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ゆうこ さんの投稿された作品が102件見つかりました。
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ひとを殺したい 2
毎日が単調でつまらなくて、僕は何かをしたかった。それが「ひとを殺す」ということ。人は僕を子供だという。まだ、何も知らない無垢な子供だと勝手に思う。でも僕は、子供なんかじゃない。僕は回りの奴らとは違うよ。愚かで人に受け入れられることばかり考えるあいつらとは絶対に違う。僕は、決して…。助けて。誰か助けて…。手首に巻かれた縄が痛いし、口に張られたガムテープが痒い。あの時絞められた首もいたい…。私、あの
ゆうこ さん作 [623] -
ひとを殺したい
殺してみたい。僕は人を殺したい。殺したくてたまらない。血を見て、実感したい。ああ、命が流れていく…って感じたい。でも殺すなら綺麗な人がいい。顔じゃなく、ココロが。そんなひとって限られるよね。大人は大程、いないよ。じゃあ子供ってなると…確率は上がるかな。赤ちゃんは綺麗もなにもココロがないし。第一、つまらない。僕は殺されるのがわかった時の人の顔がみたい。僕という取るに足らない人間に奪われる、輝く生命
ゆうこ さん作 [828] -
ワンダーゲート最終
「あの人みたい…」前を横切る女性をみて、美羽はそっとリノに耳打ちした。結局、美羽は全てをリノに打ち明けた。幽霊の声のこと。幽霊の求めること。そして彼の声に従って、女性……彼の妻を捜し当てたのだ。女を見つけた瞬間、頭のなかの彼の感情…戸惑いや悲しみ、それら全てを上回る愛しいという感情が、爆発するのを美羽は感じていた。殺して欲しい。そういった彼の真意を、リノはうまく誘導して聞き出していた。学校で、二
ゆうこ さん作 [610] -
ワンダーゲート5
気付けば、真夜中の1時だった。愕然として時計とにらめっこ。有り得ない…私が夕飯も食べずに寝ちゃうなんてあれだけ寝たにも関わらず、身体はまだ睡眠を求め、けだるかった。学校のマラソン大会で十キロ走らされた時さえ、ここまでぐったりしなかった。まあ…あの時はだらだら歩いたりもしてたけど。お腹が空いた。人生でここまでお腹が空いたことはない、というくらいペコペコだ。今なら炊飯器ごと食べれるな…。よろめきなが
ゆうこ さん作 [521] -
ワンダーゲート 4
雨は降り続き、美羽とリノはじっと見つめあったまま…と、リノが笑い出した。「歌か。歌…凄い美羽らしい!なぁんだ、心配しちゃったよ」…苦しい言い訳の筈が、リノのツボにはまるとは…複雑。「まあね。とにかく帰ろうよ。やっぱりなんか寒気するから、今日は寄らないでいいや」「もー、気まぐれなんだから」いっそこの変な「声」についてリノに助言を頼もうかと、帰り道、何度おもったことだろう。が、結局止めた。頭がおかし
ゆうこ さん作 [511] -
ワンダーゲート 3
高瀬 美羽という少女は小学三年生の時、靴や教科書を隠されたが、それをイジメとは受け取らず「私と親しくなりたい人が言えずにやった」行為として捉えていた。五年生の時、バレンタインのチョコレートを好きな男子から「受け取れない」と返された時、「チョコレートが嫌いな人がこの世にいるんだ!」という衝撃を受けたのみだった。そして中学一年の時、クラスで1番可愛くて、頭のいい大橋 リノに出会った時、この人こそ私の
ゆうこ さん作 [469] -
ワンダーゲート 2
一応、下手に出とくかなどの辺が下手に出ているのかはともかく、美羽は校庭の隅にある石のベンチで待っていた。リノが教室で待たないほうがいいという言葉に、合わせてやったのだ。それにしても、憂鬱な空だなぁ…五月という季節は、朝は晴れていたのに、放課後は雨、というはた迷惑な不安定さを持っている。この日もまさにそのパターンの様相を呈していた…肌寒く湿気を含む空気がスカートを重たくさせる。「おーわれ、早くぅ〜
ゆうこ さん作 [487] -
ワンダーゲート 〜LIMIT スピンオフ〜
なんかオカシイよ…。高瀬美羽は不可思議極まりない気持ちで、親友である大橋リノを見た。リノはついこの間まで事故に遭い、入院していたのだ。が、ようやくこのほど退院したのだが…。やっぱり変!いつものように楽しげに笑いあう仲間に混じっている時、ほんの一瞬…リノは遠い目をする…。その目は、美羽を心底ドキッとさせる。淋しい…?いや、そんなんじゃなく…もっと深い…哀しみ?中学生が見せるには余りにも大人びていて
ゆうこ さん作 [682] -
リミット THREE 最終章
翠の死は必然だった?それなら、影の豹変も納得できる。翠が死んだ、その時から影はこちらに興味を示さなくなった。私たちのどちらかが、始めから死ぬ運命だった?そんな…。リノは顔を覆った。翠…!翠、ごめんね…!本来なら、翠が生きていた筈なのに。私をかばったせいで、翠は…。でも、それなら私は行かなきゃ。リノは唇を強く引き結びガラス扉にそっと触れた…。翠の死を無駄にすることは、出来ない。そんなこと、絶対にし
ゆうこ さん作 [703] -
リミット THREE 13
翠が死んだ。自分への想いを打ち明けて、笑って死んでいった翠。リノは呟いた。体温は見る間になくなり…握ったままの手は、開かれることなくリノの手に包まれていた。どれくらいの間、こうしていたのだろう。戸口にいる影の叫びさえ今のリノには届かない。翠…。淡い光のなかで、翠の優しい、日焼けした顔が過ぎった。無惨に引き裂かれた翠の顔ではなく、前向きに力強い翠の両目を想った。そっと、見開かれたままの瞳を
ゆうこ さん作 [572]