トップページ >> 桃子 さんの一覧
桃子 さんの投稿された作品が20件見つかりました。
- 1
- 2
-
彼はエイリアン Final
別れの時は 静かに近づいている。隣りで眠っている 竜二の顔を、そっと覗いてみた。どういう事だろう?竜二は 微笑んでいる、というより【満面の笑み】私は 思わず ぷっと吹き出しそうになった。それは 子供の頃に見た 喜劇映画の「花嫁はエイリアン」の 1シーンにそっくりだったから。その後、急に涙があふれた。あまりにも 竜二が愛おしくて・・・・竜二と私は、前世で、何かあったにせよ、今の2人には 笑顔しか似
東山桃子 さん作 [559] -
彼はエイリアン9話
明け方降り出した雨の事を 知っているのは、ホテルの窓から 見つめていたから。その線を踏み越えてはいけないと、感情を抑えていた2人。どんなふうに ホテルに入ったのかも、思い出せない。2人に 言葉はもういらなかった。メガネを外した 竜二の瞳が輝いて、ただ眩しかった。洋服ごしに見ていた時より 彼の肉体は 筋肉質で しまっていた。長いキスのあと 私は彼の背中に 手を回した。その瞬間、私はハッとした。不思
東山桃子 さん作 [610] -
彼はエイリアン8話
3月8日約束通り 竜二はやってきた。私の中の 霊感少女がつぶやいた。竜二と2人っきりは、これが最後かもしれない、と。ボウリング大会を終えて、竜二は『サア 送るぞ!』でも 今日は帰りたくない。それが 私の本音。「ねえ 竜二。これから デートスポット探索ドライブ、なんて どうよ!」『バーカ!何訳わかんねー事 言ってるかな。俺さ、明日 朝6時出勤。わかる? 6時だぞー。』そんな話はおかまいなしに、子供
東山桃子 さん作 [405] -
彼はエイリアン7話
2月26日チャンスは突然やってきた。10日後、夫は3日間の東京出張だと言う。心の中で 悪魔が囁いた。「今しかない!」偶然、その日は ボウリング大会の日。私の決断は早かった。3月1日の練習会の後、私は竜二を呼び止めた。「ねえ竜二! お願いがあるんだけど。」『イヤだ!』「もう 何よそれ。まじめにお願いしてるのに・・・」『何だよ。』「来週の大会 出るでしょう。うちの直さん出張で 来られないんだ。悪いけ
東山桃子 さん作 [384] -
彼はエイリアン6話
月に2回の練習会。その日も いつものようにカラオケへ。アツシ君がケツメイシの【さくら】を歌って みんなで盛り上がった。竜二と私は 隅の方に並んで座った。『今日 ダンナさん仕事か? 優しそうな人だよな。自分ばっか遊んでていいのか?』「古いこと言うのねぇ。男は遊んでて良くて 主婦はダメなの?」『そんな事じゃなくて、もし もしも 俺がオタクのダンナなら、一人で出かけてほしくないっつうか・・・おまえ危な
東山桃子 さん作 [371] -
彼はエイリアン5話
竜二と出会ってからこの半年。私は一人でボウリングに行く事が増えた。私のまわりには 竜二をはじめ 楽しい仲間達。25才のアツシ君。もっか ボウリングが恋人。マメで気の利く 可愛い弟分。22才のまさみちゃんボウリングにハマりボウリング場でアルバイトを始めた ちょっと気の強い女の子。41才の吉田のオヤッサン。国体選手を本気で夢見てる。年より老けて見えるからオヤッサンというニックネームになったそう。私達
東山桃子 さん作 [311] -
彼はエイリアン 4話
幕は上がった。「トロイカ杯ボウリング大会」(トロイカとは、ここ函館のグルメに密かに有名なケーキ屋さん)それもあって 出てみる気になったのかもしれない。大会の前に 説明は受けていたので、テレビモニターにある自分の名前を探した。「あった!23番レーンだ。」とりあえず 頑張ってみるか と独り言。夫とは別々のレーンだったので 初対面のおじさんが二人 レーンに入っていた。「こんばんは!杉村です。初めてなの
東山桃子 さん作 [323] -
彼はエイリアン・3
あの喧嘩らしい喧嘩をしてからと言うもの 私は心から笑えない日が続いた。夫も そんな空気を察したのか、一週間ほどしたある日「綾乃、ストレス発散にボウリングにでもいってみないか?」と 唐突に誘った。(えっ? 今どきボウリング?)と 内心思ったものの、そういえば子供の頃には 面白がって 遊んだこともあったなぁと思いだした。「そうだね。ストライクでも出して スキッとしようか!」と 二人はボウリング場に向
東山桃子 さん作 [299] -
彼はエイリアン2話
その頃 夫と私の間には、今までにないギクシャクした 嫌な空気が漂っていた。「どうして 隠していたの? ひどい!子供の相談とかいって 私に内緒で由起子さんに会っていたなんて 信じらんない!」(由起子とは 夫の元妻のこと)「悪かったよ。でも会いたくて会ったわけじゃないし 綾乃に嫌な思いをさせたくないと思って・・思いやりのつもりだったんだよ。」「あとで知る方が どれほどイヤな気分か、あなたにはわからな
東山桃子 さん作 [370] -
彼はエイリアン
どれくらい眠っていただろう?明け方の雨が 今はウソのように止み、部屋のカーテンを開け放した頃には お昼を少し過ぎていた。 ああ 何だか 不思議な気分。 昨日 私は確かにシンデレラだった。 そして今は、馬車がカボチャに戻されたみたいに 魂の抜け殻になっている。私は杉村綾乃。32才。会社員。結婚10年で 子供はない。夫は昨日から 3日間の出張で 今日
東山桃子 さん作 [592]
- 1
- 2