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金田七耕助 さんの投稿された作品が35件見つかりました。
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うさぎとカメラ
ある邸宅に、ペットのうさぎが飼われていた。 この家の人々は写真を撮るのが好きで、時々うさぎも撮影していた。 人が居ないときに、うさぎがカメラに話し掛けた。 カメラさん、人間の話聞いてたら、新しいデジカメとか買うから、もうカメラさんは要らないんだって。 カメラが答えた。いいんだよ。僕は捨てられたり壊されても、撮った写真はいつまでも残されて、喜んでもらえるから。うさぎさんの姿も残るからね。 これを
明智 城太郎 さん作 [522] -
友情
ある時、突然円盤が飛来した。 全世界が大騒ぎになり、全マスコミが殺到した。 何ヵ月か経つと、だんだん慣れてきて、円盤内を訪問する人が出てきた。 初めの何人かは帰ってきたが、後の人は、どんどん入っていくばかりで、誰一人帰らなかった。 中の生活が素晴らしいから、帰らないのだと、最初の訪問者達が証言した。 不思議なことに、一年後円盤は最初の二倍位の大きさになっていた。 そして、突然飛び立つと宣言した。
金田七耕助 さん作 [672] -
愛犬カロ
カロは家で飼っている大型犬だ。 毎朝、俺を起こしに来てくれる。今も、なかなか起きない俺の顔をペロペロなめている。 でも、眠いからもう一眠りしよう‥ ‥しまった!もう、九時だ!早く着替えよう。!!俺の手が犬?!てか、全身犬だ!犬になったのか!てことは、カロが俺の中か!まだ俺の体はぐっすり寝てる。 そうだ、今俺は犬だから殺人罪は適用しない。今の内に、憎々しい担任の石田を噛み殺してしまおう。奴は何か
明智 大河 さん作 [704] -
夏休み
小学校に上がって初めての夏休み。昼前に祖父の家に向かった。 空は飽く迄青く、澄んだ川は山地を縫って流れ、人の姿は稀だ。 しばらく歩くと、木漏れ日の揺らぐ、森にさしかかる。 そこで、奇妙な物音を聞いた。水の音と人の声が混じっていたので、川に降りてみた。 深さ三十センチしかない浅瀬に誰か倒れてもがいている。 よく見ると、小綺麗なスーツを着た細身の老人で、ボタンがキラキラ輝いていた。 誰もいないので
明智 大河 さん作 [612] -
故郷
この半年間、パート契約で働いてきたパン工場とも、今日でお別れだ。 同じ境遇の五人のの中間達とも、お別れだ。 仕事が終わり、六人で打ち上げをすることになり、居酒屋に行った。まずまず盛り上がったし、宴も終わりにさしかかり、連絡先の交換をすることなった。 六人の中で、最もおとなしく仕事も真面目な星山が、不思議な冗談を、真面目な顔をして言った。 ごめんね、みんな。俺は地球人じゃないから、連絡先が無いん
金田七耕助 さん作 [811]