携帯小説!(PC版)

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デフレーター さんの投稿された作品が87件見つかりました。

 
  • 携帯小説家・Dの苦悩 4

    「ちなみにさ」渉は部屋の隅にあったパイプ椅子を出してDの横に座った。「閲覧者数、投稿するたびに減る一方だよな。」「な…」確かにDの小説の閲覧者数は、最初の作品の56人をピークに減りつづけている。「最終的には2人になってたよな。俺と、お前。」渉は自分とDを指差しながらそう言った。「…なんなんだよさっきから偉そうに…」Dはついに不満をぶつけた。「あ?」「さっきから上から目線でアドバイスしてきたり批判
    デフレーター さん作 [550]
  • 携帯小説家・Dの苦悩 3

    「ホラーってさ…何かありふれちゃってんじゃん。ネタ的に。」「まあねー…」「それにさ…お前こないだ書いたホラー…あれ、限界か?」渉は見透かしたように言った。「正直…あれが全力。」「じゃあだめだな。」「えー…あれ結構怖くなかった?」「いや、別に。」「はあ!?」渉のさらりとした返事に、Dは思わず叫ぶ。「何かイマイチ中途半端なんだよな。ストーリーも怖さも。」今まで自分の作品を評価してくれていると思ってい
    デフレーター さん作 [575]
  • 携帯小説家・Dの苦悩 2

    入ってきたのはDと同い年くらいのまだ若い男だ。短い茶髪に赤ブチのメガネ。見た感じなかなかのインテリだ。男は部屋に入ると眠っているDに近づき、肩を叩いた。「起きろ。風邪ひくぞ」「うわ!」Dは飛び起き、ゆっくり目の焦点を合わせた。「渉か…」「お前また携帯小説書いてんの?」男の名前は平山渉。Dとは中学・高校の同級生で、今でもたまにDの家に遊びにくる。渉はDの手に握られた携帯の画面を見た。「何も書いてな
    デフレーター さん作 [555]
  • 携帯小説家・Dの苦悩

    浮かばない全くもって浮かばない考えても考えてもDにはアイデアさえ浮かばなかった。Dはこれまでいくつかの作品を投稿してきた携帯小説家。そのジャンルは幅広く感動ものの長編からドタバタ短編コメディひいてはホラーに至るまで本当に広範囲に及んでいる。どの作品もアマチュアながら中々よく出来ている。Dはそう自負していた。調子がいいときは次々とアイデアが浮かぶ。設定から結末、登場人物の台詞や感情描写。全てが頭の
    デフレーター さん作 [563]
  • マイホーム 6

    義之は夢中で走った。やがて固い地面が消えうせ、泥が纏わり付くような感触が足裏に伝わった。機敏な動きを封じられながら義之は足を進めた。「このとんでもない屋敷から…必ず抜け出してみせる…待っていろよ…小夜子、翼、未来…」義之は嫌な汗をかいていた。「助かったらこんな家さっさと引き払って…新しい家で、新しい生活をしよう…」泥沼が深くなり、より一層足を取られる。「すまなかった…こんな家に連れて来てしまって
    デフレーター さん作 [750]
  • マイホーム 5

    「まさか…途中で迷ったんじゃ…」翼は慌てて引き返そうとする。「行くな!」義之は翼を止めた。「でも!」「もう少しで出口のはずだ…出たら…助けを呼んでお母さんを助けだそう。」義之はそう言って翼の肩を叩くと、また走り出した。翼も再び未来の手を取って走り出す。走っても走っても、一向に出口が見えない。もう1時間も走っている。義之は時々自分が何故走っているのか分からなくなったが、立ち止まるわけにはいかなかっ
    デフレーター さん作 [717]
  • マイホーム 4

    廊下が蛇のようにうねりながらどこまでも延長される。壁が生まれ、木が生えるようにドアが発生する。家は、まるで生き物のように成長を続けていた。立っていると激しい目眩に襲われる。義之もようやく理解した。この家で家族が体験した出来事を。「どういうことだ…」「逃げましょう!」「お母さん!」背を向けてドアを開けようとする小夜子に子供達が声をあげる。「え?…いやぁぁぁ!」小夜子はその場に崩れ落ちた。さっきまで
    デフレーター さん作 [714]
  • マイホーム 3

    さらに一週間後、今度は小夜子が異変に気づいた。「ねえあなた…翼たちが言ってたこと、本当かも。」夜、子供達が寝静まってから、小夜子は義之に訴えた。「お前もか…増築もしてないのに家が広くなるわけがないじゃないか。」義之はソファでくつろぎながら小夜子の訴えを取り合おうとしない。「だって…買い物から帰ってキッチンに行くのに10分も歩いたのよ?」「玄関からキッチンまではせいぜい10歩だろう?」「昨日までは
    デフレーター さん作 [691]
  • マイホーム 2

    西森一家は新居への引っ越しを済ませた。玄関をあがると広大なホール天井は高く、吹き抜けになっている。「なかなかいい家じゃないかー。あの大家め、脅かしやがって。」「ほんと!素敵な所ねー。」「きれーい!」義之と小夜子と未来が歓声をあげる。そして、新居に興奮して廊下を走る翼。「そんなに走り回ると転ぶわよ。」小夜子が優しくたしなめる。すると翼はまた走って家族の所に行き、言った。「だってすげー広いし…」「シ
    デフレーター さん作 [684]
  • マイホーム 1

    どこまでも続く白い砂浜を見下ろす丘に1軒の家がある。会社役員の西森義之は妻の小夜子と中学生の息子・翼、小学生の娘・未来とともにこの家に引っ越した。有名なリゾート地でもあるこの場所で家を構えて暮らすのは西森一家の夢であった。その中でもこの家は白い外壁と赤い屋根を構え広々として日当たりもよく何より眼下にはどこまでも続く砂浜と青く美しい海を臨むまさに最高の物件であった。これほどの物件なのだから決して安
    デフレーター さん作 [813]
 
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