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深山暁 さんの投稿された作品が37件見つかりました。
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君に送る言葉?
「私も…ずっと…好きでした。」そう言った浅岡は、泣いていた。…同じだった?苦しい思いを抱えていたのも。どうしようもない思いを持て余していたのも。浅岡も僕と同じだった?もう一度、浅岡にゆっくりと手を伸ばす。白い頬を伝う涙を拭う指が震える。 伝わってしまっているだろうか…。今までに無いくらい緊張している事が。浅岡が顔を上げた。目が合う。…そんな目をするなよ。我慢が出来なくなりそうだから。「…先生。」
深山暁 さん作 [183] -
召喚天使?
「じゃあ、俺は職員室寄ってくから。」そう言い残して、世良は立ち去った。(疲れた…。)まだ朝だというのにものすごい体力と気力を消耗していた。(今日からこれがずっと続くのか…。)安易に返事なんてするものじゃないと切実に思った。〜教室〜「二階堂、おはよ。」友人のグループが挨拶してきた。「…はよ。」「朝からお疲れだな。二階堂。なんかあったのか?」親しい友人の1人である笠井 優介が言った。「もしかして、朝
沢森奈々 さん作 [195] -
君に送る言葉?〜side A〜
「君が…好きなんだ。」これは…本当に…現実?先生が私を…好き…?信じられなくて、先生を見つめる。先生の目は、真剣だった。唇には、温かい感触が残ってる。私…先生と、キスしたんだ…。涙が頬をつたう。叶わないと思ってた。先生が、私を好きになってくれる事なんて、絶対にないと諦めてた。返事をしたいのに、声が出ない。涙だけが流れる。早く言いたい。「私も…ずっと…好きでした…。」
深山暁 さん作 [205] -
君に送る言葉?
「浅岡…。」本当に、泣きそうなくらい安心した。浅岡が笑っていたから。…頬に温かいものが触れる。浅岡の手が、僕の頬をなでていた。真っ直ぐに僕を見つめる黒い瞳に吸い寄せられるように、僕は浅岡にキスをした。唇を重ねるだけの、軽いキス。キスなんて、初めてじゃない。それ以上も普通にした事がある。だけど今、僕の心臓は、壊れそうなくらい高鳴っていた。自分の鼓動が聞こえて来る気がした。どれくらい時間が経っただろ
深山暁 さん作 [185] -
召喚天使?
「あ。」僕が悪い予感で憂鬱になっていると、セラがいきなり声を出した。だけど、まともに相手をしたら疲れるだけだと思い、「何?」といい加減に返事をした。それが気に入らなかったのか、セラは眉間に皺を寄せてこっちを見た。「お前、何怒ってんだよ?」(誰のせいだと思ってるんだ!)あまりにも理不尽な物言いにキレそうになった。しかし、ここでキレても言い負かされるだけだろうと考えて、「別に。」とだけ言った。「まぁ
沢森奈々 さん作 [266] -
君に送る言葉?(2)〜side A〜
…何が起こっているんだろう。いつもと違う様子の先生が心配で、私はあの部屋へ行った。先生が来るのを待つために。先生の匂いがする。微かなタバコの匂いとせっけんの香り。私は今、先生の腕の中にいる。「先…生…?」抱き締めてくる腕の力は強くて、温かかった。先生が小さく震えてる気がして、もう一度呼んでみる。「先生。」すると、先生は、はっとしたように腕の力を抜いた。「…すまない。」と私の方を見ずに言った。どう
深山暁 さん作 [213] -
君に送る言葉?
「先…生…?」浅岡が僕の腕の中で、少し苦しそうに身じろいたが、僕は力をゆるめなかった。もう少しだけでいい。このままでいたい。「先生。」浅岡が僕を呼んだ。先程までの戸惑いは、声からは感じられなくなっていた。現実に引き戻される。「…すまない。」僕は顔を背けながら、浅岡をゆっくり解放した。浅岡の目は見れなかった。 「拒絶」ただそれだけが怖かった。
深山暁 さん作 [172] -
君に送る言葉?
授業をしている間中ずっと、僕は隆の事を考えていた。そのせいで、ちょっとしたミスを繰り返し、生徒達に変な顔をされてしまった。やっと授業が終わると、生徒達に囲まれた。「直人先生、どうしたんですか?」「今日、ずっと元気無かったですよね?」口々にそんな事を言われ、僕はただ曖昧に笑うしかなかった。「ちょっと疲れてるだけだよ。ごめんな、心配かけて。」それだけ言って、心配そうに僕を見つめる生徒達の目から逃げる
深山暁 さん作 [282] -
君に送る言葉?
自分の気持ちを自覚してから、一週間が経った。特になんの進展もなく、浅岡との距離も相変わらず教師と生徒のまま。でも、僕はこのままでもかまわない。そう思っていた。告白なんて、出来ない。この気持ちを伝えたら、浅岡はきっと困るだろう。ずるい言い方かもしれないけど、困らせるだけの告白なんてしたくない。それが、僕の正直な気持ちだった。…なのに。―朝。いつもと同じように、仕事へ行く準備をする。そろそろ出ようと
深山暁 さん作 [260] -
召喚天使?
「いってきます。」そう言って、ドアを閉めた瞬間、僕はセラを問い詰めた。「どういうことだよ!」「ホントにうるせぇな。お前。」…またしても答えになってない。思いっきり睨みながら言ったのにセラは、まったく動じて無いみたいだった。「母さんに何した!?」僕が掴みかかると、「そう興奮すんなっつうの。うぜぇな。ちょっと記憶いじっただけじゃねぇか。」飄々とそんな事を言った。「記憶は操作出来ないんじゃなかったのか
沢森奈々 さん作 [333]