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ゆうこ さんの投稿された作品が102件見つかりました。

 
  • 風景 感傷

    なみだが流れたすうって、水の軌跡を作って金木犀 星の花アスファルトに零れた小さい宇宙上をむいてばっかりじゃわからなかったよ雨あがりの空虹 水晶のプリズム下を向いてばっかりじゃ気づかなかったよ熱いほっぺ擦って涙あと消してあたし歩いたよまっすぐ歩いたよ悲しいこと わかんないことぶつかることとまどうことしらないことにげることこわがることぜんぶやったからなみだが出るんだよ真っ赤な服着て秋を歩くあたし
    ゆうこ さん作 [442]
  • 短編 暖かい闇

    本当の暗闇って知っている?一筋の光りも、音も吸い込んで消えていきそうな「闇」を知ってる?あたし知ってるよ。夢のなかでさ…。笑わないでよ、本当なんだから。夢のなかで、あたし真っ暗な部屋にいるんだよ。どうしてか、そこが部屋だってことを知ってんの…おかしくても仕方ないじゃない。夢ってそういうもんでしょ?でさ、鼻をつままれてもわからないくらいの闇のなかで、あたしどうしようもなくて…とにかく自分を触るの。
    ゆうこ さん作 [928]
  • 白い家 5

    女の声が迫る…。奥の部屋から順々に扉を開けていく音がする。ゆり…やっぱりここね?そっとノブが回された。開いた扉が私達を隠している。しばらくガサガサと何かをどけたり開いたりする音が続いていたが、すぐに収まり、いらただしげな呻き声をあげて女は部屋を出ていった。勢いよく階段を駆け降りている。私を押さえつけていた少女の緊張がようやく緩み私自身もその場にへたりこんでしまった。「ありがとう…」なにがなんだ
    ゆうこ さん作 [729]
  • 白い家 4

    玄関を抜けると、暗さが一層増した気がする。私は鳴り響く心臓を押さえ、飛び出さないようにする為に指を口唇に充てていた。これ以上入りたくない。が、出口を見つけなくては…。すぐ目の前に階段がある上からは僅かな冷気が流れてくるようで、私はのぞきこみ…息を呑んだ。1番上の段に、細い足が…。誰…?か細い声に弾かれるように、足は消えた。もの音一つ立てず…しばらくしてバタン、と扉の閉まる音。女の子だ。あの靴の持
    ゆうこ さん作 [606]
  • 白い家 3

    私の背丈ほどもある雑草を掻き分けながら、ネムを捜す。茅(かや)で手を切り、ピリピリと痛む。心臓は激しく血液を押し出しているかのよう…緊張で吐き気さえ感じる。それでもネムを諦められなかった。あれがなくなれば…私の存在意義が消えてなくなるとでもいうように。ない…ない…ない!これだけ探して、ないということがあるだろうか私は汗だくになって、屈んだ腰を伸ばし…そしてぎょっとした。目の前に、赤いドアがあった
    ゆうこ さん作 [613]
  • 白い家 2

    「ねえ、これあんたのじゃない?」ある夏の日の帰り道、私は後ろから呼び止められた。振り向くと、三人の上級生がいる。その中心にいる少女が私のネムを突き出していた「これ、落とした?」うっすら口端に浮かぶ笑みは優しげなものではなく小ばかにしたような表情だった。私は小さく頷き、手を延ばした…が、サッと引かれる。「こんな汚い縫いぐるみ学校に持って来たりして…いいと思ってるの?学校に玩具はいけないって知らない
    ゆうこ さん作 [666]
  • 白い家 1

    その家は空き家だった。私がもの心ついた時からずっと。瀟洒(しょうしゃ)な白い一戸建てのその家は、外観こそ少女の憧れである洋館といえたのだが、私は小学校の帰り道、前を通りかかる度に足早になる自分に気付いていた寂れた、カーヴを描く優雅な門…その鉄柵からはみ出る湧き出たような雑草の奥に、家はあった。広めの庭の奥…雑草の向こうに、白い壁の家。窓は廃墟だというのに割れていない。しん、とした佇まいに悪戯心を
    ゆうこ さん作 [876]
  • …キテ……

    私は石のように固まったまま、囁かれた言葉が頭に浸透していくのを感じていた。部屋いっぱいに響く、何かを切る音と男の声。今やそれは喘いでいるのではなく、断末魔の絶叫に聞こえた。私は無理矢理、頭を玄関へと向けた。…嫌……誰なの…?玄関は薄暗い。が、さっきまであった白く光る覗き穴はなかったつまり誰か…何かが、ドアの向こうにいる。引き寄せられるように私は立ち上がり、歩いて数歩の玄関のドアへと向かう。足が浮
    ゆうこ さん作 [1,021]
  • …ニ……

    私はめげずに耳をあて続けた。ア…アアア…ア…ニキテ…何て言ってるんだろ?それにしても、男の方がこんなに喘いでいるなんて珍しい。私はニヤニヤしながらボリュームを上げた。すると、ノイズが収まり…奇妙な音が聞こえた。…ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク……何か鈍い音がする。喘ぎ声の奥から、かろうじて聞き取れるくらいの…小さい音。何?アゥアア…ザクザク…アアアゥウア…ザ…
    ゆうこ さん作 [760]
  • …コ……

    別にHな声が聞きたいわけじゃないけど、深夜に聞こえてくる音はそういう可能性もある。私は何となくドキドキしながら、盗聴器の機材のスイッチを入れ、周波数を読んでいく。この微妙な感覚が辞められない。ザザザ…ザ…ザ……え?また…聞こえた?ギクリとして振り返ったが、薄暗い玄関に変化はなく、覗き穴だけが真珠のように光って見える。耳に直接、囁くような声だった。さっきと同じ…。たった一言。『コ』でも今回はノイズ
    ゆうこ さん作 [813]
 
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