携帯小説!(PC版)

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ゆうこ さんの投稿された作品が102件見つかりました。

 
  • コドモノウタ

    雨だ。霧雨のような、細く柔らかい初夏の雨。スーツに染み込んできて歩みを重くする。会社帰り、僕は人通りの少ない路地を進む。死んだように静かな夕暮れ…雨のせいで家並みまで灰色にみえる。前方に自動販売機が、白く輝いていた。喉は渇いていなかったが無機質な明かりに惹かれる虫のように、僕は近づいていった。雨に洗われたディスプレイ。傘をさしていない僕が見つめ返している。ふっとその奥に映る、電話ボックスが目に入
    ゆうこ さん作 [684]
  • 箱のなか2

    わたしは しょうがく一年の女の子わたしはころ されたのわたしはねていますわたしを ぉこしてほしぃの だれかだれかだれかだれか たすけて「…なにこれ」香月は薄気味悪い内容のたどたどしい手紙をアズサに返した。下校中の生徒たちの声が遠退き、ふっと教室に静けさが宿る。オレンジ色の明かりが部屋全体を染め上げる中、アズサは得たり、と微笑んだ。「気味悪いでしょ?それ今、磯小で流行ってるんだってさ」「磯小
    ゆうこ さん作 [629]
  • 箱のなか

    「ねえ、香月!いいネタ仕入れたよ〜」南原香月は、口に突っ込んでいたロリポップをポンッという音と共に口から抜いた。「何よ?また」不機嫌丸出しの声に安藤アズサの頬が膨れる。「今度こそガセじゃないって!聞いてよ」二人はこの高校でもとりわけ…マイナーな倶楽部を取り仕切る敏腕ジャーナリストだ…と自負している。その名も「ミスオカ倶楽部」決して丘の似合う美少女を選ぶミスコンではない…ミステリーとオカルトを略し
    ゆうこ さん作 [776]
  • サイトアラシ〜その後〜

    今日彼女に話しをしてきた…一対一で。つまりは、インターネット(携帯の中)での趣味が、Nのなかで生理的に合わない…というのが答えだった。顔の見えない人達との交流を私がしているというのが許せなかったらしい…子供のことをもっとちゃんとしろ、と言いたかったのだそうだ。私は携帯小説を書いているのはたいてい子供が寝入ったあとだし、まさかそんな事であんなふうに他の人達まで巻き込むとは…とさらに納得がいかなかっ
    ゆうこ さん作 [691]
  • サイトアラシの正体… 〜ゆうこの場合〜

    「あらま、気付いた?ごめんね」開口1番に出たのはその言葉。あまりにもショックで二の句が告げずにいた私に彼女は「なんかさあ…色んな人に小説書いてるんだぁ〜とか楽しげに言っていたじゃん?あたし最初は応援していたけどなんかムカついてきてさ…主婦だったら他にやることあるじゃん…馬鹿みたい。たかが主婦の書いた素人くさい小説に誰が本気で読んでるとか思う?」たかが主婦…。私は心底心が震えた。「本気…?」「目を
    ゆうこ さん作 [634]
  • サイトアラシの正体… 〜ゆうこの場合〜

    私は、ついこの前、眼底出血という病になりレーザー治療をする事になった。医師からは、目に負担のかかる行為は控えるように言われた為、しばらく携帯小説からも遠ざかる事になってしまった。親しい友人、Nは「なら携帯預かるよ…ほらいっそ手元にないほうが絶対見られないわけだしね。もし大事なメールあったら私が電話で教えるから」正直、そこまでしないでも…という気もしたが、非常にそれを進められ、まあ一ヶ月くらいの事
    ゆうこ さん作 [616]
  • 快楽の代償〜出会い〜

    その出会いはいたって簡単だった。携帯の「♪出会いたいなら…ラブピース♪」という宣伝文句を間にうけて無料登録したサイト。そこで彼女に出会った。既婚者である私に、同じく既婚者である彼女…。つまり「大人の割り切った関係」というやつだ。本当は会うところまでいけるとは思っていなかった。いや、期待はしていたが…メールの上での恋愛ゲームにのめり込んでいたのだ。だが、彼女…千香は違った。千香は積極的に私に会いた
    ゆうこ さん作 [840]
  • ひとを殺したい 5

    始めから愚かだったのは僕。彼女が泡を吹いたとき、怖くなったのは僕。眠れない夜に、わからない不安と苛立ちに振り回されていたのは僕。誰でもない。「孤独」を抱えたのは僕のせい。真っすぐで、力強い彼女の目が、心が、僕に教えてくれた。泣きながら笑う僕に、彼女はキョトン、としてそれから言った。お兄さんのことは言わないから、安心して。いいよ。僕は別に…ううん。帰れるなら私はいいの。お兄さん、ありがとう。わかっ
    ゆうこ さん作 [784]
  • ひとを殺したい 4

    頬を流れていく血の感触に、私は体が麻痺したみたいだった。痛いし、怖かった。でも泣きたくない。何故か泣いたら、お兄さん…ううん、この子に負けるって思ったから。だってたった一つしか違わないんだ。おんなじ子供なんだから痛いだろ?痛いよ。……でも殺されてないもん。お兄さんは、私を殺してない。わかってる。もうちょっと後でね。……お兄さんはどうしてつまらないの?さあね。僕は親が嫌いだし、友達もいらない。一人
    ゆうこ さん作 [568]
  • ひとを殺したい 3

    パパが死んだのに幸せ?お前、馬鹿じゃないの?ごめんなさい。…でもパパは、きっと私を見ていてくれるから…。それでその時、私が辛くしてたら、悲しむってママは言ってたの。大人の戯言だね?たわ…?なんですか?嘘つきってことさ。死んだ奴はどこにもいやしないよ。お前のパパがお前を見守ったりもしない。見ているもん。お兄さんが違うって言っても、私には解ります。ガキだな。……お兄さんはどうしてこんなことするの?さ
    ゆうこ さん作 [571]
 
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