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TAOさんの投稿された作品が3件見つかりました。

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  • 気高い変質者

    ――この時、私の洞察の針は、既にその男から、レジで淡々と仕事をこなす、もう一人の従業員の方へと振れ始めていた。流石だ……その蝋人形のような無表情は、複数の客に対応する継ぎ目継ぎ目に正確に綻び、私には、腹に添えられた両手の位置と言い、それと同時に折り込まれる腰の角度も、更にはその声の滑舌までもが完璧に思えた。しかし、やがて本の発注の能否を告げに戻った店員の“気高い変質者”への応対が、どのレベルで評価
    TAOさん作 [621]
  • 気高い変質者

    「すいません…」平然と手を挙げる男に、……困ったのは店員の方だ。一瞬、店内に沈黙が漂う……。私は事の顛末を観賞するべく、今一度襟を正し、男の次の言葉に耳を澄ませた。勿論視線は、手にした名もない雑誌に注がれたままで…である。「…これの下巻がある筈なんだが…取り寄せは出来ますか?」その下着の“赤い紐”は、男の顔をシンメトリーに二分し、陰部に宛がわれるべく僅かなシルクの生地に、男の鼻はすっぽりと収まって
    TAOさん作 [596]
  • 気高い変質者

    その男は精神啓発本を手に取り、真剣な眼差しで読み入っているようだった。横目で表紙のタイトルを覗くと「閉ざされた時代の開かれた心」…とある。私は、その男の、人目を引く異様な風体に混乱していた。それでも、このコンビニという、日常を特化しようも無い場所で、開かれた心…を読み漁る男に私が興味を惹かれたのは、彼が、大凡、この場に居合わせた客の誰よりも、冷静沈着に見えたからだ。その頭に被せられたティーバックを
    TAOさん作 [558]
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