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しを さんの投稿された作品が11件見つかりました。
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泥水
寒い 今日もまた実の無い会話で一晩眠い 今はもう温いコーヒーだけあるこの日が十年前だったら僕達笑っていたのに狡賢さが無いために僕達ひとりぼっち毎晩見る夢で君は白い息を吐く酒が足りないのだろうか急に走り出した二本足でしっかりと同情と嫉妬といくらかの安心を持って拙い現実に酔いが覚めそのまま感情をぬるま湯で薄めるこの夢が現実だったらも少し目を開けたのに僕が選んだ生活はいつか僕を殺すだろう暑い この部屋
しを さん作 [124] -
シルエット
砂になる道の上肺の中で息は燃えて腫れる想いと一緒に夕闇に溶けていく繰り返す季節を裏切り僕は移り変わる満員の箱の中片隅では僕も生きて乾く今日を抱えて終点に辿り着く呼び掛ける名残を背後に僕は走りだす朝がいつも風を切って日曜をひとりぼっちにするから夜はずっと空を愛しんで日曜を待ちわびている過ぎ去る写真の中まだあなたが住んでいても愛情にうずくまり燈を吹き消して憧憬を枯らしたりしない僕は目を閉じない僕がい
しを さん作 [120] -
爆撃ミサイル
ガッガーンとめざめてキシャーとおきるひざをビャビッとのばしあくびをボカンはをダイナマイトでみがきうがいをズゴボォバタフライせんがんのあとかがみにうつるのはイチニンマエのオトコマエ
しを さん作 [113] -
春の物売り
端金にもならぬ僕をどんな目で見ていらっしゃる? 虫さえ喰わぬ僕を どうか抱いてくださる?お遊びで掴んだ紐の行方を見届ける覚悟、お持ちになって下さい。哀れみでもいいのです、虚無の白々しさを、ご存じならば。ここにいる筈の僕の強かさを感じる舌、また何か告げて下さい。言葉を欲してはいません、そこに浮かぶ波が、 必要なのです。欲情に買われる僕の薄く萎えきった心、二度と触れないで
しを さん作 [148] -
返却督促状
誰かに叱られた時 雨上がりの空を見た時 あの子に告白した時 けたたましく鳴っていた 僕の心臓は何処だろう いくら探してもいません いくら呼んでも戻りません何度叱られても 何度雨が止んでも 何度あの子を抱いても 僕の心臓は 返事すらしないのです このまま帰ってこなければ僕は死ぬのかな それとももう 死んでいるのか
しを さん作 [129] -
太陽の冷笑と北風の無心
恋人よ 朝が来た最後を告げる日が昇るこのまま誰も傷つけず下らない話だけしていたいけれど僕らは外に出なくちゃならない嘘しか吐けない口を持ってピエロみたいな顔をつけて僕らは一歩前に進むこないだ観た映画のような荒野の風は吹いちゃいない恋人よ 忘れないで たとえ許されなくてもたとえ殺されても誰にも夜はやってくるその時はもう一度あと一度だけでいい体をくっつけて心もくっつけて二人で 眠ろう
しを さん作 [121] -
目、暗まし。
しなびた笑い声が僕の胸を通過するインクの擦れた数字の上で高慢と怠惰を喰いながらそうやって温い泥に浸かるのは楽しいんだろうそうやって小綺麗なハッパを吸うのは楽しいんだろう最初から本音なんて抱えていないんだから最初から喜びなんて消えているんだから
しを さん作 [124] -
一人の隠れんぼ
そこから僕が見えますかここから貴方は見えません泣き叫ぶ暗闇の中にいたまあるいロウソクの灯し火それが消えたようなのです有るのでなく無いのだから探しても見つかる筈など。もう、何にもありませんだから、寒いのですここにいたのが確かなのか僕は確かに生きているのか貴方だけが知っている気がするのですそれでもここだけは、この寒い夜だけは、忘れてはならないと。そこから僕が見えますかここから貴方は見えません僕の目ん
しを さん作 [120] -
君は全てだ
君は全てだ 君は世界そのものだ流されるだけの水も生かされるだけの人も君が許せば燃え上がる燃えて風に消えていく君のために投げ出される命なら星の数より多いだろ一人殺した犯人も百人殺した英雄も君が飽きれば死んでゆく瞬間の娯楽なんだ君の物差しで計れないならみんな捨てていくんだろ君は全てだ 君は世界そのものだ僕から見たらガラクタだけど
しを さん作 [125] -
超人
どうかどうか傍に居て 空を飛べないスーパーマンダラダラ歩くスーパーマン真黒に貼りつく氷道 鼻歌まじりのスキップで 湯水に変えるスーパーマン誰のためでもなく笑い 誰のためでもなく泣き 人のために人を愛する どうかどうか傍に居て 炬燵が好きなスーパーマン野菜の嫌いなスーパーマン固くて冷たい拳銃を 昨日磨いた白い歯で 真っ二つに噛み砕く 上品なお金を知らず 上品な悪口を知
しを さん作 [122]
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