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岬 登夜 さんの投稿された作品が54件見つかりました。

 
  • 夜に咲く華〜華の編12〜

    その頃、華は連二郎に圭吾との事を聴かれていた。「どんな関係かって、太一さんの友人で日本に着いたとき知り合って昨日出掛けただけよ。すごく素敵な人で優しいのよ」まな娘の口から他の男の褒め言葉を聞いた連二郎はおもしろくない顔をした。「とにかく、結婚なんてまだ早い。その男とも会うな」華にそう言い、仕事に行くための仕度を始めた。「お父様、横暴よ」そうは言ってはみたが先程の圭吾の母親の異様な態度を思い出し華
    岬 登夜 さん作 [320]
  • 夜に咲く華〜華の編11〜

    「ご両親もおいででならぜひ一緒に…」圭吾の母親の言葉を二階の華や紅に伝えると、太一はとりあえず圭吾の母親を一階の居間に案内した。いつもと感じの違う圭吾の母親に太一は胸騒ぎを覚えた。「華さんに何の様なんですか?」お茶を出しながら太一は聞いた。「圭吾の、あの子のお嫁さんになってもらおうと思って」圭吾の母親の言葉に太一は驚く。「嫁って、あの、だって圭吾は…」先が永くないと言いかけて太一は口を紡ぐ。そこ
    岬 登夜 さん作 [208]
  • 夜に咲く華〜華の編10〜

    連絡をもらい太一が酒場に足を踏み入れた時には圭吾はすでに泥酔状態でカウンターに俯していた。「圭吾、どうしたんだ?飲めない酒など飲んで」圭吾は薄目を開けて太一をみた。「太一か。今日、検査の結果が出てね。永くはないと言われたよ。悔いの残らぬ様にとさ」しどろもどろながら太一にそう伝えるとグラスの酒をあおる。「もうよせ。身体を壊してしまう」太一の言葉に圭吾は大声で笑った。「壊れる?もう壊れているんだ。何
    岬 登夜 さん作 [256]
  • 夜に咲く華〜華の編9〜

    家に帰り着くと圭吾は倒れるように座り込んだ。母親が心配そうに駆け寄る。「大丈夫だよ。久々に出掛けたんで少し疲れただけだよ」壁につかまりながら二階にあがる。ベットに横になりながら圭吾は自分の身体を呪った。安静にしているしかない役立たずのこの身体。少し無理すればこの様だ。脳裏に華の健康的な笑顔が浮かぶ。せめてもう少し丈夫なら華さんと恋をして結婚も子供も夢ではないのに。こんな身体の夫、苦労させるだけだ
    岬 登夜 さん作 [276]
  • 夜に咲く華〜華の編8〜

    「私、もうそんなに子供じゃないわよ」「ええ、向こうの話など聞かせてもらって私もとても楽しかったです。なにぶん身体を壊して家に閉じこもってばかりの生活ですから華さんさえよければまたお誘いしたいのですが?」圭吾の言葉に華の瞳は輝いた。紅は華の姿を見て華と圭吾が惹かれ合っているのがわかった。「ねぇ、母様いいでしょう?こちらにはまだお友達がいないし。私だってあちこち見て歩きたいわ」「そうねぇ。先程妙に聞
    岬 登夜 さん作 [316]
  • 夜に咲く華〜華の編7〜

    「あっ…」慌てて下駄を取りに行こうとしたら笑い声が聞こえ圭吾が下駄を手にやってきた。「まさか下駄に出迎えてもらうとは思わなかったよ」「圭吾さん!」華はびっくりしたのと恥ずかしいのとで顔を赤らめた。「太一はいるかな。昨日のドジョウのお礼に酒粕もってきたのだけど」圭吾はにっこり笑って華に下駄を返しながら尋ねた。「太一さんなら朝から港までお客を送って行ったわ。妙さんもうちの母と出掛けてるし」圭吾は少し
    岬 登夜 さん作 [334]
  • 夜に咲く華〜華の編6〜

    華は幾分頬を赤くさせ、ますます艶っぽくなりながら圭吾に挨拶する。「華です。しばらくは太一さんのお家にご厄介になってます」「圭吾です。太一とは幼なじみで。華さんと言うんですか…」圭吾が次の言葉を発する前に太一が口を開く。「さぁ、余り遅くなると心配するから戻ろう。また、ゆっくり来るよ。圭吾」太一の言葉に紅は頷き頭を下げ外に出る。圭吾は名残惜しそうに手を振った。帰り際太一は華に圭吾の話しを聞かせた。頭
    岬 登夜 さん作 [509]
  • 夜に咲く華〜華の編5〜

    「でも…」いいから早くと半ば強引に華を荷車にのせた。「道が悪いから揺れるよ。つかまってて」ぐんぐんと進む荷車に華はつかまりながら景色を眺めた。知り合いの農家から野菜や薪を購入する。「あれ、太一君。また綺麗なお嬢さん連れてぇ。彼女かね?」太一は顔を赤くして首を横に振る。「まさか。お母の知り合いの娘さんさ」帰りは荷車に物が載ったので華も歩く。帰る途中、太一は川の中に入り昨日仕掛けた網を揚げる。中には
    岬 登夜 さん作 [354]
  • 夜に咲く華〜華の編4〜

    「紅…紅…。すまなかった。こんな父親…で…」父親は華を紅だと思っているのか手をとり、しきりと謝ってばかりいる。「お父様、紅は私なのよ」父親の目に自分が入っていないことに紅は苛立ちをおぼえた。なかなか華の手を離さない父親をやっと納得させ部屋をでる。「紅、いってしまうのかい?いってはだめだ」華はかわいそうになりまた明日もくる約束をした。「父の面倒、よろしくお願いします」紅は初に深々と頭を下げ薬代と生
    岬 登夜 さん作 [237]
  • 夜に咲く華〜華の編3〜

    翌日、早速紅は父親に会いにいくことにした。連二郎は仕事があるため竹蔵と朝早くから出掛け、海渡は妙の小さい子供達と釣りに出掛けた為、紅と華、それに案内で太一が同行することになった。「紅様が知っている翌日とは変わってしまいましたし、何かあったら大変ですから」吉原の中は以前の風格も格調も無くあの御殿の様な造りの遊郭は無くなりただの宿の様な造りの店が立ち並んで廃れた感じがした。「変わってしまったのね。本
    岬 登夜 さん作 [454]
 
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