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戒音 さんの投稿された作品が6件見つかりました。
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麗しの茨姫(NOAH)1
僕は知らなかったんだ。次世代仮想空間擬似装置、通称(NOAH)の実験体が彼女だったなんて。慌ただしく駆け寄る研究員達が、緊急停止ボタンを押す。だか、カプセルの中で眠った彼女は、目を覚まさなかった。二年後。「こちらがNOAHシュミレーターになります」テスターとは違い、初期版のカプセルより断然快適になった。配線も見当たらないし、アトラクションの乗り物に乗っているようだ。外見は丸みを帯びているが、中は
戒音 さん作 [245] -
Boyz Love ? 貴方の音
金色の獅子は、ゆっくりと歩み寄って来た。穏やかな風に乗って金の縦髪を揺らす姿は、神々しい。「君がディアス」近寄った金獅子の縦髪を撫でると、金獅子は気持ち良さそうに目を細めた。「目を覚ましたようだな燕妃」「燕妃?」自分の名前が思い出せ無かった。向こうで俺は・・。「お前の名は燕妃。変わることは無い。その魂に刻まれている記憶だ」「燕妃」不思議と馴染む名前だった。「身体は馴染んだか?」「多分」そう言って
戒音 さん作 [311] -
Boyz Love 桜色の記憶 ?
俺は普通とは掛け離れていた。女みたいな顔のせいで、おちおち遊んでもいれないし、告白した子からは、女顔のせいでフラれるし、両親は考古学者で、帰って来るのは数年に一度。今日は一人だけの誕生日なんて慣れている。でも、自分でお祝いする気分でもないし。「寒いなぁ」今年は雪が多い。見上げた空からは羽毛のように、静かに雪が舞い降りて綺麗だった。そして前を見た瞬間、俺は一体どんな顔をしたのだろう。唇が触れ合う寸
戒音 さん作 [252] -
金獅子の咆哮 1
男は鎖で拘束されていた。まばゆいばかり金髪に紅い瞳。顔は端麗だか、身体は鍛え上げられ、まるで伝説の闘神、オルガディートそのものだった。その閉鎖空間の中で、彼は咆哮を上げた。その咆哮で時限が歪むと、彼は歪みの中にその身を投じた。巫女の菖蒲(あやめ)は、境内の掃除をやめて空を見上げた。黒雲が渦を巻き、不吉な風が吹き込んでくる。「来るッ!」菖蒲は空から落下してくる金色の何かが、境内の敷地内に落ちるなり
戒音 さん作 [320] -
ボーイズ☆ラブ 3
それは偶然だった。たまたま借りた本を返しに、図書室に踏み込むなり、我が目を疑う。そこには花音が、女子とキスをしていた。力が抜けて、本が床に落ちる。気配に気付いた花音が、慌てて近づいてくる。「これは違うんだ」「弁明なんていらない」「時雨ッ!」わかっていたはずだった。所詮男の恋人なんて、遊びのようなもの。真実の愛なんてどこにもないのだ。時雨は図書室を飛び出すなり、涙が溢れ出した。悔しかった。信じたか
戒音 さん作 [334] -
DEEP☆RED 3
美しい歌声が聞こえ、フィーリア国王カノン=ヘファスは馬の歩みを止めた。甘い香りが、風に運ばれて、カノンの胸は苦しくなる。かつて愛した彼女に、よく似た香りだったのだから。遠征帰りで、まだ甲冑を纏っていたカノンは、おもむろに甲冑を外し始める。慌てたのは周囲の近衛兵達だ。いくら領土内だからと言って、バレンツィエ城に着くまで油断は出来ないのだ。甲冑を外し終えたカノンが馬から降りる。近衛達は警戒しながらも
戒音 さん作 [253]
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