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零峙さんの投稿された作品が49件見つかりました。
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いつかまた信じられる日まで?
それからの私は、ボロボロだった。 みんな一緒じゃんって決めつけた。 誰も信じられなくて、誰にもこのことは言わなかった。(私なんて、結局そんな程度の存在なんじゃん) 学校にも、部活にも出たくなくって、ギリギリまで家に閉じこもった。 この世の全てが、無意味なものに思えてきた。 私にとって優司は、それくらい大切な存在だったのだ。(私、これからどうすればいいの…) 太陽のない世界に取り残された私は、
夏姫 さん作 [437] -
現実と理想
もしもこの世に愛があるならどうして私は一人なんだろうどうして一人で泣いているのだろうもしもこの世に憎しみがあるのならどうして私に友があるのだろうどうして人々は一緒にいるのだろうもしもこの世に別れがあるのならどうして私は彼に会っただろうどうして多くの出逢いがあるのだろうもしもこの世に奇跡があるのならどうして私は努力するのだろうどうして人は生まれ死んでいくのだろうもしもこの世に思い出があるのならどう
夏姫 さん作 [425] -
裏切り〈3〉
「…リ。…百合!」 楓の声に、百合はハッとなった。「…ん?何?」「『何?』じゃないでしょ!呼んでも全然返事しないし。一体どうしたの?」 楓の怒ったような、心配してるような態度に、百合は笑いながら言った。「別に何でもないの。ごめんね、心配かけて」 そんなこといいのと、楓は手を振った。「さっきの男の子のこと?」「…うん」百合は曖昧に頷いた。(あのコ、紫苑にそっくりだった。でも…、紫苑は私のこと見ても
夏姫 さん作 [654] -
世界の果て―3―\n
「こんにちは」「…何。誰、アンタ」隼人は自分の背後にいるミニスカの女に、内心の動揺を悟られないようにしながら尋ねた。「…覚えていないの?」「だ・か・らっ!お前のことなんかしらねーって!!」 隼人の怒った表情に女はますます困惑した。「何で…?」 今にも泣きそうな顔に、隼人は面倒な気持ちになった。「じゃあ、テメーは一体どうやって俺のこと知ったんだよ」「…今日会ったじゃない」「はぁ!?」 女のキッパリ
夏姫 さん作 [529] -
永遠の物語【3】
木々が鬱蒼と生い茂っており、昼間でも薄暗く感じる。 この村に来たばかりの人間なら、迂闊に入ろうとはしないだろう。 しかし、姿を現すのは大樹と猪、熊や昆虫ぐらいなもので、至って危険はない。 つまり、外見と中身は一致しないのだ。 それどころか、美しい鳥や澄んだ小川など、行く時々に人々の目を楽しませ、うっかり迷いこんだ旅人に安らぎを与える。「やっぱここは何回来ても落ち着くよな〜」 クリスはうーんと背
夏姫 さん作 [399] -
季節は流れる
風がざわめく 木々がそよぐ あなたと出会って 別れていった季節 夢のような時 刹那に過ぎる あなたがいたから 楽しかった思い出 巡り巡って また同じ場所にいる 違うのは一人だということ そして また次を迎える こんなにも寂しいものだと こんなにも苦しいものだと あの頃の自分は知らなくて それが僕を余計に苦しめる だから また明日から 一生懸命生きるために 頑張っていきませんか
夏姫 さん作 [392] -
いつかまた信じられる日まで?
玲のことがあってから、一週間たった。だが、相変わらず優司の声を聞くことはできなかった。(何で…?もう火曜日だよ。一週間過ぎたよ。…まだかけてきてくれないの?) そうしている間にも時間だけが過ぎていく。 待っているのは、百合の性に合わなかった。〈優司今日もかけてきてくれないの?〉 思い切って優司の友達にメールしてみた。《返事こないから分かんない》この返信に、百合は驚いた。(優司に何かあったのかな…
夏姫 さん作 [427] -
愛されたいのにトドカナイ(3)
何がしたいのって聞かれても、良く分からない。 怒ってるのって聞かれれば、そんなわけでもない。自分の中では、それはもう思い出の中の一部だから。 そうやって考えてみると、彼と私をつなぎ止めていたものは、一体何だったんだろう。お互い、義務的に付き合っていただけじゃないか。私たちは付き合っていたとは言えないんじゃないか。そう思う。一回も二人で出かけたことがないのも、心の中では信頼しあってなかったからで
夏姫 さん作 [448] -
裏切り〈2〉
私、百合はただ今大学一年生。将来的には獣医になりたい、って考えてる。たくさんの小さな命を、この手で助けたいと思ってる。「百合!次の移動、一緒に行こ!」「うん、いいよぉ」大学に入ってから新しくできた友達の楓は、いつも仲良くしてくれる。人見知りの私にとっては、楓はすごく大切な存在だった。「次ってなんだっけ?」「解剖じゃなかったっけ」「そうだった!!」「あはは、楓ったら」 そんなふうに、私はキャンパ
夏姫 さん作 [459] -
世界の果て―2―
いつも通りの退屈な授業。国語の先生の話が長ったらしく、隼人は大あくびをした。ふと左を見ると、青空と校庭がいい感じにマッチしている。(いいな〜。やっぱこういう天気の日は、勉強じゃなくて部活とか体動かすことをする日だと思うんだよな〜) 外で体育してる一年を見ると無性に羨ましくもあり、憎らしくもある。 こっそりとため息をつき、教科書に目を落とした。「…どうしたの、隼人くーん」「…何だよ、いきなり」隣
夏姫 さん作 [621]