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籬 規那 さんの投稿された作品が47件見つかりました。

 
  • Mind Adventure 30

    周囲に何事かを訴えるかのような、明らかに異端である、黒い法衣。何故黒い法衣でなければいけないのか、何故わかった。影のなかで奇しくぬらりと光った赤黒い物体。それは、他の何物でもない、魔物の角だった。自らを律し、他人を寄せ付けない為に。私でも、そういう選択をとったかもしれない。「ここにいても、被験体として体を弄られるだけなのでな。ついでに逃がしてやる。」ディルは不満気だが、今の出口が何処かもわからな
    籬 規那 さん作 [541]
  • Mind Adventure 29

    近くで、何か音がしたかもしれない。わからない。頭が割れそうだ。船酔いに似ているかもしれない。目の前に誰かが立った、かもしれない。わからない。頭が――――………「これを飲め。即効性だから、はやく効くはずだ。」口の中に苦みが広がり、すぐに沢山の水を流し込まれた。少し噎せながら、妖需にも同じようにしている、相手を観察する。黒い、法衣。黒ってなんだよ黒って。変態か?変態なのかあいつ?体も思考もまだ思うよ
    籬 規那 さん作 [460]
  • Mind Adventure 28

    「なんかさ……薄気味悪いよねぇ?ここ………」戦闘の時とはまた違った様子で周りに神経を遣いながら、妖需が言う。きー――――っ!甲高い小動物のような声が、見計らったみたいに辺りに響いた。静寂の中にこだまし、陰欝な空気がより一層増す。後ろで妖需が立ち止まる気配がした。この程度の事で怖がるタマでもないはずなのだが。不思議に思って振り返ると、蒼白で奮えている妖需が目に映った。「おい………?」意識をはっきり
    籬 規那 さん作 [525]
  • Mind Adventure 27

    唸りをあげて、鼻先すれすれの所を、剣が通り過ぎて行く。わざとぎりぎりで避けて、相手の油断を誘いつつ、手の中のワイヤーを操り、縛り上げて適の数を減らす事だけは忘れない。ジンが何十にも細かく契った使い魔のお陰で、道に迷う事なく進めるが、警備が堅すぎてたとえ弱かろうと、時間はどんどん過ぎていく。「場所が分かってるなら、天井裏じゃ駄目なのかよ!」ぜいぜいと、息を切らしながらディルが吠える。「駄目なんだよ
    籬 規那 さん作 [436]
  • Mind Adventure 26

    足が、腕が、空をさ迷い、急速に力を失ってゆく。自らの行く末が、自然と脳裏に浮かんだ。それは、不安でも、安堵でもない、予想。――私、死ぬ、のか―\r突然背中に衝撃を受け、気が付くと腕から解放され、地面に投げ出されていた。ぼやける頭をそのままに、なんとか周りを見回すと、横たわる男に尋問をしているディルの姿が見えた。「大丈夫かい?」どうやら、ジンが助けてくれたようだ。首や、掴まれた腕の骨が悲鳴を上げて
    籬 規那 さん作 [431]
  • Mind Adventure 25

    「………」"唖然と"では、表現が足りない程に、自分が茫然自失状態なのがわかる。そう。知っていた。正しくは、調べ廻ったというべきか。村を出た理由も、それだった。知られた、という事実と、差別に対する不安に、今にも精神が押し潰されそうになる。冷静に考えれば、ばらばらにされた妖需らの方が、危険なはずなのに。痛いほどにわかっているのに。違う。分かっているから、本能が邪魔をする。むざむざ危険な道に入って、痛
    籬 規那 さん作 [481]
  • ある樹木の一生

    いつの間にか すこしずつ 突然 壊れた 時間 遠のいていく 君へ 何かつらい日 照らされた 太陽 君に憧れを抱くのは そう きっと 必然だった 傷つきたくなくて 痛いのがいやで 計って 試して 手に残ったものは何だったんだろう 去りゆく君に 心の右側が 見てください、私を、分かって  と 花を咲かせる 心の左側が 痛いから触れないで  と 空のままの両手を抱えて
    籬 規那 さん作 [480]
  • Mind Adventure 24

    実際、この程度の拘束など、妖需にとって、無きにしもあらずだった。靴の窪みに指を差し込み、軽い衝撃を加える。靴裏に仕込まれていた鑢が飛び出し、カラン、と音を立てて床に転がった。それを使い、まず腕を縛るロープを切る。同じ要領で、鉄柵を被っている金網も切断した。この場所が、古い建物でよかった。祖母に教わった開錠術は、元はもっとしっかりした物だったのかも知れないが、教えた人間が世紀末的な不器用だったせい
    籬 規那 さん作 [417]
  • Mind Adventure 23

    あのあと、止めに入った妖需は突き飛ばされ、ジンが男性に何事か囁くと、男性が逃げていく形となって、事態は収拾を得た。ディルはというと、フィレーネとジンに脇を固められながら歩いている。随分と苛立った様子だったけれど、一体どうしたんだろう。ディルは、怒りっぽい人ではあるけれど、意味もなく怒ったりすることなんて無い。からかわれて大きな声を出したり、人を小突く事はあるけれど、こんな様子は初めてだ。「ディル
    籬 規那 さん作 [398]
  • Mind Adventure 22

    「わ…ご、ごめんなさいっ…」先程一目置いたばかりにも関わらず、フラフラと3歩もけば通行人にぶつかっている。見兼ねたフィレーネに手を引かれ、相変わらずよたよたと歩く妖需と、戦いがどうも結び付かくて。もしも、もしも俺達が、もって平和な世界に生まれていたなら。ふと、そんな事を考えてしまった。ジンも妖需も、底抜けに明るい振る舞いをしつつも、常に気を張り、本当弱みを見せる事はない。絶対に。「………」だから
    籬 規那 さん作 [390]
 
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