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朝顔 さんの投稿された作品が42件見つかりました。

 
  • 夢負人?

    いきり立つ悠斗の声が頭に響きこめかみを押さえた。「大体お前名刺もないのにどうやって来たんだよ」「覚えてたんです。それより一刻を争うんですよ!」「お前さー、俺が暇人だと思ってない?依頼は順番にこなすのが俺の主義だ」とても依頼がたて込むような事務所には思えない。まして所長が飲んで昼まで寝ているような所だ。依頼を受けるつもりがない、悠斗はそう判断し踵を返した。「もういいです。アンタに頼もうとした俺が馬
    朝顔 さん作 [345]
  • 夢負人?

    迷惑そうに煙草に火をつけ悠斗を見る夢路。「困るんだよねぇ、営業時間守らず来る客って」「もう一時回ってますよ」壁に掛かっている時計を見ると針は一時半を指していた。頭を抱え何やら独り言を言い出した。「あれ程飲み過ぎないようにしてたのに……二杯でいいだろ、俺」自分に言い聞かせる夢路を哀れに思うも、悠斗にはそれどころではなかった。「依頼しにきたんです」「依頼?あー……明日にしてくれる?飲み過ぎて頭痛いか
    朝顔 さん作 [349]
  • 夢負人?

    悠斗が住む隣町にそのビルはあった。住所は五階立ての丁度真ん中になっている。階段を上り三階まで行くと、狭い廊下にその表札はあった。夢路探偵事務所。貰った名刺とは多少名前が違うが、夢路なんていう苗字そうあるものじゃない。住所も場所も合ってる事から間違いないと判断し、扉を軽く叩いた。待つ事一分。人が出てくるどころか物音すらしない。休憩で外出しているのだろうか。営業時間を確認するが居てもおかしくはなかっ
    朝顔 さん作 [346]
  • 夢負人?

    煮だつ鍋にカレー粉を入れお玉でかき混ぜた。悠斗はなかなか溶けない粒を見つめたまま、夕方に出会ったあの夢路という男の事を思い出していた。お喋りなピエロ……田上が夢に見るというピエロと一致している。あの男は何か知っているのだろうか。夢負人などという職業があるとは思えない。しかし田上がおかしくなったのは夢のせいだ。そして悠斗の前に現れたあの男は夢に関する仕事をしている。偶然なのだろうか。けれど偶然でな
    朝顔 さん作 [338]
  • 夢負人?

    主婦が行き交う商店街を右手に買い物袋、左肩に学生鞄をかけながら歩く悠斗。少し前までは恥ずかしいと感じていたが、今では慣れてしまい顔馴染みもできた。買い物中も田上は無事に家に着いたかどうか気になってしまい、危うくカレー粉ではなくシチューを買いそうになってしまった。「あ……」満ぱんに入った食料から転げ落ちたみかん。人に踏まれる前に拾おうとしたが、一歩手前で違う誰かに拾われた。「ありがとうございます」
    朝顔 さん作 [361]
  • 夢負人?

    15歳の夏、中学最後の大会。悠斗が投手、田上が捕手だった。ベスト3に入るのは確実だった。練習に練習を重ね実力は誰にも引けを取らないチームになっていた。けれど大会前日。練習の帰りに、仲の良いメンバーでふざけてキャッチボールをしていた最中に事故は起きた。体勢を崩し田上が投げたボールは空高く飛び、それを追いかけた悠斗はいつの間にか車道に出ていた。右肩骨折。よくある話だ。もちろん大会になど出られるはずも
    朝顔 さん作 [363]
  • セピアの空?

    ずっと小さい頃、学校の遠足で有名な画家の展覧会に行った事があった。もちろんその画家が誰だったかも、どんな有名な絵を描いていたかも思い出せないけれど、一つだけ忘れられずにいる絵がある。その絵のタイトルは「セピアの空」。その絵を見てとても不思議でならなかった。何故ならその絵にはどこにも空がなかったからだ。螺旋階段がずっと上まで続いていて、その階段の隅々には本棚が敷き詰められていた。そう、あれは塔だっ
    朝顔 さん作 [479]
  • 夢負人?

    宙を見つめたまま田上は何か考えているようだった。「悠斗……今日の放課後空いてるか?」「放課後?」特別な用事ではないが悠斗は行かなければならない所があった。しかしこんな田上を放っておけるはずもなく、言葉を詰まらせた。「気にするな。何か用があるんだろ?」「あ、あぁ。母ちゃんに頼まれて買い出しに……でも別に今日じゃなくても」「いいんだ」言い掛けた悠斗を遮り田上は寂しそうな目をして言った。「おばさん元気
    朝顔 さん作 [369]
  • 夢負人?

    夕陽に染まる保健室。悠斗の前には疲れ果て眠る田上がいる。一体田上に何があったのだろうか。取り乱す程辛い夢だったのだろうか。自分も毎日同じ夢を見ているが、苦痛は感じていても現実に持ち込む程のものではない。夢といえど田上を追いつめている元凶に腹立たしさを感じていた。忘れろ、忘れるな。忘れて欲しいのかそうでないのか、まるで田上を困らせてやりたいみたいだ。田上を苦しめてやりたい、そんな風に取れる。しかし
    朝顔 さん作 [359]
  • 夢負人?

    休み時間に入り、悠斗は教室を出て行った田上を追いかけ屋上に向かった。何かあると屋上で休む。悠斗も田上も子供の頃からの癖になっていた。扉を開けると冷ややかな風が足の間をすり抜けた。背中をつくような寒気に思わず身を縮こまらせた悠斗。屋上には誰もいない。唯一フェンスの前に立つ田上以外は。悠斗は気付かれぬように後ろから近づき、一歩手前でフェンスに飛びついた。「たーがーみー君!」田上は一瞬目を丸くして悠斗
    朝顔 さん作 [375]
 
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