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速水さん さんの投稿された作品が16件見つかりました。
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サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その6私。華ちゃん。長谷部先輩。シダレた夜桜。いい具合にお酒が入り、私による柳瀬君、華ちゃんによる宮崎君、それぞれの暴露トークが終わってから少しして、長谷部先輩が何かを探すように、鞄の中をガサゴソしだした。「よっぱらった勢いで僕の自慢の作品見せようか。」そう言って取り出したのは真っ赤なアルバムだった。「何これ?中見ていいんですか?」「どうぞ。」華ちゃんと顔を突き合わせるよ
速水さん さん作 [88] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その5「えーでは、新入生は無理して飲み過ぎないように、2回生以上は酔ってからまないように、みんな楽しんでください!かんぱーい!!」代表の土屋先輩の挨拶で、写真同好会のお花見大会が始まった。先輩達が授業をサボって場所とりをした甲斐あって、公園の目玉、シダレ桜がよく見える。「ぷはぁー。しっかし、咲が、ほんまに好きやったとは。半分ネタやったのに。」移動している間に、とうとう黙っ
速水さん さん作 [75] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その4「咲ちゃん!」振り向くとそこに立っていたのは、相変わらずニコニコの航太君と……柳瀬翔平!!つい目をそらしてしまう。「やっほぅ。何やってんの?カメラ?」「うん。写真同好会やねんうちら。」「へぇーもうサークル決めたんだ。かっこいいね。」「そやろ?ほらみて。さっき撮ったやつ。きれいやろ?」「おぉ。すげえ!」「へへへ。航太君達は?サークル決めた?」「うん。俺らは野球。」「ふ
速水さん さん作 [80] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その3荻野輝。中学から野球部だからいつも黒く日焼けしていた。笑うとその分歯が白く見えて、ひかえめなえくぼがうっすら。中肉中背だけどやっぱり腕はカチコチで、野球部員がみんなそうだったように、足が速く、運動ができた。勉強は中の下で正義感が強くて明るくて、みんなの人気者。そんなテルに好きだと言われたのは、高校2年の秋だった。「好きやねん。俺と付き合って下さい。」試合開始の前に一
速水さん さん作 [320] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その2「高嶺の花ぁ?何言ってんの!柳瀬君確かにかっこいいけど、咲すっごいかわいいやんか!自信もち。」はぁ、どうも。と思う。今までもよくそんな風にほめてもらった。結構モテてもいた。自分の顔が嫌で嫌で仕方がない、といったコンプレックスがないのは確かだったけれど、自分の顔は好きではなかった。私はもっと、キレイであるとか、美人であるとか、そういう類いに憧れていたからだ。「ありがと
速水さん さん作 [219] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その1《カシャ》「おぉ〜。」シャッターを押す指先の感触。まだ慣れない。「咲〜。これみて!むっちゃきれない?!」といって見せてきたのは華ちゃんが先ほど撮ったサクラだった。「ほんまや、キレイ!満開やな〜。」「今日がお花見の日でよかったぁ!先輩達、授業サボって場所とりに行ってはんねんてぇ。」4月11日。今日は写真同好会の新入生歓迎飲み会のお花見が、有名なサクラの名所の公園で行わ
速水さん さん作 [148] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キミと出会えたこと〜その10「ねぇこの後、2次会いかない?アルコール入れて。」どこかから始まったその誘いの言葉は、たくさんの小さな輪を通って私の耳にも届いた。「咲、どうする?あたし、行こうと思うねん。咲もいこうやぁ。」華ちゃんはそう言ったけど、私は何となく、帰りたかった。慣れないヒールで足もいたかったし、柳瀬翔平に近付く勇気もない。勇気もないから、堂々と近付く冬木塔子ちゃん達がうらやましかっ
速水さん さん作 [143] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キミと出会えたこと〜その9柳瀬翔平がふとこちらを見た。「航太。」え?「うん?」「悪い、たばこちょうだい。」え?あぁ、たばこ吸うんや。あれ?「あぁ、俺ら、一浪だから。」ってことはもう二十歳。「ま、ほんとは結構前から吸ってるんだけどね。」ニコニコ亘君がニコニコしながら柳瀬翔平にたばこを渡す。せぶん…スター。吸わない私でも知ってる。確かに、初心者のたばこじゃないな。受け取った柳瀬翔平は建物の外に出
速水さん さん作 [110] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キミと出会えたこと〜その8「早川さんは大阪人だ?」「そうそう。生まれも育ちも。」歓迎会は時間とともに緊張感がとけ、始めは小さかったそれぞれの輪も、また別の小さい輪と合体したり、さらに小さな輪に細分化されたりして、それぞれが楽しい時間を過ごしていた。私はというと、「ねぇ話しかけにいってみようよ!」というマドンナの提案にのっかった華ちゃんや皆につられて(もちろん私も乗り気やった!)、柳瀬翔平や竹
速水さん さん作 [129] -
サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キミと出会えたこと〜その7〔カンパーイ!!〕6時になり、カーネル教授の簡単な挨拶の後、歓迎会が始まった。私はすかさず柳瀬翔平を探し(参加してた)、目の端にとどめていた。チャンスがあれば話しかけてみるつもりは……もちろん満々だった。「なーんや、てっきり長谷部先輩の事気に入ったんかと思ったわ。」「華ちゃんまだゆーてんの。写真がいいなーって思っただけやって、純粋に。実際撮らせてもらって。」納得顔の
速水さん さん作 [329]
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