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ゆうこ さんの投稿された作品が102件見つかりました。

 
  • DOLL〜薔薇は灰になる〜…PROLOGUE…3

    一陣の風が吹き抜け、一瞬の魔法を奪い去った。少女の手から薔薇は零れ落ち、それでもそれを拾い上げはしない…。人形である事を露呈された物体に、美樹はもう心動かされる事はなかった…。それでも、なお少女に触れるのは躊躇われ、美樹はようやく目を逸らし、先へと進んだ。すると大きな半円の扉の前に、黒くピッタリとしたパンツ姿の女性が立っていた。白いものが混じった髪を引っ詰め、無駄なものが一切ない。鋭い眼差しで美
    ゆうこ さん作 [427]
  • DOLL〜薔薇は灰になる〜…PROLOGUE…2

    季節の移り変わりと共に色彩豊かに彩られた庭以外の変化は、この屋敷にはしばらく訪れなかった見るからに裕福そうな屋敷にやってくる販売を目的とした輩に主は会うことも一度としてなく、噂好きな村人達との交流も一切ない。テレビさえ、ましてや新聞さえないこの屋敷は、切り取られた異空間といっても良かった。唯一の外界との接触は、住み始めた十年前に一度だけ行われたメイドの募集、そして集まったなかから主自らの面接を行
    ゆうこ さん作 [431]
  • DOLL〜薔薇は灰になる〜…PROLOGUE…

    人里はなれた田舎に、大きな屋敷がある。赤レンガで作られた屋敷は頑強ながらも繊細なフォルムで、新しいにも関わらず年季を感じさせる造りだ。主の藤堂晶人の細かいこだわりは内部まで行き届いている。アンティークと現代アーティストの粋を凝らした傑作で彩られたインテリアは絶妙なセンスで、一線を超えれば悪趣味にもなりそうな華美な美しさを湛えている。しかしなんといっても目を奪われるのは、あらゆる箇所に佇む、息を呑
    ゆうこ さん作 [511]
  • 箱のなか〜最終章〜

    香月は亮を見舞った後、ぶらぶらと歩きながらあの時立ち寄った公園のブランコに座って足を揺らしていた。あれはまさに時間との勝負だった。携帯から警察へ電話を入れた後、慌ててアズサを捜し出し…都合よくアズサから自分の方へと飛び込んで来てくれた。あらかじめ服の中に隠していた鋭いガラスで、油断していたアズサの首を突くのはたやすかった。指紋を拭き取り、痙攣しているアズサの手にガラスを握らせ…どこかに監禁されて
    ゆうこ さん作 [734]
  • 箱のなか17

    「それで面白いこと考えたの。最初みたいにとり憑かれたあたしが闇雲にあんたと雅也を殺すって言うのじゃなく…雅也にも一役かって貰おうってね。あいつ、嬉しそうに持って来てた猫と犬の血をかけて、悲鳴あげて…後で死ぬってことも知らずに、笑えるでしょ。シャツ切り裂いてガラスを立てて。その方がより、面白いじゃない?」香月は涙が伝うのを感じていた。「あたしを殺して亮があんたを許すと、どうして思えるの?」アズサは
    ゆうこ さん作 [510]
  • 箱のなか16

    香月とアズサの目線が絡む。「あんたが仕組んでいた…と考えれば、全部につじつまがあう。あんたが持ってきたネタ…あんたが鉄線のない部分を見つけた…そしてあんたは二階にあたし達を導いて、あらかじめ決めていた部屋にくると躊躇なく入り込んだ。あんたにとって、予定外だったのは…亮を誘ったことだったんじゃないの…?」アズサが笑った。「亮はいてもいなくても良かった。でもどっちにしろ雅也は…」香月は頷いた。「殺す
    ゆうこ さん作 [505]
  • 箱のなか15

    香月は走っていた。暗闇もガラスも怖くない…何かに追われるように走っていた。階段を見つけ、駆け上がる。その時、甲高い悲鳴が聞こえた。アズサ…?アズサが、叫びながら走っていた。「アズサ!ここにいるよ…早く…」チカッと電灯が輝き、その光は迷うことなく香月に向かってくる。その姿を見て、香月は驚いた。着替えたはずなのに、亮の服はまた血で汚れていたのだ。「アズサ…あんた…」アズサは息を切らしながら首を振る。
    ゆうこ さん作 [495]
  • 箱のなか14

    亮はアズサに気を配ってはいたものの、一人きりで香月が一階に向かって行ったのが心配でたまらない。雅也があの状態でどこかに消えたのも、生きていてホッとしたと言うよりは…どこか違和感を感じずにはいられなかった。そんな考えが頭を過ぎった瞬間、ガツンと何かが後頭部を直撃した。……あ……アズ……? 亮が振り向いた時、一瞬電灯が背後の人間を照らしたが、それが誰だったのか確認することなく亮は意識をなくした…。一
    ゆうこ さん作 [502]
  • 箱のなか13

    「アズサ!」亮とアズサが二人、声を揃える。「大丈夫よ、何かあったら電話する。携帯持ってるし…って、持ってないや…手提げ、そういえば無くなってる…」アズサは初めて気付き唇を噛んだ。亮も愕然とする。「俺も…最初、コックリさんやった部屋に鞄ごと置いてきちまった!あの時みんなの鞄、ベッドの端に置いたんだよな」アズサはアッと声をあげた。「そうだった…私が無意識で置いたからみんなつられちゃって…。わたしまる
    ゆうこ さん作 [533]
  • 箱のなか12

    どうしたらいいの? アズサの言葉に、香月は頭を巡らせ考えた。コンビニで四人が一緒にいるところを見られているし、防犯カメラにも映っている…。考えたい!もっと、落ち着いて。でも隣にさっきまで笑っていた雅也が死体になって、今アズサが…1番大事な友達が「殺人者」としてここにいる。どうして?なんでこんなことに…。アズサも同じ思いなのか悲痛な顔で座り込んでいる。「わたし、自首する」「馬鹿いうな!雅也ま
    ゆうこ さん作 [530]
 
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