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キャロルの秘密 さんの投稿された作品が146件見つかりました。

 
  • キャロルの秘密 25

    「さあ、やるぞ」古賀はもう、仕事の顔に戻っていた。 「もっと、忙しくなるぞ」きっぱりと言った。 それは、誰が予想しなくとも目に見えていた。 「今日で、アルバムの曲もラストだ。シングルは序章にすぎないからな」 野沢も古賀の元、よくこの三ヶ月間、着いてきた。 アルバムのレコーディングは、今日を持って最終日だ。 後はトラックダウンなどの作業である。この作業にも古賀のこだわりは凄いものがある。 それ
    キャロルの秘密 さん作 [921]
  • 明日の僕はスーパーヒーロー 1

    チャイムの音と共に、いっせいに、校内がざわめき出した。 女子は女子、男子は男子で、それぞれ、いくつかのグループを作る。 話しの内容は、昨日のテレビドラマの話題や今流行りのファッションなどについてとさまざまだ。 学生がするごくありきたりの会話だ。 そんなことを思っていると、僕の席に、ユカリがやって来た。 「ねえ、リョウ君、今日の放課後空いてる?」 僕は逡巡した。 「いや、とくに。で、なんか用か
    キャロルの秘密 さん作 [817]
  • キャロルの秘密 24

    古賀はお昼過ぎに目覚めた。 昨夜、回想に浸っていた自分を今更と気持ちを切り替え、リビングへと降りて行った。 「あなたコーヒー?」妻の有子が問う。 「ああ」古賀は、煙草に火を点け頷いた。 「あなたが、いま手掛けている娘、さっきテレビに出てたわよ」 「ああ、彼女は本当にいいものを持っていてね。この仕事を引き受けて正解だったよ」 有子と古賀が言っているのは、いまアルバム製作中の野沢祥子のことである。
    キャロルの秘密 さん作 [700]
  • 携帯小説家 7

    人は、便利さを求め、人間として不器用になってしまったのではないか。 コミュニケーション不足は、まず家庭から始まっている。 昔のように家族全員揃って、食卓を囲めとはいわないが、そんな機会も子供が大きくなるにしたがって減ってくる。 食卓を家族揃って囲むというのは、実は面白いような気がする。 実際に私は面白かった。それは今でも私の宝物である。 母が作る夕食をお腹が空いて待ちきれずに、何度も母の目を盗
    キャロルの秘密 さん作 [726]
  • 携帯小説家 6

    アナログとデジタルが電気製品にはあるが、もし、私がどちら派かといえば、完全にアナログ派になるだろう。 確かにデジタルというと、テレビやオーディオをとってみても、とても便利でクリアーなイメージがある。高画質、高音質。それに比べ、アナログというと、どこか古めかしい感じがする。しかし、私の育った時代「昭和」というのは、アナログ時代であったことは確かた。 レコードに針を落とすと、スピーカーからは、あの
    キャロルの秘密 さん作 [696]
  • RIDE ON WIND

    青い空に流れる雲を追いかけて 夢中で走り続けたよ風の中 捕われてた悲しい気持ち まるで嘘のように 明日の行方さえ知らない僕だけど 守るものはいくつかあるのさこの腕で 幼い頃に描いた夢は まだ色褪せてない Don’t Cry 涙は喜びのために Don’t Cry 胸に仕舞っておこう 終わりのない僕の世界が 今ここから始めるのさ 感じるままやればいいのさ RIDE ON WIND
    キャロルの秘密 さん作 [641]
  • 涙の絆 32

    筋肉注射によって、眠らされた純を家族全員が心配した。 「先生、これから純は、、」母が涙声で尋ねた。 「ええ、今は薬によって、眠っています。これから、家族の方々に、お話ししますが、純君は、この青年期に掛かりやすい病に掛かってしまいました」吉田先生は純の家族を見て続けた。「よく聞いて下さい。純君の病気は、これから長い時間をかけて治さなければ、再発を繰り返す可能性の高い病です。それには、まず休息が
    キャロルの秘密 さん作 [684]
  • 携帯小説家 5

    現に「本の売れない時代」とまで言われている、厳しい出版業界で、百万部を越えるベストセラー作家と呼ばれるのは、最近では、テレビなどで活躍している芸能人が目につく。本当に芸があるのかと、愚痴りたくなる自分を時代が時代だと無理に納得させる。 そんな時代の中、私は自分の意に反して仕事をしている「携帯小説家」だ。 確かに、それで生活は、成り立っている。強いていえば、少しぐらいの贅沢はできるゆとりもある
    キャロルの秘密 さん作 [744]
  • 携帯小説家 4

    文庫本の場合は、大概三ページ目が目次になる。 そこに解説者名も記されていることもある。 そこで目次も重要なポイントで、例えば、一章、一章のタイトルにも自分の心に響くフレーズ(言葉)があるかで、買うか、売り場に戻されるかという駆け引きもある。 幼心にも、そんなことを考えていた私は、今思うと早熟を越えた、何か恐ろしいものを感じる。 そんな幼かった、私のように、今でも町の本屋さんで小説を選ぶ楽しみを
    キャロルの秘密 さん作 [687]
  • 携帯小説家 3

    それからがまた大変な作業で、気になったタイトルや帯があると、それを手に取ることに始まり、わくわくしながら表紙をめくる。 そこで一ページ目のタイトルと著者名に目がいくのではなく、私の場合は表紙の裏側の著者紹介にまず目がいく。 著者が男性なのか、女性なのか、私にとってはとても重要なことで、それも買うときのポイントになる。 勿論、贔屓の作家もいた。 始めて出逢う作家は、何年に生まれ、これまでどんな作
    キャロルの秘密 さん作 [664]
 
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