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横山三太郎 さんの投稿された作品が6件見つかりました。

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  • 小判 第6話

     旦那は女中を呼んで何やら包みを二つ持ってこさせて巳之吉(みのきち)と為吉(ためきち)にわたした。 「賞与には少し早いがお前達には特別だ。無駄遣いをしないようにな」 「へい、ありがとうございます」 巳之吉と為吉は二人口をそろえて旦那に深々とお辞儀をして礼を言うと懐に包みをしまってお燗を持ち出した。 巳之吉は為吉を屋敷に置いてお桔(おきち)と酔いざましがてらに少し静かな表通りを歩いていた。 「巳之
    横山三太郎 さん作 [85]
  • 小判 第5話

     次の日の夕方、巳之吉 (みのきち)と為吉(ためきち)はお桔(おきち)達の食卓に呼ばれていた。そこには昨日養生所に運んだお梗(おきょう)もいる。 「さあさ、二人共昨日はよく助けてくれたね、まずは一杯やっとくれ」 「へい、ありがとうございます。しかし旦那これは一体どういう訳で…」 巳之吉は旦那の酌をうけながらなにやら狐につままれたような気分だった。それにお桔とお梗をみていると生地の色が紅白それぞれ
    横山三太郎 さん作 [71]
  • 小判 第4話

     巳之吉(みのきち)とお桔(おきち)の間に何故か見つめあったままの沈黙が続いた。 「しかしどういう訳だか年頃の娘があんな派手な桔梗の模様なんか着て一人旅なんかするか…」 「えっ、桔梗…」 「あぁ、そうだったな、タメ」 沈黙に耐えられず巳之吉が話しはじめたことを聞いてお桔はたまらず養生所の奥へ駆け込んだ。巳之吉と為吉(ためきち)もそれに続いて奥へ向かった。 「お梗(おきょう)、あなたお梗でしょう」
    横山三太郎 さん作 [69]
  • 小判 第3話

     巳之吉(みのきち)は懐からなけなしの一両を出して 「まぁこれでよ、何か精のつく薬でも飲ましてやってくれよ」 そう言って巳之吉は看護師の女に一両をわたして為吉(ためきち)をつれて仕事に戻ろうとした。 「兄貴、えらい景気がいいすね。しかしいくらなんでもこんなに迄するスジはなかったんじゃねえですかい?」 「うるせえよ。まぁよく言うじゃねえか、江戸っ子は宵越しの銭は持たねえ、てよ」 そう言って見栄をき
    横山三太郎 さん作 [76]
  • 小判 第2話

     巳之吉(みのきち)は朝早くからの木更津への味噌運びの帰りに、人が倒れているのを見つけた。ゆっくり近づいてみたらどうやら若い娘のようだった。 「おい、大丈夫か?娘さん、娘さん」 「うっ、う〜ん」 巳之吉が体をゆすりながら声をかけてみたら反応があった。 「良かった。生きてる。よし、ここからなら江戸までそうかからねえ。おい為吉(ためきち)、養生所へ運ぶぞ、手伝ってくれ」 「へい」 そう言ってなぜか為
    横山三太郎 さん作 [77]
  • 小判

     年末を七日後に控えた12月24日の風が吹き荒ぶ夜のこと巳之吉(みのきち)という若者が江戸の長屋で暖もとれずに震えていた。借金まみれで火鉢の墨も買えずその上お桔(おきち)という娘ともどういう訳か気まずくなりだしてるものだからますます師走の寒さがこたえてくる。 「こんな日は早く寝るに限るか。明日ははええし、今夜はうどんで腹いっぱいになったしな」 そう言って戸につっかえ棒を立てて寝床に向かってくと急
    横山三太郎 さん作 [86]
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