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金田七耕助 さんの投稿された作品が35件見つかりました。

 
  • 黒竜

     東京の真ん中から西に走る中央線だが、夜中になり三鷹を越え郊外に出ると、窓の外の風景も淋しくなり、闇の中に点々と街の光が見え、まるでこの世ではないような、切なささえ覚える。 そんなことを考えながら、ぼんやりと窓のすぐ下の線路を見ると、黒い影が電車と平行して地面すれすれを走っている。 よく見ると、巨大なナマズのようだが、ウロコからして竜だ。黒い竜だ。 ガタンガタンと揺れるたびに、乗客が窓から竜の手
    金田七耕助 さん作 [716]
  • 怪談

     奥多摩から北に向かった、埼玉の山中に古いトンネルがある。 ここには、お化けが出るという噂がある。 せっかく近くまで来たので、トンネルの入り口横で一人、車中で暗くなるまで待った。 暗くなってから二時間たったが、何も起こらない。 あきらめて帰ろうとしたその時、後ろの窓がノックされた。 人の姿が無い。 気味が悪いので、車を出そうとしたら、もう一度ノックされた。 思い切って車から出てみたら、二歳位の女
    金田七耕助 さん作 [1,309]
  • 怪奇

     ある年の春休み、香港に旅行に行った。私は一人だが、ツアーに組み込まれた。 自由な時間に、三人のツアー仲間とブランド品販売の店に入った。極端に安いことからして、偽ブランドを堂々と売っているようだ。 仲間の中の一人、22才の女性がワンピースを試着してみると言って、狭い試着室に入りカーテンを閉めた。 残された三人は、バッグなどを見ながら待った。しかし、10分待っても20分待っても出てこない。声をかけ
    金田七耕助 さん作 [994]
  •  人類は、いつから猫を飼い始めたのか。遺跡によると、少なくとも9500年前にキプロスで飼われていた形跡があるらしいのだ。 さらに、日本には奈良時代に、経典をネズミから守るために中国から連れてこられ、次第に日本中に広まったという。今では、チャンスがないので、ネズミを取る猫は少ないかもしれないが。 面白いのは、ネコという名前の語源についての諸説で、よく寝る子で寝子、ネズミを好むどネコ、鼠子待ちするの
    金田七耕助 さん作 [597]
  • 青虫

     バスに乗ってイヤホンで音楽を聴いていたら、首の左側が強くチクチクするので、手を当てたら柔らかい物がとれて手のひらに乗った。 見たら緑色の芋虫だった。緑の惑星という小説で、緑色の宇宙人が人間に根を射し込んで仮死状態にするという話を書いたばかりだったので、それが現実化したような錯覚に捕われて、鳥肌が立った。 冷静に考えてみたら、公園の脇の木立の中を通ったときに体に付いたのか。食べるものがないので、
    金田七耕助 さん作 [540]
  • 鏡の国

     散髪屋の椅子に座っていると、後ろの柱時計が鏡に映って見えた。 左右が逆になっているので、何時何分か分かりにくい。 仕方なく、腕時計を見る。 ふと思ったのは、左右対称に見えて、上下対称に見えないのは何故か? ある哲学者が、この問題に長年悩んだという話を思い出した。 考えてみたら、この顔も左右逆に映っているはずで、人から見たら向かって右に左目が見えるはずだ。 それに、顔の上下も鏡の中で逆に映ること
    金田七耕助 さん作 [565]
  • ネズミと猫

     体が小さく弱いネズミは、逃げ場の無い平原では、鳥に狙われたら絶望的だ。 まさに今はその瞬間で、ネズミは上空から大きな鳥の影が迫りつつあるのを知った。距離を縮めながら旋回している。 ネズミは、今朝から余りに気候が心地よかったので油断して巣を離れ過ぎたのだ。巣まで逃げ帰るのは不可能だ。 しかし、それでも全力疾走で仲間のいる巣まで走ろう。どうせ駄目と決め込みじっとして鳥の餌食になるのもシャクだ。その
    金田七耕助 さん作 [567]
  • 生命力

     初夏に六株植えた朝顔の内、五株が枯れた。 葉が白くスカスカになる、うどん粉病が原因だ。 これは、病原菌の胞子の粉が風で飛んできて、弱い草木の葉に付着して枯らす病気だ。 一株だけ枯れなかった朝顔は他とは違い、種が出来ない代わりに、地面と触れた茎やツルから根が出てそこの上に新芽が生えて増える、多年草だ。 冬も枯れないで、夏になると次々と新芽を出すので、永遠に生きることになる。 この朝顔は宿根朝顔と
    金田七耕助 さん作 [530]
  • 緑の惑星.11

     地球を円盤で脱出してから約一時間経って、偽アイザックが口を開いた。「後二時間もあれば、緑の惑星に到着する。以前にロケットを着陸させた場所に降りる。俺たち二人だけで、本物のアイザックとリチャードが居る建物内に入って、入れ替わる。それまでの間は家族を円盤内で待たせておいてくれ。」 私は無言でうなづいた。家族達は室内で寝ている。私は椅子に座ったまま居眠りをした。先のことも後のことも悩む気力はない。 
    金田七耕助 さん作 [613]
  • 血液型

    最初に狩猟民のO型の人たちがいて、次に農耕民族のA型人間が現れ、更に遊牧民のB型人間が現れ、その後AとBが混ざってAB型が出来た、という説を聞いたときに、なるほどと思った。 血液型で人を分けられないと力説する人もいるが、何故か、それはA型の人に多く、A型ですか?と聞いて当たっていたことがほとんどだ。 そんな時に、ほら血液型で人を分けられるでしょと言っても、A型が一番多いから当る確立が高いだけ
    金田七耕助 さん作 [591]
 
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