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黒谷碎 さんの投稿された作品が27件見つかりました。
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クエスチョン
殺伐とした日々も 君の目の前も夜明けに写した写真の中に収まった下らない世の中でもある時が過ぎて夕立は夜を照らしてる渇いた光で静まりかえる街先寝転んでそんなことを確かめたすぐに信じ込んでも向き合えるのはかばんを振り回して歩く影くらいだろう涙を忘れた世界は風通しが悪くて笑ってなんかいられない君が落としたポシェットを玄関先にぶら下げておいたから今日もそんなところだ
黒谷碎 さん作 [179] -
Avanクラブ 〜vol.4〜
一同は沈黙した。その直前に話していた大黒は戸惑っているのだろうかと未央は察した。しかし、夢のくせに生意気だ。降りることができないし、面白味もない。白田は虚無感に苛まれた。「早く見つけちゃいましょうよ。いい加減、夢の中も飽きましたわ」橋本の提案も無視して、ついついこんなことを口走ってしまった。数秒後、思いとどまって「すいません。白田です。」と、付け加えた。「木村ですが、気にしないで下さい白田さん。
黒谷碎 さん作 [142] -
Avanクラブ 〜vol.3〜
声が去ってから30秒もしないころだったろうか。最初に口を開いたのは佐野だった。「話しづらいところだが、最初に紹介された僕から話しを切り出しましょう。僕は佐野です。勿論、皆さんお察しでしょうが先ほどの紹介には人間が8人いました。つまり、今の中に幻想の方がいるということでいいのですね。」「そういうことでしょう。私は教授の橋本です。しかし、このビル上では1人二役が容易にっきるようだ。・・・」橋本の声は
黒谷碎 さん作 [144] -
星空観察日記
いつも乗るはずの電車を外から眺める立場になった影のスクリーンにされて小さなせつなさを感じたそんな時ふと見上げた火曜日の夜空明るい星々をカシオペアと決めつけて今日の記憶に残しておくよいつだって分かり合えるくらいなら星空観察日記そんな長いノートは3日で閉じてしまうだろう7月5日 晴れPS 今日は帰りが遅かった
黒谷碎 さん作 [151] -
Avanクラブ 〜vol.2〜
無風の屋上。ネオンがあたるヘリポート。未央はそんなところに立っていた気がしていた。 声は未央をパイプ椅子に座らせた。その現実味を帯びた金属音で彼女はようやく我にかえった。「ここ・・・は?」未央は不安感に駆られつつ、顔を左右にゆらした。霧のような口調で声がする。「ここは現実世界の頂上です。 私を合わせて顔を知らない同士の7人がここにいます。その中から私の正体を暴き、6人が天空に叫べば生活に帰れます
黒谷碎 さん作 [176] -
公園物語
どうせ終わることのない恋の話をしながら2人が歩いた 冷たい冬の道鮮やかに描こうとしたあの丘にも街が広がってるんだよ公園の滑り台からそう言った僕らの街が模型のようだけどこの街のどこかのとある物語全ては出会いが始まりだった西の空果てがかすかに明るいけれど変わらずに街を指差す僕らがいたブランコが上に振られるたび近づく夕闇の空は星空へと変わる公園の奥で話した僕の夢のことカバンの底にも詰まってない
黒谷碎 さん作 [167] -
Avanクラブ 〜vol.1〜
白田未央は残業帰りだった。彼女は中高生時代、容姿端麗ともてはやされたこともあってか恋愛に関してプライドが高かった。そのせいもあって今日まで真実までたどり着けずにいる。そうして社会に文句をつけながら夜の街灯の間をさまよっていた。未央がビル街の一角を曲がったその時、彼女は周囲に若干の隔たりを感じた。そうやって振り向く気力がないほどに不気味さが増していった。すると都市伝説のように突然、目の前が真っ暗く
黒谷碎 さん作 [244]