出すと、頬杖をつきティシュが名前を書くのを見てい
    朝顔 さん作 [420]
 
サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス