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岬 登夜 さんの投稿された作品が54件見つかりました。
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夜に咲く華〜華の編2〜
帯をぽんと叩き出来たと合図する。「戻るとは連絡してあるけど。でもきっと竹蔵さんから聞いて待ってる気がする」船が接岸し、止まる。港には大勢の人が集まっているのが見える。タラップを降りると風に乗り海苔の香がする。「社長、紅奥様」声の方向を見ると竹蔵が手を振っている。「ただいま、竹蔵さん。妙は?」いると思っていた妙がいなくて紅はがっかりした。「あいつは宿に残って美味しいもの用意するって待ってますよ。荷
岬 登夜 さん作 [254] -
夜に咲く華〜華の編1〜
「帰って来たのね。日本に… 」船上から見える景色に紅は昔を思い出した。あやめ姉さん…。「母様、間もなくだから中に入るようにって父様が」華が呼びに来る。華は16才。紅が健吾に襲われ、結婚させられた年齢になった自分の娘をみた。顔は連二郎に言わせると紅によく似ているが体つきは昔の紅より大人びている。あれじゃあ男が寄って来ない訳無いと、いつも付き人をつけガードしていた。おかげでボーイフレンドも出来ないと
岬 登夜 さん作 [295] -
明日かも知れない〜07 〜
「来ましたよ。てか、いつもこの時間に来るんで今日は来ないなって思ってたんです。そっちの彼、昨日からこの時間のシフトにはいったから俺の方が詳しいですよ。あの人どうかしたんですか?」警官は池上君の方に向かった。「いや、夕方刺されて死んでいるのが見つかって。ここの弁当の空が山ほど出てきたんで聞き込みにね」池上君はあぁ、と言う顔をした。「期限切れの弁当をもらいにくるんですよ。可哀相だから時々くれてました
岬 登夜 さん作 [281] -
明日かも知れない〜06 〜
「ねぇ、池上君はモカ好き?」「まぁ。でも凄くとまではいかないですけど」「これさぁ…」恭平は小声で池上君に教える。「うっそ。マジでぇ?」池上君はちょっと興奮気味に恭平を見る。「マジだよ。俺朝から見ちゃってさぁ。もう凄いよ。二回戦までいくし」「貸してくれるんですか?」「うん」池上君は嬉しそうに自分のロッカーにしまった。「池上君って深夜のバイト長いの?」「まあ、長いっすよ。歳ごまかしてって、これ店長に
岬 登夜 さん作 [235] -
明日かも知れない〜05〜
「見たよ。それより…」恭平は昨日貰った大麻の葉を一枚見せる。「どうしたんだよ?これ?」寛人の目が光る。恭平は昨日のいきさつを寛人に話した。「ふーん。ホームレスがねぇ。そいつ、商売始める気あるかなぁ?」多分ないだろう。あったらとっくに始めているはずだ。 恭平の答えに寛人は「だよな」と答えた。受け渡しはこっそりとトイレの中で行う。「タダでいいのかよ?欲ねぇな」「まあ、昨日の礼だ」「よかったろ?あれ」
岬 登夜 さん作 [226] -
明日かも知れない〜04〜
早朝6時、バイト明けで見る太陽は眩しい。店の前にいた子供達はどこに行ったのか太陽が昇る頃どこかに消えた。家に着いて鞄を空けたら寛人から貰ったCD−Rと、徳さんから貰った大麻が出て来た。「どうするかなぁ…これ」独り言がでる。とりあえずモカの無修正は気になるので見てみることにした。明るい室内が映り出される。間違いなくモカが男と激しいキスをしている。キスというより顔の舐め合いに近い。次第に二人とも興奮
岬 登夜に さん作 [361] -
明日かも知れない〜03〜
夜のコンビニには昼間より変わった人も来る。常連らしいホームレスはじろじろと恭平を見て、「いつもの兄ちゃんどうしたんだ?」と聞いて来た。「辞めましたよ」そう答えるとちょっと残念そうな顔をした。そういえば安藤、おもしろい事いってたっけ。「徳さん…?」ホームレスはピクリと身体を動かし恭平を見る。「聞いとるのか?」「少しだけ。今、裏に回りますから」他の店員に聞こえない様小声で話す。ホームレスは黙って頷い
岬 登夜 さん作 [243] -
明日かも知れない〜02〜
なるほど、店長盗まれた数、水増しして自分で吸っているんだ。でなかったらけちな店長が煙草なんて吸う訳ない。恭平は一人納得してレジに入る。「やっぱり医者より警官の子供かなぁ」次のバイトを選ぶ基準を考える店長の声が背後から聞こえた。安藤はほとんど深夜帯専門だったので恭平はしばらくぶりで大学に通った。少子化の問題か大きな構内には人は少なくいつ来ても寂しい雰囲気だ。大低の大学生は金持ちの子供で少数派で奨学
岬 登夜 さん作 [235] -
明日かも知れない〜01〜
最近、通勤で使う路上にやけに薄汚れた子供の姿が増えたな…。高木恭平はぼんやりその光景を眺めながら仕事場へと足を急いだ。20××年。日本は景気低迷のスパイラルから抜け出せず、格差社会は拡がりホームレス、ネットカフェ難民が急増。ストリートチルドレンも珍しい事ではなかった。地方で職に溢れた人達が皆、都会に集まり、昼間一見平和に見える街も夜には無法地帯と可する。街にはあちらこちら廃墟ビルが立ち並び、それ
岬 登夜 さん作 [252] -
夜に咲く華〜その31〜
そして、五年の年月が立ち…。連二郎は落ち着きなくうろうろ歩き回る。手伝いに来ていた妙が笑う。「落ち着いてください、旦那様。間もなくですよ」妙がそういい終わらないうちに襖の奥から元気の良い赤ん坊の鳴き声が聞こえてきた。「ほら、生まれた」妙は急いでお湯を運ぶ。しばらくすると産母がでてきた。「おめでとうございます。女の子ですよ。二人とも元気ですよ。中に入って見てください」連二郎は慌て中に入る。小さな塊
岬 登夜 さん作 [396]