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瓠月 さんの投稿された作品が6件見つかりました。

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  • 古い写真6

    『周一!!』『…母さ…ん』母親と警備の人が周一の元へ走って来た。『母さん、あの二人は…?』『…終わったのよ、全部』周一を優しい微笑みで包むと、ごめんなさいと何度も言いながら周一を抱きしめた。周一が後日、改めて母親に昨夜の事を聞くとあの二人が急に消えたのはこの世に存在出来なくなったから、つまり写真を焼かれたからだと言う。だけど写真は、と周一が母親に問いかけると『実はね、周一に渡した写真は偽物なの。
    瓠月 さん作 [499]
  • 古い写真5

    母親は、声にならない叫びをあげた。血管が止まりそうなくらい真剣ににぎりしめる女の子の両手は、物理的な声をあらわしていた。しかし、母親は右手に掴んでいる封筒を左手で素早く取ると、周一にそれを投げた。『神社へ早く行って!』母親の覚悟が伝わったのか、周一は迷わず神社の方へ走っていった。母親と写真の二人が残されたそこに、警備の人が自転車の明かりをチラホラさせて近づいて来た。それに気付いた二人は、手を繋い
    瓠月 さん作 [455]
  • 古い写真4

    『……思ってはいたけど、やっぱり暗いね』懐中電灯で暗い道を照らしながら周一は言った。母親はあの写真を入れた封筒を手に、しっかりと確認しながら持っていた。もう家を出てから13分くらいが経った頃だった。『母さん…あれ』周一が目を丸くして、懐中電灯を持っていない左手で、前にいるそれを指さした。母親は誰だろうかと見つめた。周一はどこか気持ち悪い感じを感じ取っていた。<<あの男の子だ…!>>二人は言葉には
    瓠月 さん作 [470]
  • 古い写真3

    しかしその瞬間、部屋のドアが開いた。それと同時に指も消えていた。『周一…どうかした?』何度呼んでも返事がなかったから心配になってきた母親が、強張った顔の周一に問い掛ける。『う、ううん。何でもないよ(あれ…鍵は閉めたはずなんだけど)』『あら、そのCDお母さんの好きな歌手のじゃない。』部屋に流れているそれは、周一の母親が大好きな歌手の新作だった。緊張したままの周一をよそに、母親が机の上にある写真に気
    瓠月 さん作 [458]
  • 古い写真2

    『…』恐怖に震え出した手を抑えながら、その写真を机に裏返しに置いた。気持ち悪い感じがしたので気を紛らわそうと、音楽をかけた。コンポから出される素晴らしい音色を耳でとらえながら、掃除の続きを始めた。しかし、数分後。…ザ…ザザー『あれ…』窓を拭いていた手を止めて、急にノイズが鳴ったコンポを調べる周一。『新品のCDなんだけどなぁ…』とりあえずほっといたら直るだろと楽観的に考え、窓を拭こうと思ったその時
    瓠月 さん作 [463]
  • 古い写真1

    空は爽快な青、太陽は大変喜んでいる様子。しかし、そんな景色に目もくれずに部屋でガサゴソとやかましい音をたてている青年がいた。佐藤周一(さとう しゅういち)、高校2年生。今日は部活も休みの日曜日。ただゆっくりしているのもなんなので、たまには部屋の掃除をしようと張り切っている。『…お?』周一が棚の上からおろした段ボールに挟まっていたのか、一枚の写真が床に落ちた。それはお世辞にも綺麗とは言えないほど色
    瓠月 さん作 [524]
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