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零峙さんの投稿された作品が49件見つかりました。
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明日を忘れた少女 2
――第一章――「はぁー…疲れた」 肩に掛けてた荷物を投げやりな態度で自室の床に放り投げる。そのまま敷きっぱなしの布団にダイブし、桜木冬美は大きくため息をついた。「こんな仕事、辞めてやる」 口から思わずこぼれた言葉は、桜木が去年の4月この職に就いてから何百回と繰り返している台詞だ。もちろん、言うだけで実行しないであろうことも自分で分かっている。だが言わなくてはやっていけない…それが桜木の職業―刑務官
零峙さん作 [519] -
明日を忘れた少女
――序章――君がいるから明日を見ることができた君がいたから何も怖くはなかったねぇ君のいない景色はどうしてこんなにも歪んで見えるの…?
零峙さん作 [454] -
永久に§16§
《もうすぐ駅に着くよ。》あと2駅というところで、私はサイにメールをした。《迎えに行こうか?》《別に大丈夫だよ!?》《だって寒いじゃん。》《じゃあ…お願いします。》サイの理由は寒いからになっていたけど、本当は早く私に会いたかったんじゃないかって思う。だって私は電車の中にいたし、外を歩けば身体が温まるからだ。それに日中は、騒ぐほど寒い訳ではない。「おっす。」私が助手席のドアを開けた瞬間に中から声がか
夏姫 さん作 [585] -
永久に§15§
ブーッ、ブーッ、ブーッ朝、メールの着信があった。――誰だよ、こんな休みの日の朝に。私は内心そう毒づきながらメールボックスを見た。《突然ですが。ここで問題ですが、私は誰でしょう。》見たこともないアドレス。最初は誰かがアド変をしただけだと思っていたが、それだけではないらしい。――は?誰だよ。《どなたですかー!?》自分でも間抜けだと思う文章を返信する。すると、5分後に返信が来た。《ハルさんの元友達だよ
夏姫 さん作 [555] -
心―1日日記―
頭が痛いお腹が痛いズキズキするチクチクするガンガンするキリキリするそれでも私は頑張る何故かって?それはね私の愛しい人が身体と心をボロボロにしながら毎日を生きているからだよだから私も彼を見習って一人で痛みを抱えるのそしてね彼がいつか痛みや苦しみから解放された時に私は初めて自分の身体の状態を彼に教えるのだってズルいじゃない?私にばっかり心配かけさせてたまには私も彼を焦らせたいのだから早く治ってね貴方
夏姫 さん作 [500] -
永久に§14§
そんな事を考えていた翌日の夜の事だった。サイから連絡が来た。『ケータイまだ復活しないんだよ。』苦笑いを浮かべている気がするサイ。私もつられて笑ってしまった。「それは…ドンマイだね。」ここまで来ると、呆れて何も言えない。『誕生日も仕事だしや〜。』「可哀想に。」このままではサイの誕生日にメールも送れないし、バレンタインデーもチョコを渡せなくなってしまう。私は思わず頭を抱えた。『寂しい人間なのや〜。』
夏姫 さん作 [549] -
永久に§13§
サイから連絡をもらってから、1週間が経つ。彼が今、どこで何をしているのか、私には分からない。夜勤になったのかどうかの知らせさえ、私の元には来なかった。――サイは今頃、何をしてるんだろう…。一人部屋の中で、静かに携帯を見つめる私。もうすぐ8時になる。きっと今日も電話はかかって来ないだろう。かける先が彼の実家で無ければ、私は何度でも彼の携帯にかけるのに…。――馬鹿みたい。そもそも、サイが私の事をまだ
夏姫 さん作 [534] -
逢えないオモイ
大好きな人に心から愛する人に両想いの人に逢いたくても逢えないのはどれだけ辛い事だろう友達の前上手く笑えずひきつった顔家族の前上手くしゃべれず無言になる「愛する君に」会いたい気持ちがつのるでも逢えない拷問に等しい毎日涙さえ流せないほどに君の温もりが君の声が君の全てが恋しくて恋しくてたまらないお願いだよ私を独りにしないで貴方がいなければ私は生きていけません貴方がいなければ私が生きる意味はありません
夏姫 さん作 [534] -
永久に§12§
――サイから連絡が来なくなって1週間が経とうとしていた。そして今日、私は就職の内定が来たので、なんとしてもサイに伝えたかった。だが、その事でサイの実家に電話をかけるのは気が引け、どうしようかと悩んでいたところであった。その時…。Prrrrr...携帯の着信音が鳴った。「もしもし?」私は慌てて電話に出た。ややつっかえ気味になったが、気にしてはいられなかった。『あ、登録してたんだ。』サイは私が出ると
夏姫 さん作 [493] -
大好きな旦那様へ
貴方が連絡をくれなくなってから、1週間が経とうとしていますね。ここ最近、私の身体の調子は悪化するばかりです。睡眠時間が異様に多くなり、人と一緒にいる事を苦痛に感じます。今日に至っては頭痛が酷いです。貴方からのメールが、貴方からの連絡が、貴方の温もりがなくなると、私は生きていけないみたいです。今がまさに、そうなのですから。でも、我が侭は言いません。私はたった一人、痛みに耐える道を選びます。
夏姫 さん作 [573]